きやうだいのやさしかりけりなめこ汁 山口青邨
この春孫と一緒に桜の切り枝にナメコの駒を打った。そこからやっと出た。ナメコは学名(Pholiota microspora)。モエギタケ科スギタケ属のキノコで学名は、1929年に伊藤篤太郎により、日本語の「なめこ」から Collybia nameko と命名されたが、その後、Agaricus microsporus として記載されていたヒマラヤ産の Pholiota microspora と同一種だと結論付けられた。
サクラ、ブナやナラなどの枯れ木や切り株などに単独または群生する。湿時はおびただしいゼラチン質の粘性物質のムチンが分泌する。ナメタケ、ヌメリタケともよばれる。食用で味噌汁やそばの具、おひたし、炒め物をはじめとして、料理に多用される。傘の開ききっていない小さなものはツルツルとした喉越しが楽しめる。傘の開いた大きなものは直火焼きなどで、香りとシャキシャキとした歯ごたえが楽しめる。ぬめりが乾いた状態では、天然のエノキタケに似る。