スカボロー・フェア

立ち寄ったことのない

深夜のスパーマーケットに行った

仕事の帰り道

安い酒でも売ってないかなと思って立ち寄ったんだ

そしたらそのスーパーは

とてもとても明るくて

俺には眩しい世界だったんだ

眩しかった・・

安売りの品ばかりだと思って入ったら案の定そうで

でも

その世界がとても幸せだったんだ

このまま何も買わずに通り過ぎてもいいやって思うほど心が満たされて

申し訳ないけど１円も使わずに幸せになれそうな俺がいた

２４３円のワインを見つけて１本買ったさ

でもね

１本のワインを買って帰る部屋に

もう君がいないって現実は変わらない

スカボロー・フェアを口ずさみながら

僕はレジを通って家に帰ったよ

来世？

いや、出来れば今生で生まれ変わって

幸せな団欒を築き上げたいものだと思ったよ

人工着色のワインでも酔えるだろうけど

今夜

このワイン１本で眠れるだろうか？

もうすでに夢の中にいるのだけれど

もうすでに夢の中にいるのだけれど・・・

夢から覚めても

夢の中にも

君はいない

ピーマン、レタス、トマト、発泡酒・・

スパーマーケットの夢見て眠るよ

スカボロー・フェア

口ずさんで