車体更新と言えば、アントンKが今まで最も落胆した車両を思い出す。交流機ED75だ。真っ赤な車体が日本の風土に溶け込み、全国的に活躍を見せていた国鉄時代のED75だったが、民営化され試験塗装とやらが登場した時くらいから、雲行きが怪しくなってきた。1990年初頭からの電機機器更新の際、車体の下半分を真っ白にしたナナゴーが現れたのだった。それまでのイメージは根底から覆され、最初はちょっとカメラを向けるのも戸惑ってしまったことを思い出している。当時から、ブルトレとともに好きな機関車の撮影を楽しんでいたアントンKだが、この塗色変更には大いに抵抗があった。
その後、二次更新車と呼ばれる腰回りに白線を巻いただけの塗色が登場し、薄眼でみれば原色風には見えたものの、やはり赤色そのものの色つやが異なって見え、想いだけが先走りした。
そんなナナゴーも、当時から考えて一番若い700番台でさえ、車齢50年近くになり、未だに不定期ではあるが我々の前で元気な姿を拝むことができる事実に改めて驚嘆するのだ。
掲載画像は、未更新機と組んで颯爽に通過していくナナゴ更新機1024号機。天気が急変して露出が無くなり、重連貨物を狙うも更新機が来た!の図。今となっては、苦い思い出が微笑ましい。
2007-08-04 ED75 1024+1034 東北本線:久田野付近