雀庵の「常在戦場/68 宿痾の大陸国家VS海洋国家」
“シーチン”修一 2.0
【Anne G. of Red Gables/353(2021/8/15/日】13日は盆の入り。みんなキャンプに出掛けたから一人で墓参り、迎え火。カミサンが用意しておいた小机には花やお供え物、精霊馬などが飾ってあるので、提灯を灯して線香を立ててチーンチーン。「父上、母上、中共包囲戦の目途がつきましたらお側に参ります、暫くご猶予を」。
それにしても何となく“孤老”の気分だが、メールで「情けない 気力はあれど 役立たず 同志の奮闘 期待するのみ」と先輩に送ったら、「頼もしき 同志の声の 澎湃と 津々浦々に いざ興るなり」の返歌が来たので、闘魂が甦ってきた。千里の堤も蟻の一穴、「いつか青空」を信じて歩を進めよう。頑張るんだ、自分! ま、笑ってもいいけど。
ニーズを創る、煽る、誘導する・・・現役時代はマーケティングが主な仕事だったから、今でもその精神というか、いささか怪しげな口舌の徒のような気性は残っているようだ。しかしながら、下手なことを書くと確実にイエローカード、レッドカードを喰らうから、記事一本書き終えると息も絶え絶え、ベッドに倒れ込んで「このまま成仏してもいい・・・」。老人性エクスタシーだな。「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」の境地に似ていなくもないか?
会計士ブロガー・根本晃氏の「新渡戸稲造『武士道』要約と考察 現代、サムライの精神は死んだのか」から。
<(1)新渡戸稲造は「日本と海外の架け橋になりたい!」と思い立ち海外に留学。そこでメアリーさんと出会って結婚。(2)奥さんや周りの人から「日本は宗教教育がないのに道徳観念を持っているのはなぜ?」と聞かれる。(3)この質問に頑張って答えようとしていたら新渡戸は気が付く。日本人の道徳や正義を形成しているのは「武士道」だと。
(4)武士道は仏教・神道・儒教の影響を受けているハイブリッドな精神で、一言で言うなら「高き身分の者に伴う義務(ノーブレス・オブリージュ)」だ!(5)武士道には義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義という7つの徳(精神)があるという形で整理できそうだ・・・(以上が粗筋)
1862年、岩手県盛岡市で生まれた新渡戸稲造は、農学を学ぶために札幌農学校(現・北海道大学)に入学します。「少年よ、大志を抱け」で有名なクラーク博士が初代教頭を務めたエリート校。新渡戸が入学した当初は既に米国へ帰国していましたが、クラーク博士の影響でキリスト教が広まっており西洋のことも多く学びます。同級生にはキリスト教思想家の内村鑑三(1861~1930年)もいました。
☆「われ、太平洋の架け橋とならん」:札幌農学校卒業後、新渡戸は帝国大学(現・東京大学)の入試試験を受け、このときに面接で「われ、太平洋の架け橋とならん」という有名な言葉を残しています。
その後に東大を退学してアメリカやドイツに留学。アメリカでメアリー・エルキントン(1857~1938年)と出会い結婚しました。
1891年に帰国した新渡戸は札幌農学校の教授となるも、体調を崩しやむを得ず休職。療養中に英文で書き上げたのが『武士道』(BUSHIDO: The Soul of Japan)です。
1900年にアメリカで出版されるとたちまち反響を呼び、フランス語・スペイン語など各国の言語に訳されました。アメリカ大統領セオドア・ルーズベルト(1858~1919年)も徹夜で読みふけるほど感銘を受けたといいます。
☆『武士道』はなぜ書かれた?しかも英語で?:新渡戸がベルギーの法学者ド・ラブレーの家に招かれた時のこと。散歩の途中でこんな質問を受けます。
ラブレー「日本の学校では宗教教育がないのですか!?」
新渡戸「ありません」
ラブレー「宗教教育がない! では日本人はどうやって道徳教育をするのですか?」
この質問に即座に答えることのできなかった新渡戸は考えた末、日本人の善悪や正義の観念を形成しているのが「武士道」であったことに気が付きます。
