モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

光が照らす神域

2025-02-12 23:31:28 | 大人 油絵・アクリル


大塚 油彩

最近の趣味は蕎麦打ちです、ナツメです。月曜大人クラスより大塚さんの油彩をご紹介します!

水の中に立つ鳥居の存在感と、水の中に入り祈る巫女。実際にある水の鳥居写真をもとに、大塚さんのオリジナルで巫女を加えたことで、より美しく、神秘的な光景になりました。
この池のもつ深遠さを表現するために水面の反射を控え、画面下部に水の広がりだけを見せることで、まるで底の見えない神聖な領域のような雰囲気に。さらにローポジション・ローアングルで構えることで、頭上に広がる木々の迫力を強調しつつ、鳥居の荘厳さも際立たせています。
また色の使い方も絶妙で、広がる木々の深い緑、静かな水の重い青が大部分を占める中、巫女の装束の赤をアクセントに、引き立て合う補色のコントラストは、シンプルながらも目を引く色彩構成です。
ライティングも見どころのひとつ。左上の明るい光に対して、下の池には暗い青が使われていて、そのグラデーションの中で、鳥居と巫女を際立たせているのが上手いポイント。視線が自然と主役に集まるようになっています。

鳥居は、神域と俗世を分ける結界であり、神聖な領域への入口。その向こうから光が差し込むことで、神様の存在を感じさせる雰囲気が出ています。そして、巫女は神託を受けて伝える役目を持つ存在。まるで、彼女が神のお告げを受け取っているような、許しを請い人々の救済を求めているような、そんな物語を感じさせる一枚です。
水面の映り込み、色のバランス、光と影の演出、そしてストーリー性のある構図。そのすべてが組み合わさり、ただの視覚芸術ではなく、見る人それぞれに考えさせる思想や文学にまで昇華されました。幻想的な作品を前に、皆さんはどのような祈りを捧げ、どんな詩を詠いますか?

コメント
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