2021年8月6日公開 アメリカ 143分 G
ドミニク(ヴィン・ディーゼル)はレティ(ミシェル・ロドリゲス)と幼い息子のブライアンの3人で静かに暮らしていたが、ある日仲間のピンチの知らせを聞く。ローマンら“ファミリー”と合流したドミニクは、現場で世界中のコンピュータ・システムを操る装置を見つけるが、突如襲撃者が現れ、装置を奪っていったのはなんと弟のジェイコブ(ジョン・シナ)だった。凄腕の殺し屋で一流ドライバーであるジェイコブは、実は某国の独裁者組織の一員で、ドミニクたちは世界を震撼させる陰謀を止めるため動き出す。対立する兄と弟…明かされるドミニクの過去…果たしてファミリーの運命は?!(公式HPより)
「ワイルド・スピード」シリーズの第9作。監督はシリーズ第3作から第6作を手がけたジャスティン・リン。
回を追うごとにスケールが大きくなっていきますが、遂に今作では宇宙に飛び出した!!
冒頭に登場するのは1989年のレースシーン。父親のジャック・トレット(J・D・パルド)がドミニク(ヴィニー・ベネット)やジェイコブ(フィン・コール)らをクルーにカーレースのシーズン最終戦に臨みますが、ライバルのケニー・リンダー(ジム・パラック)の車と接触しスピン、壁に激突して大破炎上して死亡します。レース後、ケニーの挑発に乗り掴みかかろうとしたジェイコブを制しドムがレンチで殴り倒して逮捕されます。刑務所でリコ・サントス(オズナ)とレオ(セレド)と知り合ったドムは、レース直前にジェイコブが車に細工していたことを思い出します。出所したドムは地元のストリートレースで名を轟かせていたジェイコブと再会し、父親を殺したのはお前だと決めつけレース(負けた方が街を追放される)で勝負をつけようと持ちかけ、彼に勝ちます。いやいや、妹はシリーズ最初から登場しますが、弟がいたとは
そして、現在のとある日。ドミニクの農場を“ファミリー”のローマン(タイリース・ギブソン)、テズ(クリス・“リュダクリス”・ブリッジス)、ラムジー(ナタリー・エマニュエル)が訪れ、ミスター・ノーバディ(カート・ラッセル)からのSOSを伝えます。“ある積荷”の輸送中に襲撃され中南米のモンテキントに墜落したというのです。襲撃には「ICE BREAK」でファミリーと敵対したサイバーテロリストのサイファー(シャーリーズ・セロン)が関与しているようでした。更にミスター・ノーバディの映像に映り込んでいたドミニク・ファミリーしか持っていない十字架のネックレスを見たドムは、レティと共にローマンたちに同行します。
墜落した輸送機の機内に残されていた正体不明の謎の電子機器を回収しますが、そこにモンテキントの軍隊が現れます。地雷地帯でのカーチェイスの最中、ジェイコブ(ジョン・シナ)が突然現れて電子機器を奪っていきます。後を追いかけたドミニクとレティでしたが、ジェイコブの車は断崖絶壁からジャンプし戦闘機に回収されて飛び去ります。ここまでも十分あり得ないスケールですが、ほんの序盤なんですね
ファミリーは何とか国境を突破しFBI捜査官のマイケル・スタジアック(シェー・ウィガム)に助けられて帰路につき、ドムはファミリーにジェイコブとのいきさつを話すのね。
ジェイコブは某国元首の息子のオットー(トゥエ・アーステッド・ラスムッセン)と、彼を裏で操るサイファーと手を組み、世界を掌中に収めようとしていました。彼が回収したのは「アリエス」というデバイスの半分で、人工衛星を経由して全世界のコンピューターや兵器を意のままに操ることのできるものですが、起動するには残りのパーツと“キー”が必要です。
スコットランド・エジンバラに保管されている残りのパーツを求めて、ミア(ジョーダナ・ブリュースター)も加わり、争奪戦が繰り広げられますが、その前に死んだ筈のハン(サン・カン)が生きているという情報の真偽を確かめるべく、レティとミアは東京へ、ローマンとテズはドイツ・ケルンでハンの仲間だったショーン(ルーカス・ブラック)、アール(ジェイソン・トビン)、トゥインキー(バウ・ワウ)の元を訪れます。彼らが開発中のロケットエンジンカーが後に宇宙への秘密兵器になるという この三人もなかなかコメディチックなキャラです。
ドムはショウ兄弟の母マグダレーン(ヘレン・ミレン)に接触し、彼女の協力を得てジェイコブの指紋採取に成功します。これにはドムがドミニカ共和国でガソリン強盗をしていた時の仲間カーラの妹レイサ(カーディ・B)とその仲間たちの協力がありました。
エジンバラでの超強力な電磁石が装備された車を使ったカーチェイスは、オットー一味に捕まったローマンとテズの乗ったトラックを運転免許を持っていないラムジーが運転するなど、派手なアクションの中にユーモラスな展開で楽しめます。
ジェイコブを捕まえ秘密基地に戻ったファミリーの前に、ハンと彼が匿っているエル(アンナ・サワイ)を連れて戻ったレティたち。ハンは自分の死の偽装の真実を語ります。そしてエルがアリエスのキーであることがわかります。そこへオットー一味が急襲し、ジェイコブと「アリエス」エルを確保して行きます。この時、ジェイコブは父ジャックが多額の借金を抱えていて、八百長を持ちかけられジェイコブに車の細工を依頼したというのが真相でした。ドムに頼めば絶対反対すると考えた父はジェイコブに頼んだのだと悟り弟への誤解が解けるドムでした。
ファミリーは、「アリエス」の核となる人工衛星を止める方法を模索し、ショーン達のロケットエンジンカーで宇宙に行くことを思いつきます。
旧式の宇宙服でロケットエンジンカーに乗り宇宙へ発射されるローマンとテズ・・飛行機もダメだったローマンが宇宙って・・・ こんな状況でも二人の会話は笑える
一方「アリエス」とエルを乗せた装甲トラックを追うドム、レティ、ラムジー、ハン、ミアはカーチェイスを繰り広げます。用済みと見なしたオットーにより彼の部下に襲われたジェイコブを助けたドムとミア。兄弟の絆復活ですねサイファーは戦闘機でドムたちを襲いますが、この際オットーを爆殺、更にドムの機転で戦闘機も撃墜されます。彼女も死んだ?と思ったら遠隔操作していたのね。ということはまだまだ続く可能性大。
ローマンとテズは電磁石で衛星を止めようとしますが電源がダウン。戻れないのを覚悟でロケットエンジンを起動して直接衛星に体当たりして破壊します。悲劇のヒーロー??かと思いきや、ちゃっかり宇宙ステーションに助けられてるし
和解した兄弟、ドムは追われる身のジェイコブに愛車を与え逃亡の手助けをします。
リトルBを連れて父の最期の地のレース場跡を訪れたドムは、「人生に必要なことの全てはここで学んだ」と語ります。
ロスの家に集結したファミリーはBBQを。ショーン、アール、トゥインキーも招かれてハンとの再会を喜び合います。そしてブライアンの車が遅れて到着・・・ブライアン役のポールは亡くなっていますが、その存在は確かに感じられ、仲間の絆が伝わってきました。
これで終わりと思いきや、自分が殺した筈のハンが現れて驚くデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)の姿が!
シリーズ総集編のような今作ですが、更なる展開が待っていそう。ショウ一家も引き続き登場しそうね意外と好きなの、ショウ一家