真愛 透明水彩
風邪を引いたかと思ったらどうやらスギ花粉が飛び始めているようです。花粉症のマユカです!
本日は真愛さん(ご主人と一緒にミオスに通っていらっしゃるので、下のお名前で呼ばせて頂きます。)の作品をご紹介させていただきます!
雨の町を走る少女と、胡坐で座る女性。どちらも写真を見て描かれました。
透明水彩ならではの温かみを感じるふんわりとした質感と、にじみを活かした描き方が優しい雰囲気を纏っていますね。ファッションアイテムに使われている色が背景にも使われているため、それぞれの作品が統一感にあふれています。使われている色は多種ありますが、それを同じ雰囲気でまとめ、一枚一枚雰囲気が少しずつ変えられている辺りにもにもセンスを感じます。それではまず左の作品から見ていきましょう。
女の子は、どこに向かっているのでしょうか。急いでいるようにも、スキップしているようにも見えるこの作品は、異国情緒あふれる街で雨に濡れ、周囲の風景をぼんやりと映し出す地面の描写がとても美しいですね。映り込みの解像度はあえて抑え、絵具の広がりのみで描かれているように見えます。主役になっている女の子には赤い色をポイント的につかっているため、どんよりとした天気も吹き飛ばしてしまうようです。
様々な種類の白を使っているため、遠くのビル群と手前の橋の欄干にしっかりと差を生み、風景により厚みを出していますね。
次に右の作品ですが、オレンジと青の対比的なカラーリングが目に鮮やかで、人物だけでなく背景の車や建物、看板の文字に至るまで細かく描かれています。しっかり描かれていても、中心の女性よりは柔らかく単純になっているため、前後の遠近感を感じるような作品になりました。
透明水彩を何度も重ねた層によるにじみや色の混ざりは、雑誌の挿絵にありそうなオシャレさを感じますね。
日常の一コマ、のような題材を持った作品には水彩絵の具はピッタリな画材です。写真をイラストにする際にはとても相性がいいため、水彩に触れたことが無い方も一度、試してみてはいかがでしょうか?