「ヒミツのひだりききクラブ」(7分)
キリーロバ・ナージャ:作
古谷萌と五十嵐淳子:絵
森加奈子:RAREKIDSロゴデザイン
野本有莉:編集
文響社:発行
2021.10第1刷(1680円)
作者はソ連(当時)生まれ。
両親の転勤とともに、6か国(ロシア、日本、イギリス、フランス、アメリカ、カナダ)の地元校で多様な教育を受けた。
その中で、何事も絶対的な「ふつう」は存在せず、誰もがどこかちょっとユニークな部分を持っていることに気づく。
(作者紹介文より)
※私自身も左利きだった。
「だった」というのは、継母によって矯正させられたからだ。
私が子どもの頃は左利きは「ぎっちょ」と言われ、異質なモノ(=恥ずかしい)みたいに考える人が多かった。
何度注意されても直ぐに左手が出る私に、継母がどれだけ苛立っていたことか。
ある日、百貨店の屋上に連れて行かれ、アイスクリームを買ってくれたことがあった。
嬉しくて嬉しくて、とっさにスプーンを持ったのが左手で、継母は怒りまくり何処かへ行ってしまった。
アイスクリームを放り出して追いかけるなんて、当時幼稚園生だった私にできるわけもなく、怒って何処かへ行く継母の後ろ姿を見つめながら、急いで食べたのだった。
そして・・・私は迷子になった💧
泣いて泣いて、、、百貨店の外まで出たところで、心優しい女性が派出所に連れて行ってくれた。
お巡りさんは、きっと連絡するのに親の名前とか住所とか聞いたように思う。
だけど、あんな怖い形相で去って行った継母なんぞに迎えに来てもらったら、どんな怖い目にあうのやら、、、
そこで私が伝えたのは、幼稚園の先生の名前だった。
しばらくして、優しい幼稚園の先生が迎えに来てくれ、一緒に派出所から出てしばらく歩いた所で継母と遭遇した。
継母曰く、私が勝手に何処かへ行ったので探し回っていたのだと・・・。
帰宅してからのことは、もはや思い出したくないくらいの地獄だった。
そんな継母とは30年近く連絡を取っていない。
私には実家は無く親もいない!と、自身に言い聞かせてきた期間でもある。