杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ブロークンシティ

2014年08月02日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)
2013年10月19日公開 アメリカ 109分

8日後に市長選を控えたニューヨーク。7年前に警察官を辞め、私立探偵として生計を立てるビリー(マーク・ウォールバーグ)は、現市長ホステラー(ラッセル・クロウ)から妻キャサリン(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)の浮気調査を依頼される。浮気相手が市長再選を狙うホステラーの対立候補ヴァリアント(バリー・ペッパー )の右腕であるアンドリュース(カイル・チャンドラー)と突き止め市長に報告するが、後日アンドリュースが殺害され……。


冒頭で黒人を射殺するビリーの姿が映し出されます。ビリーが無抵抗の容疑者を射殺し、しかも無実だったのではないかとの疑いが浮上し裁判にかけられるのですが、無罪の判決が出ます。しかし市長に呼ばれた彼は辞職するよう勧告され・・・判決と矛盾するこの顛末が後の伏線となっているのね

そして7年後。浮気専門の探偵になっているビリー。恋人はあの事件(婦女暴行)の被害者の姉で女優志望のナタリー(ナタリー・マルティネス)です。彼女やその家族にとっては妹の敵をとってくれた恩人というわけね。しかし、二人の間には次第に溝ができていったようでもあります。いくら女優とはいえ、あんな作品に出て、それを恋人であるビリーに見せるなんてちょっと考えられないんだけどなぁ

ある日、市長選を控えたホステラーから妻キャサリンの浮気調査の依頼が入ります。調べると対立候補のブレーンが相手のようです。キャサリンからはこの件から手を引けと忠告されるのですが、単純な浮気調査と思っていたビリーは市長に写真を渡してしまいます。(渡すというより半ば奪われる感じですが)ところが調査対象だったアンドリューが何者かに射殺されます。
アンドリューとヴァリアントはゲイカップルだったとわかり、キャサリンの浮気相手であるはずがないことに気付いたビリーは、自分が利用されたと知り、真相を探ろうとするのです。

この市長選にはNYの再開発の利権が絡んでいました。ホステラーは町を良くするための開発だと強調しますが、実際は高層マンションを建てて利益を得ようとしていたのです。しかし予定地は低所得層の多く住む場所であり、追い出されたら彼らは行き場を失います。対立候補のヴァリアントは再開発に反対していますが、二人の直接討論の場面では、ホステラーの巧みな話術と政治家らしいふてぶてしいほどの押しの強さが目を引きます。状況は圧倒的に現市長に有利です。

証拠となる資料を見つけたビリーが、激しいカーチェイスの挙句奪われてしまうところは変にヒーローぽくない分リアルな気がします。市長を快く思わない警察署長のコリン(ジェフリー・ライト)もホステラーの失脚を狙いビリーに協力しますが、このおっさんもなかなかの曲者ですだってキャサリンの浮気相手は彼だったんですから

ホステラーが建築会社と組んでいる決定的な証拠を手に入れたビリーは彼と直談判して再開発から手を引くよう迫るのですが、ここで7年前の真実(ビリーが無抵抗の黒人を射殺する様子を映した証拠ビデオを市長は持っていました)を盾に、逆に市長から脅されるのです。

ナタリーともうまくいかなくなっていたビリーにとって、自分が取るべき道というのは自ずと決まっていたのね。守るものがない人の方がすっぱり決断できるってこともあるのかも

というわけでビリーは脅しに屈せずホステラーを破滅させたのでした。めでたしめでたし・・??

きっとこんなの氷山の一角なのよね。

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