2016年製作 フランス=ベルギー 83分
雪深いカナダの小さな村で味気ない毎日を送っている図書館司書のフィオナ(フィオナ・ゴードン)のもとに、パリに住むおばのマーサ(エマニュエル・リヴァ)から手紙が届いた。フィオナに助けを求めるマーサのために、臆病者のフィオナは勇気をふり絞ってパリへと旅に出る。しかし、アパートにマーサの姿はなく、セーヌ川に落ちたフィオナは所持品を全部なくしてしまうという大ピンチに。さらに謎の男ドム(ドミニク・アベル)にもしつこくつきまとわれる始末。フィオナの前途多難なマーサ探しの冒険の旅がスタートする。(映画.comより)
パリに住むおばからのSOSに駆けつけたカナダ人女性が、異国の地で繰り広げる珍道中をユーモラスに綴った作品で、パントマイム的動きのギャグが特徴の道化師カップル、アベル&ゴードンが、夏のパリを舞台に小さな冒険を繰り広げる遊び心たっぷりのコメディ作品です。
カナダの雪深い山あいの風景はミニチュアのような可愛らしさですが、次の瞬間コントのような猛吹雪の中、ドアを開けてフィオナに手紙が届きます。パリで暮らす叔母マーサからで「助けて!老人ホームへ入れられてしまう!」と書かれていました。パリに行けると喜んで駆け付けたフィオナですが、何故かアパートに叔母の姿はなく行方不明。パリの街を探し回るフィオナですが、セーヌ川をバックに写メしてもらう拍子に川に転落してしまい(背中の荷物が重すぎてひっくり返るというオチ)お金やパスポートが入ったバックごとバックパックを失くしてしまいます。
ドムはセーヌ川河畔で暮らすホームレスで、偶然フィオナのバックパックを拾います。中に入っていたお金でを見つけ、早速船上レストランで食事(貧しいみなりなのでトイレとスピーカーの脇の席です)していると、警察にバッグと叔母の捜索を届け出た際に同情され?て貰った無料の食事券で食事していたフィオナと出会います。強引にダンスに誘われたフィオナはドムが自分のバッグを持っているのに気付いて取り返そうとしてまたまた川に落ちてしまいます。(いわゆる「てんどん」ギャグ)その後も何かと二人は出会いを繰り返します。
一方マーサは老人ホームに入るのが嫌で逃げ回っています。(自由大好きなパリっ子ですもんね。)ゴミ箱の食糧を漁ったり路上で寝たり、88歳なのに元気というかパワーあり過ぎ!
新聞の死亡欄?で知ったマーサ(同名の友人?)の葬儀にやってきてフィオナとドムとまたまたすれ違い。そこで昔の恋人ノーマンと出会って思い出話から足元だけのダンスシーンになりますが、これがとっても素敵でした😍
フィオナとドムは、亡くなったのはマーサ叔母さんじゃないと気付きますがこのエピソードも笑えてちょっぴり焦らされて、でもやっぱりコミカル😁
ドムとマーサが先に出会い、意気投合してしまったりもします。なんやかんやで二人がマーサを見つけ出したのはエッフェル塔の上です。鉄骨の上に並んで座って朝日を見ながらマーサは「ずっとここに来たかったの」と言いました。
カナダのフィオナの同僚たちにかかってきた一本の電話はフィオナからで、叔母さんと会えたことと彼女が亡くなったことを告げる内容のようです。言葉ではなく受け手の表情で伝えていました。
セーヌ川に散骨するシーンでは、急に大雨になって「水に溶ける骨壺」がふにゃふにゃになり急いで川に投げ込むなど、厳かな場面なのに笑ってしまいます。ドムに別れを告げたフィオナでしたが、すぐに「もう少しパリにいようかな」と言い直します。
フィオナはパリに来てすぐに騎馬警官と出会って彼に何度か助けられていましたが、恋心を抱いたのはドムの方だったのね😁
少し、いやいや、かなり変わったカップルの可笑しなお話ですが、何だかほのぼのした気持ちにさせられました。😊