モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

ブックデザイ(ンは書き忘れではありません)

2016-01-29 22:10:24 | アート・文化

木曜小学生・学生クラスのアシスタントの菅原です!今年もよろしくお願いします。
先日、是非お勧めな展示に行って参りましたので、その紹介をさせて頂きたいと思います!
大人のみなさん、「伝染(うつ)るんです」(吉田戦車)は知っていますか?
この作品を小原先生に聞いたら、学生時代に最もハマった漫画だと、ものすごく懐かしがっていましたが(笑)
知らなくても、絵本のミッフィーシリーズはご存知だと思います!
その装丁デザインをされている、祖父江慎さん(コズフィッシュ)の展覧会に行ってきました。
私は今までクリエイターの勉強をしておきながらこの方の名前も知らなかったのですが、もっと早く知っていれば…と後悔するほど、強い刺激になりました。
というのも、普段手に取っている本の常識が全てひっくり返されてしまったからなのです!

漫画のページをめくると、また同じページが現れて、あれ?乱丁かな?と思いきや、ページの割り振りは合っていて…。
何かと思えば、漫画のテーマに合わせ意図的に乱丁を施していました。
その他にも、本の背が微妙に足りていなくて紙の束が見えてしまっていたり、カバーと本体の規格が合わずどうにも端が揃わなかったり、しおりは強引に引っ張ってビロンビロンになってしまった風に加工されていたり…どれも本のヘンテコなテーマに沿ったちぐはぐなイメージを本自体にデザインし、それを精密に極めた作品なのです。
例えば、一見適当にカットしたかのように見えるカバー(本の本体は直方体ですがこのカバーは左右非対称の台形型なので本体の大きさと揃わない)は、添えられた指示書にカットする角度の指定まで徹底的にされていました。さらに、本の装丁だけでは物足らず、フォントも自分で編み出していました。
そんな数ミリ単位のこだわりが、目を引くデザインになり、自然と手に取ってしまう本に変わるのです。
プロの技とこだわりを肌で感じ、この依頼された印刷屋は緊張しっぱなしだろうなあと同情しつつ、祖父江氏を気に入り起用し続けるクリエイターが多い意味がわかりました。

自分、どうも詰めが甘い気がする…とお悩みの方は、一度行ってみることをお勧めします。詰めが甘いの反対、もうめちゃめちゃに詰め詰めの作品たちに出会えますよ!
一般300円、学生200円とかなりお手頃なのも魅力です。日比谷公園を散歩がてら、是非自分の目で職人の技を見てみてください。

祖父江慎+コズフィッシュ展 ブックデザイ
2016年1月23日(土)~3月23日(水) ※2月15日(月)展示替え 前期「cozf編」:1月23日(土)~2月14日(日) 後期「 ish編」:2月16日(火)~3月23日(水) 休館日:2月15日(月)、3月21日(月・祝)
会場 千代田区立日比谷図書文化館1階 特別展示室
開室時間 平日 10:00~20:00、土曜 10:00~19:00、日・祝 10:00~17:00
観覧料 一般300円、大学・高校生200円
コメント
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