横山 透明水彩
今になってようやく布団を冬掛けに変えました、ナツメです。本日は、土曜大人クラスより横山さんの作品をご紹介します!
今回は、ご自身が撮影された写真をもとに水彩画を描かれました。たくさんの高級そうな果物が乗ったババロアが、まるで作家もののような器に美しく盛られています。思わず「食べるのがもったいない!」と思ってしまうほど、魅力的な一枚です。
テーブルの奥に設置された天然の小枝は、カフェの雰囲気や居心地の良さを伝える重要なポイントです。ところどころに映り込む葉や、赤寄りの茶色を基調とした色使いからは、素朴で温かみのある空気感が伝わってきます。
背景もババロアも暖色系で統一されているため、全体的に柔らかく温かみのある印象になっていますが、それだけでは主役がぼやけてしまいがちです。今回は器の左側に接する木の影に青を取り入れることで、デザートをより美しく際立てる工夫をされました。また、お皿に落ちる器の影や、ババロアの上に添えられたフルーツにも青系の色を使うことで、暖色の中にさりげなくコントラストを生み出し作品全体を引き締めています。このように周囲から引き立つように見栄え(見映え)をする効果は、補色(反対色)を効果的に使うと色のバランスがより洗練されうまくいきます。
まるで雑誌のグルメ特集に掲載されていそうな、美しく魅力的な一枚。見ているだけで「これを食べてみたい!」という気持ちになります。それはきっと、横山さんが実際にこのデザートを味わったときの「美味しかった」「楽しかった」という記憶や、素敵な時間を過ごした思い出が込められているからこそ。そんな温かい気持ちまで伝わってくる作品です。