杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ジュリーと恋と靴工場

2018年05月21日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年9月23日公開 フランス 84分

田舎町に住む25歳のジュリー(ポーリーヌ・エチエンヌ)は、やっとのことでフランスのロマン市にある高級靴メーカーの工場で試験採用となる。ところがその工場は、近代化の煽りを受けて閉鎖の危機に直面していた。居場所を失うことを恐れた靴職人の女性たちが抗議のためパリの本社へと乗り込み騒動を起こし、ジュリーもこの騒動に巻き込まれ、あやうくクビになりかけてしまう。その一方で、運転手のサミー(オリビエ・シャントロー)と仄かな恋の予感も……。ジュリー、そして職人の意地とプライドをかけた女性靴職人たちは「闘う女」と名づけられた赤い靴を武器にこの危機を乗り超えようとする。

 

郊外の靴工場で働く女性が自立していく姿をミュージカル仕立てで描いたフランス映画です。え?ミュージカル作品だったなんて知らなかったよ~~。突然歌い踊りだすのはミュージカル映画だから当然ですが、どうもB級感は否めませんでした。

男に棄てられ、仕事も首になり、お金もないジュリーは、何とか職を得ようと片っ端から面接を受け、やっと靴工場で試採用になりますが、そもそもそんなに面接受けてダメって、彼女自身に欠けているものがあるってことなんじゃ?と思う時点でもう彼女の置かれている世間的状況を理解してないってことですかね (フランスも失業率高そうだし、若者の就職難も深刻なんでしょう。)でも働いてる場面でもかなり不器用そうでしたが

とりあえず正社員になることが目的のジュリーは、靴職人たちの騒動に巻き込まれることを避けようとします。でも経営者の弁に騙されそうな仲間を見て放っておけなくなるのね。「私はただ仕事がしたいだけなの」と言うジュリーはこれまでの無気力で冷めた彼女とは違ってみえました。ジュリーを直接面倒みていた女性より社長秘書の方がよほど彼女に親身だったかな。

「闘う女」は個人的にはそれほど素敵な靴には見えなかったのですが、あの赤はとても印象的 靴の作られる過程を描いたシーンも洒落ていて素敵でした。ジュリーは職人ではないので仕方ないのですが、この技術の方をもっと見せて欲しかったなぁ。フランスの女性も団結したら強い!! 世間の思わぬ評価に掌返しの経営者も嫌いですが、あっさり正社員のチャンスを捨ててサミーを取るジュリーには最後まで共感できなかったかな。結局仕事より男かい!! まぁ、正社員になっても技術のないジュリーは相変わらず梱包しかさせてもらえなさそうですから、案外その選択間違ってないのかもね。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピーターラビット

2018年05月21日 | 映画(劇場鑑賞・新作、試写会)

2018年5月18日公開 オーストラリア・アメリカ・イギリス合作 95分

ピーター(声:ジェームズ・コーデン)は世界で一番幸せなウサギ。たくさんの仲間に囲まれ、画家のビア(ローズ・バーン)という心優しい大親友もいる。亡き両親のことを想うと寂しいけれど、ビアの存在がすべてを吹き飛ばしてくれる。ところがある日、大都会ロンドンから潔癖症で動物嫌いのマグレガー(ドーナル・グリーソン)が隣に引っ越してきたことで、ピーターの生活は一変!今までの幸せを守りたいピーターと、あの手この手で動物たちを追い払おうとするマグレガーとの争いはエスカレート。さらにビアへの“恋心”も絡まって思わぬ大事件に発展!ピーターはあるミッションを秘めて、初めてのロンドンへ向かうのだが——。(公式HPより)


ビアトリクス・ポターの絵本「ピーターラビット」をハリウッドで初めて実写映画化しました。

以前作者のことを描いた「MissPOTTER」を観て気に入りDVDも購入したので、こちらも大いに期待して観たのですが、その期待は裏切られませんでした 

何しろCGのピーターのやんちゃぶりが堪りません 実は物語自体は良く知らなかった私。(お父さんがマクレガーさんに捕まってパイにされたことだけは知ってたけどね

映画の冒頭ではマクレガーおじさん(サム・ニール)相手に華々しく戦いを挑むピーター。そりゃお父さんの仇だもの、当然よね妹たち:フロプシー(マーゴット・ロビー)、モプシー(エリザベス・デビッキ)、カトンテール(デイジー・リドリー)や従弟のベンジャミンも協力します。遂に勝利(マクレガーさんが急死)して、彼の屋敷を我が物顔で占領するピーターたち。ここではあひるのジマイマやかえるのフィッシャーどんや豚や鹿やきつねまでもが一緒になって大宴会です

ところが、遠縁のトーマスが屋敷を相続してやってきて、彼らは追われてしまいます。更にトーマスはピーターの大好きなビアに急接近。恋敵の登場に俄然闘志を燃やすピーターはあの手この手でトーマスを撃退しようとし、トーマスの方もピーターたちを近づけまいと大人げない喧嘩が繰り広げられるのです。

彼らのバトルはどんどん過激さを増し、遂にピーターやビアのサンルームの破壊に至ります。直接的にはピーターがスイッチを押しちゃったんですが、誤解したビアはトーマスと別れ引っ越しすることに。反省したピーターは彼らの仲を取り持つためにロンドンに向かうの。

潔癖症が仇となり勤め先であるハロッズのおもちゃ売り場を首になったトーマスですが、実は玩具とお客を愛する根は良い奴なんですね。トーマスも屋敷を売りに出し、再びハロッズで働き始めていたのですが、ピーターの説得が功を奏し、ビアの誤解も解けます。屋敷を買った相手の夫婦はピーターたちが例の手で追い出してめでたしのラストです。

ピーターとトーマスのバトルはかなりシュールに描かれていて、これがウサギ相手じゃなかったらスパイかマフィアの抗争の様相です。鶏のお父さんのエピも爆笑もの。

何よりの収穫は、ピーターの妹たちの性格や、いとことの友情など、仲間たちとの関係がやっと呑み込めてきたことかな

やっぱり、この作品もDVDが出たら買っちゃいそうです


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする