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※普段目にしている様々なものが、実は幻かも知れない…なんつって。
今思えば、あれは源聖寺坂だったのでしょう。
15年ほど前のある日。
僕は谷町九丁目駅の出口を出て、とある劇場へと向かっていまいた。
当時の僕は小劇場での活動を始めたばかりで、経験した舞台もまだ片手で数えるほどでしたが、
それでも舞台に携わっているうちに縦横の繋がりは一気に広がるもので、
「この前の舞台でお世話になった舞台監督の○○さん」
「共演者の○○くんが所属している、劇団○○さん」
といった具合に一人の人を介して多くの人達と間接的な繋がりが出来始めていた頃でした。
その日は何度かお世話になったスタッフさんが所属している劇団さんの本番前日。
僕は仕込み作業のお手伝いをするために、公演が行われる劇場へと向かっていたのでした。
が、前述の通り僕はまだ小劇場での活動を始めたばかりで、殆どの場合が始めて行く劇場でした。
地図を頼りに歩いていたのですが、目印となる交差点になかなか辿り着かないのです。
道を間違えていることに気付いたのは、随分な距離を歩いてからでした。
来た道を引き返して駅から正確な道を行くか?
それとも今居る場所から直接劇場へと向かうか?
後者を選んだのでありました。
「あの角を右に曲がって真直ぐ行けば、劇場の南側に出るはず」
方向音痴なくせに自分の推測に疑問を持たない。(だから道を間違うのです)
さておき僕は劇場へと急ぎました。
お礼方々お手伝いに行って遅刻とあっては面目なさ過ぎですから。
「ん?なんか、知らんけど…妙に坂道が続くな」
そう、ここは上町大地。あちらに行くにも、こちらに行くにも坂道だらけです。
地図で見る限りは大した距離ではないのですが、坂道な分だけ体力と時間を消耗します。
漸く上り坂から下り坂へと変わり、ある程度下りた所で後ろを振り返りました。
長い石段。
ちょっと大袈裟ですが小さな山をひとつ超えて来た気分になりました。
今思えば、それが源聖寺坂なんです。
あらためてGoogleで調べると、他に該当する坂がないんです。
でもネットの写真で見る限りの風景と、僕の記憶の中の風景が全然違うんです。
もっと木々が生い茂った山道の細い石段だったはず…。
僕の記憶が曖昧なのか?
それとも僕は地図にない坂道を通って劇場に向かったのか?
それは定かではありません。
近々、もう一度同じルートを辿って確かめてみようと思います。
ちなみにその日僕は無事に劇場までたどり着きました。
時間もかなり余裕を持って出ていたので遅刻もなし。
そのスタッフさん以外は、基本的に初めて会う人達ばかり。
「いつもお世話になっているスタッフさんなので、今日はたっぷり恩返しをしよう。」
そう思って劇団の皆さんと合流しました。
その劇団がP・T企画さんです。
初めて出会った日の出来事でした。
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