杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

フライト

2013年09月15日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2013年3月1日公開 アメリカ 138分

フロリダ州オークランド発アトランタ行きの旅客機に乗り込んだウィップ・ウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)。一流の操縦テクニックを誇る彼は、この日も激しい乱気流を鮮やかに切り抜け、機体が安定すると副操縦士に任せて眠ってしまう。だが突然の急降下が、ウィトカーの眠りを破る。機体は制御不能、車輪を出し、燃料を捨て、あらゆる手段で速度を落とそうとするが、降下は止まらない。緊迫するコックピットでウィトカーは、機体を逆さまにする背面飛行を決行。高度は水平に保たれ、前方に草原が現れた。ウィトカーは機体を元に戻し、決死の不時着陸に挑む……。アトランタの病院で目覚めたウィトカーは、パイロット組合幹事のチャーリー(ブルース・グリーンウッド)から、102人中生存者は96人だと告げられる。高度3万フィートからのそれはまさに奇跡の着陸だった。しかし密かに付き合っていた客室乗務員のトリ―ナ(ナディーン・ヴェラスケス)が亡くなったと聞き、ウィトカーはショックを受ける。見舞いに来た友人のハーリン(ジョン・グッドマン)が、興奮して世の中の騒ぎをまくし立てる。マスコミがウィトカーの偉業を称え、彼は一夜にしてヒーローとなったのだ。翌朝、チャーリーに呼び出されたウィトカーは、弁護士のラング(ドン・チードル)を紹介される。フライト・レコーダーから、事故の真相は機体の故障だと解明されるはずなのに、なぜ弁護士が必要なのかと声を荒げるウィトカー。実は調査委員会で、ある重大な疑惑が浮上していた。事故後、乗務員全員に行われた検査の結果、ウィトカーの血液中からアルコールが検出されたのだ。それが事故の原因と特定されれば、ウィトカーは過失致死で終身刑となる。一方、10人のパイロットに挑戦させた事故のシミュレーションでは、全員が地面に激突、全乗客が死亡、ウィトカーの神の腕が証明される。だがマスコミが疑惑を嗅ぎつけ始める中、ある客室乗務員はウィトカーを命の恩人だと感謝しながらも、彼に有利な証言を断り、副操縦士はTVのインタビューで思わせぶりな発言をするのだった。心の拠り所だった一人息子にも罵られ、次第に追いつめられていくウィトカー。そして全てが白日の下にさらされる公聴会の日がやって来た……。


絶体絶命の飛行機トラブルを自らの経験と智慧と一瞬の決断力で救った機長が、一方で心の闇を抱えていたという設定です。
アルコール依存症の患者は自分が病気であることを認めたがらない、というのは定説ですが、彼もまた重大事故の後でさえ、自分がそうだとは認めようとはしません。それどころか、一度は断とうとした酒に、事故原因が飲酒にあるのではという疑惑が持ち上がってからは進んで溺れていきます。

そんな彼を守ろうとする人、突き放す人、見守る人・・周囲の関わり方も様々です。
しかし、最後に立ち直るチャンスが訪れます。それはまさに公聴会での一枚の写真、亡くなったトリーナの姿でした。そう、彼女は罪を着せられたとしても彼を許したでしょう。むしろそれを喜んだかもしれません。けれどウィトカーにとって、彼女を冒涜することは自らの心を葬ることにも等しかったのでしょう。それをしてしまったら、彼は彼でなくなってしまうのですから。

ウィトカーの決断は彼の自由を縛ることになりますが、家族や周囲の愛情を取り戻すことにもなるのでしたとさ

ちなみに事故原因は機体トラブルと証明されます。しかし飲酒運転は車でさえ重罪なんですから、やっぱ酔って飛行機の運転しちゃいけませんがな

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