また、妻のメアリーからもなぜ日本でこのような思想や道徳教育がいきわたっているのかと何度も聞かれたことで『武士道』を書くことを決意しました。外国の人に日本の精神を教える、という趣旨から英文で書き上げられました。
☆『武士道』の要約・解説 武士道とは:新渡戸は武士道を一言で言うと「武士の掟」すなわち「高き身分の者に伴う義務(ノーブレス・オブリージュ)」であると述べています。
武士道は成文法ではなく、また1人の人間によって作られたものではありません。数十年、数百年にわたる日本の歴史の中で、武士の生き方として自発的に醸成され発達したものです。
新渡戸によると、日本の封建制度は源頼朝(1147~1199年)が鎌倉幕府を開いたときです。これにより武士(サムライ)たちが世の中の中心に躍り出ることになります。
武士はもともと戦う事を専門としますが、そんな彼らが世の中の中心に立って好き放題してしまっては社会が成り立ちません。したがって、武士の間でも「フェアプレイの精神」が求められるようになりました。このようにして、武士の生活の中に武士道たる崇高な道徳律が生まれました。
☆武士道の源:武士の中で自発的に、とは言っても考え方の源泉がない訳ではありません。武士道は仏教・神道・儒教の影響を受けています。
・仏教 仏教は武士道に運命を穏やかに受入れ、運命に静かに従う心を与えた、と言われています。具体的には、危険な状況などにおいても常に平静を保ち、生に執着せず死を受け入れることでした。
・神道 他の宗教では教わらないような、主君に対する忠義・祖先に対する尊敬・親に対する孝心などの考え方は神道の影響で武士道へ伝えられました。神道は、武士道の中に忠誠心と愛国心を徹底的に吹き込みます。
・儒教 新渡戸によると、武士道に最も大きな影響を与えたのは儒教でした。儒教は、古代中国に起こった孔子の思想に基づく教え。
しかし教えを知識として知っているだけでは「論語読みの論語知らず」という諺のように冷笑され、真に重んずるべきは「行動」であるとされていました。そこで孔子や孔子の教えを受け継いだ孟子にも増して影響を与えたのが「知行合一」を説いた王陽明です。
知行合一とは、考える事(知)と行動すること(行)は一体であり、本当の知は実践を伴わなければならないということ・・・云々>全文は以下を参照あれ。
https://hinemoto1231.com/reading/bushido_the_soul_of_japan
武士道に仏教が影響しているとは意外だった。このところ就寝の際に中村元先生の「原始仏典」を読んでいるが、お釈迦様は「殺されても報復するな、憎悪が連鎖するだけだ」と徹底的な避戦主義である。「チベット仏教が中共による弾圧に自死でしか抗議しないのはそういう訳か」と納得したが、それでは中共の思う壺、チベット仏教は消滅するしかない。
「死が迫っても潔く死ね、あの世で極楽が待っている」というのは、佐伯啓思先生の「死と生」によれば“あの世”はお釈迦様が亡くなった後に創られた考えだとある。「あの世で報われるから苦難に耐えよ」、そうでもしなければ憎悪が連鎖するだけだと言うのは分からないでもないけれど、悪政を助長する、延命させる、それは悪政の犠牲者を増やすだけだと小生は思うのだが・・・
君が代を 何に誓へん 弥栄(いやさか)の 前途護らん 鬼神となりて
吉本健太郎中尉・海兵72期、昭和20年1月20日「回天」発進、ウルシー海域にて戦死。国家、正義に殉ずる、避けられない死なら生に執着せずに戦おう、たとえ死すとも鬼神となりて敵を殲滅せずにはおかない、あとに続く者あるを信ず、というのが本来の武士道ではないか。そうでなければ戦死者は報われない。
新渡戸先生は札幌農学校時代の18歳前後で、クラーク博士の影響により同校でパンデミック的に流行していたキリスト教徒に改宗しているから、仏教をあまりご存じなかったかも知れないが・・・
