オーストラリアの植物プランクトンのフィラメント
2024年1月に人工衛星がオーストラリアの南ボニー・コースト上空を通過したとき、青と緑の斑が表層の水に渦巻く様子が捉えられた。これらのカラフルなフィラメント、植物プランクトンが、その季節通りに咲いていた。この微細な植物のような生物は、海の奥深くから湧き上がる冷たく栄養豊富な水が湧き出る夏に繁殖する。
このイメージは、2024年1月10日の、スーオミNPP衛星(Suomi NPP)搭載の可視光赤外線光画像放射計のセットの(VIIRS)からの細長い開花を示している。NASAのテラ衛星とアクア衛星が集めたこの花が宇宙から初めて見えるようになったのは、2023年12月の遅い時期であった。
冷たい水が湧き上がっている兆候は衛星観測でも明らかだった。NASAのプロジェクトによると、ロングベイの大部分の1月10日の水温は、その日の長期平均気温(2003年〜2014年)よりも摂氏約3度低かった。
グレート・サウス・オーストラリア沿岸の湧昇システムは、南オーストラリア州セドゥナからビクトリア州ポートランドまでの、約800キロメートルに及ぶ季節的な現象である。この地域の湧昇現象は、南東からの季節風が海岸線と平行に吹く12月から5月までの夏に間に起きる。これらの風は、エークマン・トランスポート(Ekman transport)と呼ばれるプロセスによって、沿岸の表面の水を押して、おおよそ300メートルの深さからの冷たい水を湧き上げる。
海の奥深くの水は、死んだ海洋生物の残骸が絶えず海底へ沈みまた分解されるので、いつも栄養分が豊富である。特に窒素と3価のリンを含むこの解放された栄養分は、植物プランクトンの成長にとって重要である。これらの栄養豊富な水が大量の光を受ける海の上層に着くと、このような花を咲かせる植物プランクトンの成長を促進する。
植物プランクトンは、カニ、イワシ、カタクチイワシ、マグロ、その他の種類の魚など、さまざまな海洋生物に栄養を与える。
<ひとこと>: 解説は大幅に要約しています。大判はイメージのリンクから。
<出典>: Earth Observatory
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