釘宮 透明水彩
ナツメです。本日は日曜大人クラスの釘宮さんの作品をご紹介します!
釘宮さんの前回の作品をアップしたのは、ちょうど1年前の9月です。実は1年間、鉛筆デッサンの基礎に戻り修行をされていました。展覧会に出品された多くの方も「もう一度、1からデッサンを勉強し直します。」とおっしゃり、今まで描いていた画材を封印し、鉛筆に持ち替えて基礎から頑張っている様子を見ると、大学のデザイン課題に追われデッサンから離れている自分も身の引き締まる思いになります。
前回のブログでは、「まるで緑色の専門家ですね!」と書いたほど扱いに長けている釘宮さん。今回も流石のコントロールで前後感や細い松の葉の密集している様子などを表現されました。今回の作品も画面のほとんどを緑色が占めているので、どのようにして手前の松から奥の山までの遠近感を出すかを試行錯誤されていました。
1年間の修行の成果か、明暗の差をつける度胸がついたように思います。手前の松の木々も、これほど暗さをつけなければ遠くへと抜けるような空間の表現にはならなかったでしょう。デッサンのようにモノクロに置き換えたときにも空気感を伝えるという意識を感じられます。コントラストが強いのは手前の松ですが、木々や湖などの輪郭のやわらかい自然の中で、整った形の橋が1番に目に飛び込んできますね。奥の橋から静かな湖、そして手前の木々へと、段々手前に来るよう視線の流れが作られている点も、奥行きを出す一助となっています。
久々の水彩でしたが、ブランクを感じさせないどころか一層レベルアップした密度のある作品となりましたね。強化された釘宮さんの作品に今後もご期待下さい!私も楽しみにしています!