モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

初めての油彩画

2015-05-31 17:32:27 | 大人 油絵・アクリル
左 原 / 右 鈴木

土曜・大人クラスの京谷です。
今回は、輝ける油彩画第一作目を完成されたお二方、水曜夜間クラスの原さんと鈴木さんの作品をご紹介したいと思います。
小原先生より、確かに初めて油絵の具で制作・・・と伺っていたのですが、お二人とも堂々たる仕上がりです。構図については、今までデッサンなどで鍛えていらっしゃったとお察しいたします。とても安定感のあるモチーフの配置ですね。

原さんの作品の画面下方、ストライプのテーブルクロス部分をやや多めにとって、前景がゆったりとした構図。赤いホーローポットがしっかりと、また表情豊かなタッチで描かれています。モチーフそれぞれの質感をとらえて描き分けるのは油彩だけではなくて、どんな画材でも難しいことですが、洋梨の微妙な肌の色や小さなガラスの花瓶の透明感のあるブルーなどなど、一作目とは思えない描写です。

かわって鈴木さんの作品。やはり三角形の構図なのですが、ここでの主役は花瓶に生けられた大輪の花々。画面からはみ出さんばかりの勢いです。拝見している側に、あふれんばかりの生命力を感じさせてくれます。花弁のひとひらひとひらを丁寧に追いかけて描いていらっしゃいます。チェックのテーブルクロスもですが、その下のテーブルの存在をしっかりととらえていらっしゃるところ、素晴らしいです。

油彩絵の具の本来もっている特徴あるいは魅力として、重厚な絵はだがあげられますが、私はむしろゆっくりと熟成されていく色彩の輝きや艶のような、ちょっと化学反応的な部分にも惹かれます。市販の油彩用画材も、最近では本当にバリエーションに富み、溶き油から各種メディウム、筆洗油に至るまで、沢山の選択肢があります。「環境に優しい」をうたい文句にしているメーカーもありますね。そのどれもが、作者の目指す色彩や絵はだや(ある意味)ポリシーやコンセプトみたいなものを実現するための材料です。色々な画材を是非使って試してみてください。実験のようで、きっと描く事に、また新たな楽しみを感じていただけるかもしれません。

すでに次の作品の構想で頭が一杯だという原さんと鈴木さん、お二方のこの静物画には、すでにそれぞれの個性があります。油彩画はそういうところがすぐに出るので、本当に不思議です。まだご経験のないかたも、是非是非奥の深い油彩画に挑戦してみてください。

原さん、鈴木さん、次回作がとても待ち遠しいです!
コメント
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