坂本 油彩
毎週土曜日、お目にかかります岩田です。
今回は土曜日、午前クラスにいらっしゃっている坂本さんの油彩をご紹介します。
坂本さんは、動物を描くことが好きです。というか多分、動物に対して大いなる愛情を持って接しておられる方だと思います。
此度は、漁村の港に佇む黒猫。猫は、ご自身の絵の中でもしばしば登場するモチーフですが、全身真っ黒の猫を描くのは初めてです。
港ならではの味わい深いコンクリートの表情と黒猫の対比が素晴らしく、黒色という限定された色幅の中に微妙な色彩の変化を持たせ、毛並みを丁寧に描いています。
又、経年変化でシミや汚れが付着し、ひび割れたコンクリートも潮の香りが漂ってくるような、しかしその色合いはかくも美しく、坂本さんの世界感を表現しています。
作者の鋭い観察眼と繊細且つ多彩な表現力には、いつもながら敬服しますが、こちらの作品は今までの中でもレベルの高い作品と言えるでしょう。又、猫への愛情もひしひしと伝わってくるのでした。