京都楽蜂庵日記

ミニ里山の観察記録

カジノキ(梶之木)

2014年10月31日 | ミニ里山記録


 カジノキ(Broussonetia papyrifera)は、クワ科コウゾ属の落葉高木。雌雄異株。カジノキは神道では神聖な樹木のひとつであり、諏訪神社などの神紋や日本の家紋である梶紋の紋様としても描かれている。神木として尊ばれていた為、神社の境内などに多く生えられた。京都では京都御所、神社境内、冷泉家のような公家屋敷に植えられたが、一方で根張りが強いので土留めとして、土手や崖に植栽された。写真のカジの幼木は真如堂参道付近の崖に自生しているもの。樹皮はコウゾと同様に製紙用の繊維原料とされた。中国の伝統紙である画仙紙(宣紙)はカジノキを用いるらしい。 

 

 

 江戸時代、京都では笹のかわりにカジノキの葉に願い事を書く風習があり、七夕前日にはカジノキ売りが町中をまわったといわれる。「拾遺都名所図会(巻1)」には「七夕梶の葉流しの図』が見られる(上図)


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