ご長寿猫の食生活

 このあいだの猫の日に開かれたある会で、向かいの席に座っていた人が、五つ並んだニャンにちなんで、五匹の猫が後ろを向いて並んだ絵を面白く描いておられた。ただ上手いとかではなく、味があって、五匹の猫のそれぞれが、うしろ姿であるにもかかわらず何かを語っているような表情の豊かさがあったので、その人に、猫がお好きなんですかと聞いてみたら、子供の頃から、数年前に最後の猫が亡くなるまで、絶えず猫がそばにいたのだという返事で、大いに納得した。
 最後の猫が亡くなってからは、もういまから新しく飼ったのでは、どちらが先に逝くかわからない、猫があとに残ってしまっては困るからという理由で、もう飼わないのだと言った。しかし、そういう猫に縁深い人は、猫と関わらないでおこうと思っていても、猫のほうからやって来るもので、また何かしら、運命の出会いがあるのではないかしらと考えたりする。
 その最後に飼った猫が、25年も生きたという。隣に座っていた人が、長生きした秘訣は何ですか、と聞くと、事故や伝染病をふせぐために室内飼いにしたことと、食事は人間の食べ物はあげないで、キャットフードとささみだけにしたからかしらね、という話だった。
 人間の食べ物は猫にとっては味付けが濃いから、あまりあげすぎると腎臓を悪くするようだ聞く。この天寿を全うした猫氏の食事の献立は、我が家でも大いに参考にしたい。だからふくちゃん、今夜のおかずが鰆の味噌漬けであっても、ねだりに来ちゃいかんよ。
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