2017年1月28日公開 120分
建設現場での暴力団対策の仕事を通じてヤクザの桑原保彦(佐々木蔵之介)と知り合った建設コンサルタントの二宮啓之(横山裕)は、ある日桑原のいる二蝶会の若頭・嶋田(國村隼)に映画製作企画を仲介する。しかし企画を持ち込んだ映画プロデューサーの小清水(橋爪功)は、二蝶会が用意した出資金を持ったまま姿をくらます。桑原は二宮を巻き込んで資金回収のために奔走し、邪魔をするゴロツキ2人を病院送りにする。しかし相手が本家筋の構成員だったことから組同士の揉め事へと発展し、追う立場だった桑原と二宮がいつしか追われる側になってしまい・・・。
黒川博行のハードボイルド小説「破門」の映画化。口だけは達者なぐーたらビンボーの二宮とすぐにキレるイケイケやくざの桑原を演じる二人はともに関西出身とあってリアルな関西弁の掛け合いはなかなか面白かったです。
小清水がなかなかの曲者で演じている橋爪さんの飄々としたとぼけぶりが見事で、何度も騙される二人より役者が一枚も二枚も上手な感がありました。
嫌いだ、腐れ縁の疫病神だと口では言いながらもけっこう気が合っているような桑原と二宮は傍から見たら、いとこの悠紀(北川景子)言うところの「なんだかんだ言って好きでしょ」な良いコンビです。
嶋田は二宮の父親が昔世話をしたという関係らしく(ということは父親も極道さんだったのね)、でも二宮の実家で交わされる三人の会話はごくごく普通なんですね
自分のために資金を出してくれた嶋田に悪いという気持ちや、飛行機のチケット代を母に借りる時の心苦しさといった二宮の心情は理解できますし、息子に夕食を作り食べている様子を嬉しそうに見ている母の姿も「うんうん、そうなんだよね~」と思ってしまいます。このあたりはものすごく「堅気」なエピソードです。
一方、小清水に追い込みをかける時や、本家筋との揉めて凄みを効かせる桑原の行動はまさに極道。巻き込まれながら冷めた目で見ている二宮とのギャップがあります。逃げろと言われれば素直に桑原を置いて逃げ出してしまう二宮君ですが、二度目には自問し彼なりに筋を通そうとします。流されるような生き方をしてきた二宮ですが、今回の事件でちょっとは成長したのかなあ?
それにしても極道な蔵之介さんも素敵ってそっちかいって話ですが
だってぐーたらな二宮は・・ねぇ