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2月22日(木): 月震研究に貴重な洞察を提供/お知らせ/ミッション別ページ

2024年02月22日 06時00分00秒 | 天文・宇宙

NASAの月震研究に貴重な洞察を提供

月は、地球、惑星、太陽の進化の手がかりを握っており、NASAが資金提供する新しい研究が、科学者達がその表面下にある謎の一部をよりよく理解するのに役立っている。

月の南極で起こりうる月震の地図(右)。

最新の研究は、月が地質学的にまだ活発であり、NASAが有人月面着陸を計画している最初のアルテミスミッション、アルテミスⅢの着陸候補地域として特定した地域のいくつかの近くに、月の内部が徐々に冷えて縮小するにつれて生れる地殻の断層が見つかったという証拠を示している。

この研究では、月の南極域の地殻の断層と急斜面を調べ、一部の地域が地震の揺れやレゴリスの地滑りの影響を受けやすいことを見つけ、地殻の断層や急斜面付近の月震のハザードマップをつくるために発生する可能性のある震度の大きさを計算した。

この研究では、比較的小さな、葉形の断崖(lobate scarp)と呼ばれる若い逆断層が月の地殻に広く分布していることが発見された。断崖は、収縮力が地殻を破壊し、断層の片側の岩石を反対側の岩の上に押し上げるか、突き出す場所に形成される。この収縮は、まだ高温の月の内部の冷却と地球が及ぼす潮汐力によって引き起こされ、全球規模の縮小を引き起こす。この断崖は、NASAの月探査軌道船(LRO:Lunar Reconnaissance Orbiter)に搭載されたカメラが撮影したイメージで特定された。

この断層の構成は浅い深さの地震の形での震動の活動を伴う。このような浅い月の震動は、アポロの宇宙飛行士が配備した一連の地震計、アポロ受動地震ネットワークによって記録された。来年、CLPS(商業月ペイロードサービス)飛行で打上げられる予定の新しい地震計によっても記録される可能性がある。この装置「遠隔地震計(Farside Seismic Suite)」は、月の裏側からの初めての月震観測データを持ち帰り、科学者達がこの地域の地殻変動を理解するのに役立てる。また、このデータは、月の裏側が小さな隕石の衝突を受ける頻度を明らかにし、月の裏側での地震の活動が、アポロ計画で月の表側で測定された地震活動と異なるかどうかを判断することもできる。

月面での将来の人間活動にもたらされる地震の危険性をよりよく理解するためには、南極だけでなく、全球規模の新しい地震データが必要であり、将来のミッションでは、アポロ計画で行われた測定を拡張し、全球規模の地震活動に関する知識をさらに深めるだろう。

この研究はアルテミスⅢの着陸地点の選定プロセスには影響しない。その理由は、特定の地域で月震が発生する頻度を正確に推定することは困難であり、アルテミスⅢのような短期間のミッションでは、月震の揺れによる危険を経験する可能性ははるかに低くなる。

NASAは、長期的なインフラを開発する中で、将来のアルテミス計画の日程が近づくにつれて、さまざまな要素を確立できる可能性のある地域を特定する。この候補地選定プロセスでは、地殻変動や地形への近接性などの地理的特性を考慮する必要があり、これらの研究はより価値のあるものになる。

<図>:アポロ受動地震調査で記録された最も強い月震の震源地は月の南極地域だった。しかし、震源地の正確な位置を特定することはできなかった。非常にまばらな地震ネットワークに特化して適応した、強く浅い月震の可能性のある位置(マゼンタのドットと水色のポリゴン)が極の近くに分布している。青色のボックスは、アルテミスⅢの着陸予定地の位置を示している。葉状の断層崖が小さな赤い線で示されている。

<ひとこと>:
➀ 記事は大幅に要約しています。大判はイメージのリンクから。
➁ 日本時間明日2月23日金曜日午前7時49分、NASAが積極的に支援する、インテュイティブ・マシーンズ(Intuitive Machines)社の商用月着陸船、オデュッセウス(Odysseus:資材運搬を目的として開発)が、月の南極地域のマラパートAの近くへの着陸を試みます。中継放送等詳細は下表の「宇宙科学の話題」 から。

<出典>: Lee Mohon(Jonathan De)(著者名です)

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