かご入り猫

 座布団と段ボールとひざ掛けで作ったみゆちゃん用簡易猫テントは、みゆちゃんが上からどんどん踏みつけたり、飛び込んだり、転げたりするものだから、10日と経たないうちに壊れてしまった。
 それで、今までどおり、ソファの背もたれの上に敷いた毛布の上で眠っていたり、お気に入りのキャットタワーの一番上の台座の上で丸くなっていたりするのだが、暖かいうちはそれでいいけれど、少し冷えてくると覆いがないから寒そうである。身体をぎゅっと小さく丸くして、熱が逃げるのを最小限にしようとしている。
 キャットタワーの真ん中あたりには居心地のよさそうな猫ハウスがついているのだけれど、なぜかみゆちゃんはそこを使わない。自分のにおいのついた毛布を敷けば入るかと思って敷いてみたけれど、ちょっと顔を突っ込んでくんくん調べてみただけで、やっぱり入らない。猫ハウスは入口がステップの陰になってこぢんまりとしていて、ちょうどみゆちゃんの祖先の野生の猫族がすみかにしていたような穴倉風であると思うのだけれど、何が気に入らないのかと思う。
 そうこうしているうちに、もうすぐ急に気温が下がるという予報が出たので、何とかしなければと思って、お風呂に入るときに使っていた脱衣かごの中にみゆちゃんのお気に入りの肌触りの毛布を敷いて、かご全体をフリースのひざ掛けで包み込んだら、これがお気に召した。朝もいつもより寝坊するくらい気持ちよさそうに眠っているから、私もほっとしている。
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