猫のお引越し

 一月の終わりに引っ越したのだけれど、引っ越すにあたって、一番心配だったのは、やっぱり猫たちのことだった。ふくちゃんは前の家で1年と2ヶ月、みゆちゃんにおいては5年余りを過ごして、どちらも引越しははじめてである。
 環境の変化がどれだけ猫たちに負担になるかと思ったけれど、どうやら杞憂であった。さすがに最初の数日は、食欲が減っていたようだけれど、それもしばらくすると元通りになった(おかげでふくちゃんは相変わらずダイエットが必要である)。犬は人について、猫は家につく、などといわれるけれど、少なくともうちの猫に関しては当てはまらなかったらしい。
 前の家は日当たりが悪くて、冬の天気のいい日に外の気温が上がっても家の中はいつまでもじんじんと寒く、外のほうが暖かい、なんていうことがよくあった。実家には南向きの大きな窓があって、その窓辺に毛布を敷いたかごを三つ並べてあったのがいつも羨ましくて、新しい家は日当たりを最重視して探した。南向きの窓がある家で、その窓の前に猫タワーを据えた。
 それからもうひとつ、今度の家には滑りのいい引き戸が幾箇所かあって、みゆちゃんは自由にそれらを開けることができる(猫だから、開けはするけれど、閉めることはない)。前の家で、ふくちゃんだけが窓を開けることが出来て、賢いはずのみゆちゃんができないのは、腑に落ちないと思っていたけれど、重かった前の家の窓を開ける馬鹿力がみゆちゃんにはなかっただけだということがこれでわかって、納得した。
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