子猫が来た!

 家に子猫を迎え入れることにした。
 一ヶ月か二ヶ月くらい前、公園に母猫と4匹の子猫たちが捨てられた。公園の猫たちの世話をしている人の話によると、詳しくはわからないが、もともとの飼い主が引っ越すことになって、こちらに残ることになった家族の誰かに猫を託したのだけれど、その託された人が捨ててしまったのだという。
 捨てられたときには、子猫たちはまだ本当に小さくて、手のひらに乗るほどだったらしい。三毛の母猫に、黒一匹、茶白一匹、黒白二匹の兄弟である。
 黒白の片方は、なぜだかわからないけれど、ほかの子猫よりもひとまわりかふたまわりくらい大きい。この大きな子猫をもらうことにした。
 それで、きょう家に連れてきた。
 もともと人なれしていたせいもあるかもしれないが、すごい順応力を見せた。最初のうちしばらくはキャリーバッグの中でじっとしていたけれど、やがて部屋の中を探検しはじめ、麻の爪とぎでばりばりと豪快な音を立てて爪を研いで、ちゃんと猫トイレでおしっこをした。母親を探すような鳴き声を少し立てたけれど、好奇心が勝るのか、みーみーと鳴きながらも、子供が拾ってきたどんぐりの実を机の下で一生懸命転がして遊んでいる。
 ご飯も食べて水も飲んで、うんちもした。ネズミのおもちゃをあげたら、これがもう面白くてたまらないらしい。自分でくわえて上手に放り投げ、猫パンチしたりじゃれついたり、爪とぎポールのまわりで遊んでいたかと思ったらピアノの下へ運んで行って遊び、また爪とぎポールへと、繰り返し繰り返し、小一時間もずっとひとりで遊んでいた。
 それで疲れて眠くなったのか、にゃーにゃー鳴くので抱っこしてあげたら嬉しそうにごろごろ言って、自分で座布団の上にあがっていって、丸くなって寝てしまった。
 ところが、一方のみゆちゃんは、子猫がやってきた途端、嫌がって二階へ引っ込んでしまった。機嫌をとりに上がっていっても、にゃうにゃうにゃうとまるで不平をこぼすような声で鳴くばかり。
 ようやく降りてきたところを、子猫と同じ部屋に入れて慣らそうとしたら、今度はキャットタワーの一番上に登ったきり降りてこない。子猫のほうは、みゆちゃんと仲良くなりたいようで、にゃあにゃあ鳴きながら近づいていくのだが、それにみゆちゃんはしゃあと威嚇する。ちゃめとは犬猿の仲のみゆちゃんだけれど子猫なら大丈夫だろうと思ったのだが、みゆちゃんがここまで神経質だとは知らなかった。なだめようと背中を撫でても、かたくなって唸ったりする。長いあいだキャットタワーで篭城しているから、お腹も空くだろうと気を使って、ご飯や水を口元まで持って行ってあげる。勝手なことでみゆちゃんには本当に申し訳ないけれど、仲良くなってもらわないと困る。
 子猫は座布団の上ですやすやと眠っている。撫でてあげると、すぐにごろごろのどを鳴らして仰向けになる。ちょっと警戒心がなさ過ぎではないかとも思うけれど、母猫から離して来た負い目があるから、ここまでリラックスしてくれるとほっとする。
 茶白の子猫は最近貰い手がついて引き取られていった。残る母子三匹については、なんとかしなければならない。


つかれちゃった…
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