雑草抜き其の二

 今年は蚊が少なくて良いなどと思っていたけれど、今頃になって、例年通り大量に出るようになった。
 洗濯物を干したりごみを出したり、庭へ出るたびに、足元に20匹くらいの蚊がまとわりついて、次々と刺しに来る。そのため、窓に網戸はしているけど、出入りするたびに、手足にたかっていた群のうちの一匹や二匹が抜け目なくいっしょに部屋に入り込む。ときには、ふくらはぎや膝頭に食いついたままついてくるのもいる。
 どこでそんなに湧いているのかと思うが、庭の水槽には金魚やめだかが入っているから、小さなボウフラの卵なんて食べてしまうだろう。きっとよその水で湧いたのが、うちへ来るのかもしれない。庭の一角に、草が茫々に生えているところがあって、湧いた蚊が、その草むらを隠れ家にしてわんわん飛んでいる。
 庭に蚊の集会場があるというのはよろしくない。前に雑草抜きをしてからもう長いこと経ったから、そろそろ抜くことにした。
 丸い葉っぱと太い茎の同じ種類の草ばかり、次々抜いていったら、びっくりしたオンブバッタがぴょんぴょんと飛び出してきた。せっかく快適に生い茂っていたところを申し訳ないが、仕方がない。
半分ほど抜いたところで、草むらの真ん中あたりの葉の上に、大きな蛾が止まっていることに気がついた。太い胴体と少し外に開いた戦闘機のような形の羽で、おそらくスズメガの仲間だと思われるけど、まわりの草をどんどん抜いてもちっとも飛ばない。きっと蛹から羽化したばかりの若い蛾で、まだ飛べないのだろう。
 虫に表情などないだろうしあっても小さくて見えやしないだろうが、私が周囲の草を抜くと、なんとなく必死の形相で揺れる葉っぱにしがみついているように見える
 蛾の止まっている草を揺さぶらないようにとまでは気遣わないが、蛾の草を残して、ほかのは抜いて、せいせいした。
 翌日の朝に見ると、もう蛾はいなかった。
 蚊対策としての効果はというと、あまり関係なかったようである。


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