孔子・儒教の教えを継承した孟子曰く「敵国外患無き者は国恒(つね)に亡ぶ」。競争する国や敵国がなく、 外国に攻められる心配もない国は、国全体に緊張を欠き油断を生じてついには国が滅亡するということである(コトバンク)。新渡戸先生は「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」の儒教・朱子学的な「葉隠」を想定していたようである。
まあ、重箱の隅をつつくような野暮はお仕舞。仏教の良さというかキモは「諍(いさか)いは止めましょう」であり、だからこそ聖徳太子は十七条憲法で「仏教の三宝(仏・法・僧)を篤く敬え」と明記したわけだ。もう争い事はこりごり、仲良くやろうぜ、国内がまとまらないと支那や朝鮮に乗っ取られぞ、と。
1400年経っても相変わらず緊張リスクが続いているというのも奇妙な話だが、地政学で言うところの「海洋国家」と「大陸国家」の違いで、火山のように和平/平時と噴火/戦時を繰り返すようだ。数理暦学協会のサイトから。
<この区分けは、地政学の祖とされるイギリスの マッキンダー卿が100年位前に唱えた考え方です。
★海洋国家:海との関わりが大きく、国土の大半あるいは広範囲が海に面している国です。日本は勿論のこと、アメリカ・イギリス・ポルトガル・スペイン・オランダが挙げられます。
海で囲まれていますので、海という自然の要塞の中で守られているため、独自の文化が育ちやすく、国内の団結力を維持しやすい特徴があります。
逆に(自国にない)欲しいものを手に入れる為には海上に出るしかありません。自国を守る為にも制海権を握ることが必要なので、洗練された高度な技術と少数精鋭のスキルの有能な人材育成に力を入れてきました。
★大陸国家:海に接している部分が少ない国で、陸上輸送や陸軍の力で国家の権力を掌握している国家です。中国・モンゴル・ロシア・フランス・ドイツなどが挙げられます。
大陸国家は、国境を他の国と接しているため、他国に対して、対等な関係より服従を要求する性質があります。陸上での動員数で勝敗が決まりますから、国家主権が強まる傾向があります。
友好より自分達の方が強いか弱いか。上か下か。弱肉強食的な考えになり、また、考え方が内向きになりやすく、他を受け入れない閉鎖的な性格が強くなります。力を示すには量や数字、何十万もの兵力というものにやたらこだわります。
大陸国家は陸路で近隣国と繋がっているため、国家を保つには強い軍備力・人数が多い方が心強く、雌雄を決しないと安心して生活などできず、弱肉強食的な考え方と閉鎖性が強くなっても致し方ありません。
一方で海洋国家は海に囲まれ、他国と直接領土が接していないため、比較的のんびりとしており開放的、国内で独自の文化が育まれやすい環境にあります。また逆にどうしても必要なものがない限り、内政重視の質もあります、云々>
インド太平洋地域では、海洋国家は日本・台湾・東南アジア諸国・インド・豪州・米・加(いずれも自由民主主義)、大陸国家は中共・韓国・北・ロシア(いずれも強権独裁主義的)あたりのようだ。
中共包囲網でロシアはどう動くのか、もちろん国益重視だから中共とは「着かず離れず」で漁夫の利を狙うだろう。ロシアにとって中共は潜在敵でもあるし、国際社会の反発を避けるために表向きは軍事支援を控えるかもしれないが、ロシアは長すぎるほど戦時が続いている戦上手、狡猾だから、実際にどう出るかは予測できない。国益で動くが、メンツで動いて失敗することも多い(冷戦を招いたり、東欧諸国を弾圧したり、アフガンに侵攻したり)。
中共包囲戦がじわじわ強まれば中国進出企業への世界的な非難も高まり、不買運動はどんどん進むから、母国や他国への移転も増えていくだろう。「政治は政治、経済は経済」などと反論すれば火に油を注ぐだけ。「14億市場を選ぶか、65億市場を選ぶか、不道徳、人権無視の銭ゲバ企業を許さない!」なんて罵倒され、デモ隊に包囲されたら、どんな強気のパンダハガーだって中国から撤収せざるを得ない。中国よりカネが大事なのだから。
持続可能な対中目標、初めの一歩は「中国産品、ダメ、絶対!」。65億が続ければ14億は早晩干上がる。「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」、同志諸君、頑張ろうぜ!
