ムカデとことこ

 ひとが幸福になること・意識の成りたち・物理と心理を繋ぐ道
       ・・そんなこと探りたい

「動的平衡 2」 ⑦

2012-05-05 12:45:41 | 本を読んで
この本の4章に「この世界に因果関係は存在しない」という項目があってびっくりした。

読んでみると、私が思っていることと同じようなことが書かれてあった。

「この世界のあらゆる要素は、互いに連関し、

すべてが一対多の関係で繋がりあっている。

世界を構成するすべての因子は、互いに他を律し、あるいは相補している。

そのやりとりは、ある瞬間だけを捉えてみると、

供し手と受け手があるようにも見える。

しかし、次の瞬間に目を移すことができれば、

原因と結果は逆転しているだろう。

あるいは、また別の平衡を求めて動いている。

つまり、この世界には本当の意味で因果関係と呼ぶべきものは存在しない。

世界は分けないことにはわからない。

しかし、世界は分けてもわからないのである。」・・以上抜粋。

これを人間界で考えると・・・

世界を構成するすべての人間は、互いに律し(他者に無意識的意識操作介入をし)、

あるいは他者の補佐の役割をする。

そのやりとりは、その瞬間だけを捉えてみると、

供し手と受け手があるようにも見える。

しかし、次の瞬間に目を移すことができれば、

受け手は自分の意識をそこに介入させ、介入してなったものを供する。

あるいは、また別の人との交流にそのことが作用する場合もある。

この話は“波紋”で考えるととてもわかりやすい。

以前にも書いたことがあるけど、

海に小石を落とすとその波紋は四方八方に拡がる。

一対多 という現象だ。

人間世界という大海に人間の意識・行為という無数の小石が投げられる。

太古の昔からずーっと投げられ続けている。

それらは互いに干渉し合い、新たな波紋を創る。それが又新たな波紋を創る。

どんなに小さな小石であっても、全体に影響を与えているのは歴然とした事実。

与えないということはあり得ない。

「この世界のあらゆる要素は、互いに連関し、

すべてが一対多の関係で繋がりあっている。」

意識も勿論。

ということは・・宮沢賢治の言った「世界全体が幸福にならないと個人の幸福は無い」というのも、

詩やロマンじゃなくて、事実を云っているのだろう。

コメント
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