中国原産の常緑性つるバラ。4月から5月にかけてアーチやフェンスに這わせた大株のモッコウバラが眼に留まる。黄色の他に白がある。
学名:Syringa vulgari。モクセイ科ハシドイ属の落葉樹。和名はムラサキハシドイ(紫丁香花)。フランス語由来のリラでも呼ばれる。明治23年に米国人宣教師 サラ・クララ・スミス女史が、生まれ故郷のアメリカから持ち込んだのが最初とされる。
シオヤトンボ。春先に現れる。里山、丘陵地から山地の湿地などに生息する。白いものに止まる傾向がある。成虫は河川敷でみられることもある。未熟な個体やメスはくすんだ黄色と黒色からなる体色をしているが、成熟につれてオスは色が変わり胸部背面と腹部に白粉をふくようになる。シオカラトンボに似るが、ずんぐりしており腹の先端が黒くない。
シソ科の植物。花の時期は茎が立っているが、その後、茎がつる状に伸びて隣の垣根を越える。とても丈夫な植物で春先に可愛らしい小さな花を咲かせる。薬用としても用いられる。
タンポポ(蒲公英)
「北寿老仙をいたむ」(蕪村)
君あしたに去ぬゆうべのこころ千々に
何ぞはるかなる
君をおもふて岡のべに行つ遊ぶ
をかのべの何ぞかくかなしき
蒲公の黄に薺のしろう咲たる
見る人ぞなき
この付近ではセイヨウタンポポ(上)は開けた大通りに多いが、在来種のカンサイタンポポ(下)は空き地や斜面に生えている。セイヨウタンポポは撹乱された環境でも適応して生えるので、比較的よく目立つようになったという事のようだ。ただ矮性のものが多い。
ウワミズザクラ。Padus grayana。バラ科ウワミズザクラ属の落葉高木。語源は占溝桜(ウラミゾサクラ)の転訛。京都御所の宣秋門前のウワミズザクラは有名だが、この写真のように市街地で野生のものはめずらしい。葉が開いてから、枝の先に長さ6~8cmの総状花序をつける。蕾や緑果を塩漬けにして食べる。
雌雄異株のカエデ科の落葉高木。葉が芽生える前に真っ赤な花が咲く。これは京都真如堂の本堂前のハナノキ。京大植物園内にも植栽したものがある。
花の木の花も知らずに紅葉かな 光雄
損な名前が付いているが、バラ科ボケ属の落葉低木。これは白と紅の斑入りのボケ。古くから果実は脚気、健胃整腸、水腫などに対して薬効があるとされて来た。
木瓜咲くや漱石拙(せつ)を守るべく 漱石
梅桜わかなぬ木瓜はちょとはやい 楽蜂
シソ科の植物で四角い茎をしている。春先に赤紫のかわいい花を咲かせる。種子にはエライオソームがありこれを蟻が好んでくわえて運び散布する。春の七草の「ほとけのざ」はキク科のコオニタビラコの事でよくまちがえる。
日本を代表する樹木。ソメイヨシノと異なり開花と同時に茶色い新芽が出る。江戸時代までは桜と言えば山桜を言った。我が家の裏山に生えていた山桜が今年はじめて花を咲かせた。幼木が何時の間にか一人前に成長したのである。
東山咲き登りゆく山桜 楽蜂
学名:Corydalis incisa. 「華鬘(けまん)」とは、仏殿の垂れ下がった造花状の飾り。都市部では草地や畑の周囲で普通に見かける。葉は柔らかくおいしそうだが有毒なので注意が必要。