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
https://blog.goo.ne.jp/annegoftotopapa4646
まぐまぐID 0001690154「必殺クロスカウンター」
“シーチン”修一 2.0
【Anne G. of Red Gables/353(2021/8/15/日】13日は盆の入り。みんなキャンプに出掛けたから一人で墓参り、迎え火。カミサンが用意しておいた小机には花やお供え物、精霊馬などが飾ってあるので、提灯を灯して線香を立ててチーンチーン。「父上、母上、中共包囲戦の目途がつきましたらお側に参ります、暫くご猶予を」。
それにしても何となく“孤老”の気分だが、メールで「情けない 気力はあれど 役立たず 同志の奮闘 期待するのみ」と先輩に送ったら、「頼もしき 同志の声の 澎湃と 津々浦々に いざ興るなり」の返歌が来たので、闘魂が甦ってきた。千里の堤も蟻の一穴、「いつか青空」を信じて歩を進めよう。頑張るんだ、自分! ま、笑ってもいいけど。
ニーズを創る、煽る、誘導する・・・現役時代はマーケティングが主な仕事だったから、今でもその精神というか、いささか怪しげな口舌の徒のような気性は残っているようだ。しかしながら、下手なことを書くと確実にイエローカード、レッドカードを喰らうから、記事一本書き終えると息も絶え絶え、ベッドに倒れ込んで「このまま成仏してもいい・・・」。老人性エクスタシーだな。「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」の境地に似ていなくもないか?
会計士ブロガー・根本晃氏の「新渡戸稲造『武士道』要約と考察 現代、サムライの精神は死んだのか」から。
<(1)新渡戸稲造は「日本と海外の架け橋になりたい!」と思い立ち海外に留学。そこでメアリーさんと出会って結婚。(2)奥さんや周りの人から「日本は宗教教育がないのに道徳観念を持っているのはなぜ?」と聞かれる。(3)この質問に頑張って答えようとしていたら新渡戸は気が付く。日本人の道徳や正義を形成しているのは「武士道」だと。
(4)武士道は仏教・神道・儒教の影響を受けているハイブリッドな精神で、一言で言うなら「高き身分の者に伴う義務(ノーブレス・オブリージュ)」だ!(5)武士道には義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義という7つの徳(精神)があるという形で整理できそうだ・・・(以上が粗筋)
1862年、岩手県盛岡市で生まれた新渡戸稲造は、農学を学ぶために札幌農学校(現・北海道大学)に入学します。「少年よ、大志を抱け」で有名なクラーク博士が初代教頭を務めたエリート校。新渡戸が入学した当初は既に米国へ帰国していましたが、クラーク博士の影響でキリスト教が広まっており西洋のことも多く学びます。同級生にはキリスト教思想家の内村鑑三(1861~1930年)もいました。
☆「われ、太平洋の架け橋とならん」:札幌農学校卒業後、新渡戸は帝国大学(現・東京大学)の入試試験を受け、このときに面接で「われ、太平洋の架け橋とならん」という有名な言葉を残しています。
その後に東大を退学してアメリカやドイツに留学。アメリカでメアリー・エルキントン(1857~1938年)と出会い結婚しました。
1891年に帰国した新渡戸は札幌農学校の教授となるも、体調を崩しやむを得ず休職。療養中に英文で書き上げたのが『武士道』(BUSHIDO: The Soul of Japan)です。
1900年にアメリカで出版されるとたちまち反響を呼び、フランス語・スペイン語など各国の言語に訳されました。アメリカ大統領セオドア・ルーズベルト(1858~1919年)も徹夜で読みふけるほど感銘を受けたといいます。
☆『武士道』はなぜ書かれた?しかも英語で?:新渡戸がベルギーの法学者ド・ラブレーの家に招かれた時のこと。散歩の途中でこんな質問を受けます。
ラブレー「日本の学校では宗教教育がないのですか!?」
新渡戸「ありません」
ラブレー「宗教教育がない! では日本人はどうやって道徳教育をするのですか?」
