田中悟の片道旅団

大阪で芝居と弾き語りをしています。

水の中の砂時計

2009年04月18日 | 日記
先日、ニュースでたまたま見かけて、心に残ったお話です。

富山県の中学2年生の少年が、
「野依科学奨励賞(小中学生の部)」に、五年連続で選ばれたそうです。
受賞研究のテーマは、
「鳴き砂を水中で鳴かすことは出来るか 砂の唄は地球のハミング」とゆうもの。

“鳴き砂”とゆうのは、その上を歩くと「キュッ、キュッ」と音がする砂の事ですね。
何やら、この砂が鳴くには、砂が乾燥していることが条件だったそうな。
(チラっとニュースで見ただけなので、正確な情報かどうかは怪しいです。すみません。)
その少年は『水中で鳴き砂を鳴かす』ことを研究していた訳ですが、
もうひとつの条件に“砂が綺麗でなければならない”とゆうのがあり、
その条件を満たす為に、何と1年かけて自分で研究用の砂を浄化したそうです。
浄化方法は・・・

“ペットボトルに砂と水を入れて何回も何回もシェイクする。”

凄いですね、手作業で一年間。
手が疲れると自転車の前カゴにペットボトルを入れて、近所を走り回ったそうです。
自転車の揺れを利用して砂の汚れを落としたのですね。
そして見事に、水の中でも砂が鳴くことを実証した。
凄い中学生ですね。素晴らしい。

もっと素晴らしいのは、その続き。

「今回の研究で分かったことは、地球の砂が汚れてしまっているとゆうこと。
汚したのは人間。大昔の地球では、どの砂の上を歩いても音が鳴っていたのかも知れない。
砂が鳴くことよりも、砂が鳴かなくなったことに問題を感じます。
この研究を通じて、環境問題にも目が向きました。
地球が汚れていることを、鳴かなくなった砂が教えてくれているんです。」

と言った様な内容のコメントをしていました。

汚れてしまった砂は、彼の手の中で1年間とゆう時間を費やし、
何万年も昔の本当の砂に戻って行ったのでしょうね。
水の中の砂時計が時をさかのぼり、何かを訴えているのかも知れない。
それを僕たち大人に伝えてくれたのが、中学生の少年。

僕らの心も、これから時間をかけて綺麗にしてゆけば、
やがて時をさかのぼり、少年の様な輝きを取り戻すのだろうか?

これもまた実証する価値のある、素敵なテーマですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする