
たっぷりと水蒸気を含んだ空気の濃さ。まぎれも無く日本の海なのだと作品全体から伝わってきます。(横浜の海だそうです。)
石垣さんは、油絵始められてから、最初の2、3枚以降は全て風景画を描かれています。最近の作品を見ていると、石垣さんの作品はどれも空が印象的だなぁと感じます。この絵もシンプルな構図で、空の面積が広いのですが、決して単調ではなく、かといって主張しすぎる訳でもなく、淡々と、見上げればいつもそこにある空、が表現されています。去年のミオスの展覧会に出品された作品とはまた違った味わいです。
「主役」を引き立てるために特別な演出をする訳でもなく、「見て!」と主張する訳でもなく、全ての存在するものがただそこに「在る」ように描かれているのです。
作品は作者のまなざしが見えてくる、と私は思うのですが、目に見える全てをやさしく包み込む、そんな静かな愛情をこの作品から感じました。
人物描くのが好きな私としては、いつか人物画にも挑戦していただきたいです!
チノ