モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

踊る金魚

2024-01-26 20:53:21 | 大人 油絵・アクリル


鳥光 油彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは、鳥光さんの2枚目の油絵です。1枚目の油絵はペットの猫を愛情いたっぷりの眼差しで描かれましたが、今回は(よその家の)金魚を描かれました。良い意味でつきはなした距離感が、冷静に絵作りをする下地になったように感じます。

床の紫と金魚鉢の黄色が互いを引き立て合い、画面の中で効果的に使われています。色々実験をしながら描かれたのでしょう、かなり絵の具を盛って塗られており、全体に絵の具の凹凸が作られ魅力的な質感となりました。何もない平たい壁の背景も、様々な色が入り混じり見所が作られています。
主役の金魚を目立たせる為、輪郭の際に黄色や青の絵の具をベッタリとのせています。強調させたいものがある時に、あえて輪郭の外側から形を作り出すテクニック。金魚鉢は右上に配置、左下にできた空間をダイナミックに縦断する葉が、絵の中にリズミカルな動きを作っています。金魚達もくるくると互いに踊る様に水の中を泳いでいるのでしょう、動きを感じる描写となっていますね。
右の金魚が右下を向いていますが、顔の方向の先の画面を広く取る事で余裕ができ、バランスを保っています。(これが例えば金魚が逆方向を向いていたら、窮屈に感じられたでしょう。)
丸い水槽の中の描写も、絵の具で遊び楽しみながら描かれているのが伝わってきます。現実的に描くよりも、絵の中で色のバランスを考えた時に美しくなる様、計算して描かれたのでしょう。こうした絵の具の質感・表情そのものを楽しめるのも油彩の魅力の1つですね!

2作目も様々な気づきがあった制作だったのではないでしょうか。次回作もぜひ楽しみながら制作していって頂けたらと思います。

 

コメント
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