この質問に即座に答えることのできなかった新渡戸は考えた末、日本人の善悪や正義の観念を形成しているのが「武士道」であったことに気が付きます。
また、妻のメアリーからもなぜ日本でこのような思想や道徳教育がいきわたっているのかと何度も聞かれたことで『武士道』を書くことを決意しました。外国の人に日本の精神を教える、という趣旨から英文で書き上げられました。
☆『武士道』の要約・解説 武士道とは:新渡戸は武士道を一言で言うと「武士の掟」すなわち「高き身分の者に伴う義務(ノーブレス・オブリージュ)」であると述べています。
武士道は成文法ではなく、また1人の人間によって作られたものではありません。数十年、数百年にわたる日本の歴史の中で、武士の生き方として自発的に醸成され発達したものです。
新渡戸によると、日本の封建制度は源頼朝(1147~1199年)が鎌倉幕府を開いたときです。これにより武士(サムライ)たちが世の中の中心に躍り出ることになります。
武士はもともと戦う事を専門としますが、そんな彼らが世の中の中心に立って好き放題してしまっては社会が成り立ちません。したがって、武士の間でも「フェアプレイの精神」が求められるようになりました。このようにして、武士の生活の中に武士道たる崇高な道徳律が生まれました。
☆武士道の源:武士の中で自発的に、とは言っても考え方の源泉がない訳ではありません。武士道は仏教・神道・儒教の影響を受けています。
・仏教 仏教は武士道に運命を穏やかに受入れ、運命に静かに従う心を与えた、と言われています。具体的には、危険な状況などにおいても常に平静を保ち、生に執着せず死を受け入れることでした。
・神道 他の宗教では教わらないような、主君に対する忠義・祖先に対する尊敬・親に対する孝心などの考え方は神道の影響で武士道へ伝えられました。神道は、武士道の中に忠誠心と愛国心を徹底的に吹き込みます。
・儒教 新渡戸によると、武士道に最も大きな影響を与えたのは儒教でした。儒教は、古代中国に起こった孔子の思想に基づく教え。
しかし教えを知識として知っているだけでは「論語読みの論語知らず」という諺のように冷笑され、真に重んずるべきは「行動」であるとされていました。そこで孔子や孔子の教えを受け継いだ孟子にも増して影響を与えたのが「知行合一」を説いた王陽明です。
知行合一とは、考える事(知)と行動すること(行)は一体であり、本当の知は実践を伴わなければならないということ・・・云々>全文は以下を参照あれ。
https://hinemoto1231.com/reading/bushido_the_soul_of_japan
武士道に仏教が影響しているとは意外だった。このところ就寝の際に中村元先生の「原始仏典」を読んでいるが、お釈迦様は「殺されても報復するな、憎悪が連鎖するだけだ」と徹底的な避戦主義である。「チベット仏教が中共による弾圧に自死でしか抗議しないのはそういう訳か」と納得したが、それでは中共の思う壺、チベット仏教は消滅するしかない。
「死が迫っても潔く死ね、あの世で極楽が待っている」というのは、佐伯啓思先生の「死と生」によれば“あの世”はお釈迦様が亡くなった後に創られた考えだとある。「あの世で報われるから苦難に耐えよ」、そうでもしなければ憎悪が連鎖するだけだと言うのは分からないでもないけれど、悪政を助長する、延命させる、それは悪政の犠牲者を増やすだけだと小生は思うのだが・・・
君が代を 何に誓へん 弥栄(いやさか)の 前途護らん 鬼神となりて
吉本健太郎中尉・海兵72期、昭和20年1月20日「回天」発進、ウルシー海域にて戦死。国家、正義に殉ずる、避けられない死なら生に執着せずに戦おう、たとえ死すとも鬼神となりて敵を殲滅せずにはおかない、あとに続く者あるを信ず、というのが本来の武士道ではないか。そうでなければ戦死者は報われない。
新渡戸先生は札幌農学校時代の18歳前後で、クラーク博士の影響により同校でパンデミック的に流行していたキリスト教徒に改宗しているから、仏教をあまりご存じなかったかも知れないが・・・
孔子・儒教の教えを継承した孟子曰く「敵国外患無き者は国恒(つね)に亡ぶ」。競争する国や敵国がなく、 外国に攻められる心配もない国は、国全体に緊張を欠き油断を生じてついには国が滅亡するということである(コトバンク)。新渡戸先生は「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」の儒教・朱子学的な「葉隠」を想定していたようである。
