杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

小野寺の弟・小野寺の姉

2015年03月23日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)
2014年10月25日公開 114分

小野寺進(向井理)33歳と姉のより子(片桐はいり)40歳は、早くに両親を亡くし、以来ずっと二人で一緒に一軒家に住んでいる。進は引っ込み思案で恋には奥手で過去の失恋の痛手からいまだ抜け出せず、世話好きなより子はそんな弟にとやかく口を出しながらも、程よい距離感を保って暮らしていた。そんな小野寺家にある日、1通の手紙が誤って配達される。その手紙をきっかけに、進とより子それぞれの恋と人生が動き始めて……。


2013年に上演された同名舞台の映画化で、主演の二人も舞台版と同じなんだそう。
向井理と片桐はいりが姉弟役ということ自体がかなり不自然ではありますが不器用ながら、互いを大切に思いあう二人がとても自然でほのぼのとしていて好感が持てました。

進の仕事は調香師で、寝癖の髪のまま出社して身なりも性格もズボラより子は逆に髪型に独特の強いこだわりを持ちきっちりした性格です。
冒頭では朝食の食卓や、スーパーでの買い物、時には遊園地に行くなど、二人の日常が淡々と描かれますが、あの適度に間のある二人の距離感というか空気感が心地よさげで、だからこそこの関係が続けて来られたのだなぁと感じさせます。

ところが誤配された手紙を受け取り人である岡野 薫(山本美月)に届けたことから、二人の穏やかな日常に新しい風が吹き込むの。別の日、進の不審な行動(香りを調査していた)がきっかけで薫と再会し、二人は付き合い出します。

一方、勤め先の眼鏡店にコンタクトレンズの営業でしばしばやってくる浅野(及川光博)が気になるより子の方にも何やら進展が。向いのお店の若くて可愛い店員・亜沙子(寿美菜子)が彼に気があるようなのに、浅野がより子を誘うシーンでは「やったね」と喜んだのだけど・・・あらら・・・そういう理由でしたかそりゃ~女心を全然わかってないよ、浅野君!!一生懸命お洒落してお化粧して出かけたより子さんの気持ちを想うとこちらまで泣けてきます

親友の河田(ムロツヨシ)の助言もあり、意を決して薫に告白した進の方も、一足違いでチャンスを逃してしまいました。せっかく彼女から好意を持たれていたのに、元カノとうまくいかなかった(姉のことばかり話す進に私とお姉さんどっちを選ぶの?と迫られた)過去が邪魔して煮え切らなかった彼の態度に見切りをつけた薫は、絵本作家としての夢に向かい新しい一歩を踏み出すことにしたのです。
失恋も同じ日というのは出来過ぎですが、帰宅して姉の泣き声に気付きそっと自室に入り、翌朝、さりげなく食事を用意する進の姿に、彼の思いやりが伝わってきました。

この姉弟、まだまだ当分二人暮らしでしょうけれど、それも案外幸せなのよね

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