2023年3月17日公開 ノルウェー 87分 G
美しく、弓や乗馬も得意で勇敢な女性シンデレラ(アストリッドS)と、王家の伝統に縛られたくない王子(センジス・アル )。ある日、森の中で2人は偶然出会い、すぐにひかれ合うが、互いの名も知らぬまま別れてしまう。シンデレラは再会を願うが、厳しい継母(エレン・ドリト・ピーターセン)は彼女に外出を禁じる。そして、王子の花嫁を見つけるために開かれる舞踏会の日が近づくなか、シンデレラは願いごとをかなえてくれる不思議な3つの木の実を手に入れる。(映画.comより)
「シンデレラ」の物語を新たな解釈で描いた、ノルウェー製作のファンタジーラブストーリー作品です。
願いを叶えてくれるのは妖精ではなく、梟の贈り物?の3つの木の実です。
かぼちゃの馬車の代わりに愛馬を自ら駆って城に行くシンデレラは、父親から狩り(弓)も習っていました。それでいて優雅なダンスも身につけています。受け身ではないまさに現代のヒロインです。😀
継母に虐げられているのは同じですが、娘とは案外仲が良い様子。そもそもこの娘は母の言いなりになっていただけで王子との結婚を自ら望んでいたわけでもなさそうでした。
願いの木の実は王子が悪戯で射落としたもので、それをシンデレラの味方をしている使用人がお土産として渡したものです。他の使用人たちもシンデレラに同情を寄せているようでした。
一つ目の木の実を開けると、狩りの衣装と弓矢が出てきます。
二つ目は素敵なドレス(母のドレスという表現をしていました)と金色の靴と何故かアラビア風のベール(そういえば3つの願いは「アラジン」を連想させますね)が出てきます。そして三つ目からは何も出てこないんですね~😥 衣装ではなくありのままの自分で勝負しなさいという意味を含んでいるようです。
さて、王子の方は狩りと乗馬にしか興味がなく、結婚などまだ考えられず、ダンスの練習にもさっぱり身が入りません。花嫁選びの舞踏会も嫌がりますが父の「(花嫁は)私が選ぼうか」に嫌々ながら出席します。でも全くやる気無し感が全身から漂っています😖
そんな時に現れたのが美しいドレスを纏ったシンデレラ。彼女と会うのは三度目なのに鈍い王子は気付きません。そんな王子にシンデレラは謎掛けをします。「顔は灰だらけだけど、煙突掃除人じゃない」「羽付き帽子をかぶって弓を持っているけど、狩人じゃない」「豪華なドレスを着ているけど、お姫様じゃない」
でも継母が訝し気に見ているのに気付いたシンデレラは突然逃げ出してしまいます。どうも彼女は継母から服従の呪文ならぬ精神的抑圧を受けているようにみえます。
王子が恋に落ちたことを感じ取った王と王妃は彼にシンデレラの後を追うように言います。彼女が落とした靴を持って、王子は村にやってくると若い娘を呼び出して(真夜中なんですけどね~😅 )靴がぴったりな人と結婚すると言います。
急いで村に戻った継母はシンデレラのドレスを奪って彼女を閉じ込めて自分の娘にドレスを着せて王子を騙そうとしますが、そう簡単にはいかず、とりあえず娘を連れて逃げ出します。シンデレラは仲良しのネズミの力を借りて縛めを解くと、愛馬に乗り継母たちを追いかける王子を追いかけます。
継母たちのソリが転落し、王子が助けますが、このとき娘の正体がばれてしまいます。そこへシンデレラがやってきて、娘を后にとの狙いが失敗したことを悟った継母が何と王子を突き落としちゃうんですね~。それをシンデレラが一本の矢で救うという・・・ハッピーエンドは変わりありませんが、従来の男女の立ち位置が逆ですね。ついでに王子の悪友の二人が実はゲイだったというオチも😁
おとぎ話も時代により変化すると思えばこれもありかも。
美しいノルウェーの雪原にしばし猛暑を忘れさせてもらいました。