まあ、重箱の隅をつつくような野暮はお仕舞。仏教の良さというかキモは「諍(いさか)いは止めましょう」であり、だからこそ聖徳太子は十七条憲法で「仏教の三宝(仏・法・僧)を篤く敬え」と明記したわけだ。もう争い事はこりごり、仲良くやろうぜ、国内がまとまらないと支那や朝鮮に乗っ取られぞ、と。
1400年経っても相変わらず緊張リスクが続いているというのも奇妙な話だが、地政学で言うところの「海洋国家」と「大陸国家」の違いで、火山のように和平/平時と噴火/戦時を繰り返すようだ。数理暦学協会のサイトから。
<この区分けは、地政学の祖とされるイギリスの マッキンダー卿が100年位前に唱えた考え方です。
★海洋国家:海との関わりが大きく、国土の大半あるいは広範囲が海に面している国です。日本は勿論のこと、アメリカ・イギリス・ポルトガル・スペイン・オランダが挙げられます。
海で囲まれていますので、海という自然の要塞の中で守られているため、独自の文化が育ちやすく、国内の団結力を維持しやすい特徴があります。
逆に(自国にない)欲しいものを手に入れる為には海上に出るしかありません。自国を守る為にも制海権を握ることが必要なので、洗練された高度な技術と少数精鋭のスキルの有能な人材育成に力を入れてきました。
★大陸国家:海に接している部分が少ない国で、陸上輸送や陸軍の力で国家の権力を掌握している国家です。中国・モンゴル・ロシア・フランス・ドイツなどが挙げられます。
大陸国家は、国境を他の国と接しているため、他国に対して、対等な関係より服従を要求する性質があります。陸上での動員数で勝敗が決まりますから、国家主権が強まる傾向があります。
友好より自分達の方が強いか弱いか。上か下か。弱肉強食的な考えになり、また、考え方が内向きになりやすく、他を受け入れない閉鎖的な性格が強くなります。力を示すには量や数字、何十万もの兵力というものにやたらこだわります。
大陸国家は陸路で近隣国と繋がっているため、国家を保つには強い軍備力・人数が多い方が心強く、雌雄を決しないと安心して生活などできず、弱肉強食的な考え方と閉鎖性が強くなっても致し方ありません。
一方で海洋国家は海に囲まれ、他国と直接領土が接していないため、比較的のんびりとしており開放的、国内で独自の文化が育まれやすい環境にあります。また逆にどうしても必要なものがない限り、内政重視の質もあります、云々>
インド太平洋地域では、海洋国家は日本・台湾・東南アジア諸国・インド・豪州・米・加(いずれも自由民主主義)、大陸国家は中共・韓国・北・ロシア(いずれも強権独裁主義的)あたりのようだ。
中共包囲網でロシアはどう動くのか、もちろん国益重視だから中共とは「着かず離れず」で漁夫の利を狙うだろう。ロシアにとって中共は潜在敵でもあるし、国際社会の反発を避けるために表向きは軍事支援を控えるかもしれないが、ロシアは長すぎるほど戦時が続いている戦上手、狡猾だから、実際にどう出るかは予測できない。国益で動くが、メンツで動いて失敗することも多い(冷戦を招いたり、東欧諸国を弾圧したり、アフガンに侵攻したり)。
中共包囲戦がじわじわ強まれば中国進出企業への世界的な非難も高まり、不買運動はどんどん進むから、母国や他国への移転も増えていくだろう。「政治は政治、経済は経済」などと反論すれば火に油を注ぐだけ。「14億市場を選ぶか、65億市場を選ぶか、不道徳、人権無視の銭ゲバ企業を許さない!」なんて罵倒され、デモ隊に包囲されたら、どんな強気のパンダハガーだって中国から撤収せざるを得ない。中国よりカネが大事なのだから。
持続可能な対中目標、初めの一歩は「中国産品、ダメ、絶対!」。65億が続ければ14億は早晩干上がる。「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」、同志諸君、頑張ろうぜ!
目安箱:ishiifam@minos.ocn.ne.jp
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