春休みワークショップでは、小学校高学年〜中学生までが参加できる、『デッサン入門講座』が開かれました。
1時間半のワークショップ中に講義が30分もありましたので、「学校の授業みたいで、真面目で疲れた」という感想ももらいました。w
絵の上手い人は一度位「一芸に秀でた才能のある人はいいよね~!」など言われた経験があるかと思いますが、美術はセンスや才能はあまり関係ありません。もし才能だけで絵が上手いのであれば、技術の勉強も努力も何にもいらないことになってしまいますから。(「頭の良い人はいいよね~」も同じですね。「お前せめて少し勉強してから羨ましがってくれ。努力する気もないのに、自分とは違う人種と片付け安心するな!」ってとこですかね?)好きな事を疑わず(数学が将来なんの為になるんだろう?など考えず)、情熱を注ぐことができるかどうかが上達のポイントです。
ちょっと話が逸れましたが、感覚ではない=つまり理論が大事なんです。実践あるのみ、というのはウソ。ということで、珍しく真面目な講義をしちゃいましたよー!
お陰で下のような完成度の高いデッサンが描けました!満足気な子ども達の顔が良いですね!
①固有色
モチーフの固有色をモノトーン(白黒)で捉え、ベースを均一に塗る。モチーフが白い場合、この作業は不要となる。立体感、質感を描く前にこの作業が必要な理由は、黒いボーリングの球の陰と、白い石膏の球の陰の色は同じグレーではないので、最初に陰を入れようにもどの位黒くすれば良いか加減が分からない為。
②陰
「陰」とは球体の光が当たらない部分のこと。「陰」はモチーフの立体感、量感を表現する役割を担い、プラスチックのようなチープで軽そうなモノは「陰」が弱く、ずっしり重いモノは「陰」が強いというイメージを持つと良い。但し一概に弱いは薄く、強いは濃い、でないところが難しい。
③影
「影」とは床に落ちたカゲのこと。「床の上に置かれた球」という球と床の関係性を示し、空間認識や実在感のリアリティーを出すのに重要。接地面に強い黒い色を入れ絵を締める。
④順光
順光は物質が受けている光のこと。順光は通常「上」「斜め上」から光が来る。順光は作品の指標になる光なので、早い段階で光の方向を見極めると良い。 例・左斜め前方上から蛍光灯
⑤反射光
順光が地面に当たり、そこから反射した光のこと。照り返した光は回り込みを表現する力があり、モチーフのボリュームを感じさせることができる。
⑥ハイライト
ハイライトの強弱により質感(ディテールや密度の違い)を表現できる。質感は物質によって違うので、完成度を高める為にモチーフを良く観察し説得力を上げよう!