杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

アリー スター誕生

2019年06月30日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2018年12月21日公開 アメリカ 136分

ドラッグと酒浸りのカントリー歌手ジャクソン・メイン(ブラッドリー・クーパー)は、カリフォルニア州でのコンサートの後に立ち寄った小さなバーで出会ったアリー(レディー・ガガ)の歌声に大きく心を揺さぶられ、彼女を次のコンサートに招待する。ジャクソンとアリーのデュエットは観客から喝采を浴び、ジャクソンはアリーを自身のツアーに同行させるうち、二人の間に恋愛感情が芽生える。やがてアリーは有名プロデューサーのレズに見出されてメジャーデビューし、ポップ歌手へ転身してスターの座を駆け上がっていく。友人たちの前で結婚式を挙げた二人だったが、アリーの転身を内心快く思っていなかったジャクソンはストレスからますます酒やドラッグに溺れていき、アリーのグラミー賞新人賞受賞のスピーチの場で大失態を演じる。レズはジャクソンの存在がアリーのキャリアの妨げになっていると考え、ジャクソンにその事実を突きつけるが、それが悲劇的な結末を生んでしまうことに・・・。

 

歌の才能を見いだされた主人公がスターダムを駆け上がっていく姿を描いた1937年の「スタア誕生」から、何度か映画化されてきた物語を、今回新たにブラッドリー・クーパー監督&レディー・ガガ主演で描いています。どぎついメイクのガガしか見たことがなかったけれど、素顔の方がずっと美しいじゃないですか

アリーと出会うまで、ジャクソンを公私共に支えていたのは兄のボビーでした。二人は親子ほど年が離れていますが、彼らの父親もまた酒浸りの男で、ボビーは早くに家を出ていたようです。少年時代に蓄音機に頭を突っ込んで大音響で音楽を聴いていたせいで片耳が難聴(失聴?)で、もう片方も失聴の危機にあるジャクソンですが、補聴器を着けることを拒み(自分の声しか聞こえなくなるという理由)続けていて、でも常に耳鳴りがしている状態。これだけでもかなりのストレスですね。

父親に対する複雑な思いが兄弟の間に微妙な溝を作っていて、アリーの提案で訪れた故郷の牧場が既にボビーによって売却されていたことに怒り狂ったジャクソンはボビーに殴りかかります。本音をぶつけ合った挙句、ボビーはマネージャーを辞めジャクソンから去っていきます。(でも彼が苦しんでいる時には手を差し伸べる兄貴なんです

アリーは純粋にジャクソンを尊敬し、愛し続けます。二人が初めて結ばれた朝のシーンや、友人たちの前でギターの弦で作った結婚指輪を贈るシーン、愛犬と戯れるシーンなどはとても幸福そうに描かれています。授賞式のスピーチの場でのジャクソンの粗相の時ですら、アリーは夫を庇い気遣います。自分の存在が彼に悪影響を及ぼしているのではと心配するほどのまっすぐな愛情をジャクソンに向けるのですが、そのことが逆に彼に疑問や彼自身が邪魔な存在だと気付かせてしまうことになるというのは本当に悲劇でした。

本編の歌はガガはもちろん、ブラッドリーもなかなかです


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