春の三連休も終盤を迎え、世の中は新年度へ向けて慌ただしく動いている。とは言っても未だコロナ禍の中、加えて先日の地震の影響か、通年での人の動きにも変化があると感じていて、相変わらず不安で落ち着かない日々が継続している。明るい、そして先が見通せる春を心待ちにしているのだが・・・
今年は、長年のテーマでもある「甲斐路の春」を体験してきたいと計画している。体験とは言っても、そんな大袈裟なことではなく、白い頂きの残る南アルプスを眺め、木々の息吹を感じて、青年時代に見た日本の原風景を探してみたいのだ。山桜や桃の花が色どり、晴天下での空気感を味わいたいのである。もちろん画像の主役は鉄道車両だろうが、どんな車両が来ても、生涯心に焼き付いているような写真が撮れたら本望なのだが。そんな事を妄想してダイヤ、時刻表を見ることも楽しい時間なのである。
昔、今のこの時期に撮影したE351系「スーパーあずさ」号。この拙ブログでも何度か登場している181系あずさを見てもお分かりのように、アントンKにとって「あずさ」号はいまだに身近な特急電車に思える。第一印象である181系電車は憧れでもありとても好きだった影響だろうか。後年のE257系、E351系そしてE353系電車に対しても、何となく意識してしまうのだ。掲載写真は、思いのほか引退が早かったE351系スーパーあずさ4号。振り子式の特急電車でもあり、中央線の険しい道のりを高速でかっ飛ばしていた印象だ。前面の液晶表示が走行中でも自動反転されるため、文字欠落とともに撮影にはとても苦労させられた想いも蘇ってくる。
1995-03-20 4M スーパーあずさ4号 E351系 JR東日本/中央東線:新府-穴山
今回のダイヤ改正を機に、使われていなかったクモヤ143形電車が疎開回送されたらしい。近年では全く見ることがなかったこの手の事業用車だが、これまたひっそりとお別れを済ませているようである。
アントンKが記憶している事業用車と言えば、クモヤ90などの旧性能電車たちで、茶色の井出達で釣り掛け式の電車だった。当時は都内でどこか撮影に出ていれば、よく出会えた車両だったが、いつも偶然の出会いであり、敢えて調べて撮影したことはないはずだ。そんな車両の後継車クモヤ143何てさらにご縁が無いという物。馴染みはさらに薄かった印象だ。
こんなことを話題にしたので過去の画像を調べてみたら、忘れ去られたクモヤ143が出てきたので、見にくく酷い画像だが掲載しておく。ある年の秋臨で運転されたホリデー快速「やまなし」号で、東海道線から横浜線で八王子へと抜け中央線を下った列車だった。この列車のミソは、165系電車にクモヤ143が連結され、横浜線を走破したということだろう。おそらく信号の関係で連結を余儀なくされたのだろうが、後年、特急「はまかいじ」として近年まで運転されていたことは興味をそそるところだ。無理くりだが、専用のヘッドマークがクモヤにも装着され、入出場時の回送列車とは一線を画しており、当時JRの気合を感じたものだったが、何しろ撮影するには厳しい時間帯での運転だった。
1992-11-22 9557M ホリデー快速やまなし クモヤ143+165系 JR東日本/横浜線:小机付近