モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

水曜も日本画!

2015-05-13 23:04:38 | 小学生 絵画
みなさんお久し振りです!
水曜日にしか現れない、磯辺弥月でございます!
水曜クラスは二週連続でお休みだったので、本日は20日ぶりくらいの授業日となりました。

さっそくですが、小学生水曜日クラスの日本画を紹介していきたいと思います。

モチーフは蓮の花の写真か、本物の葉牡丹。好きな方を選べる形式です。
日本画なので、どの絵もド派手な色を使っていたりする訳ではないのですが、画面から生き生きとしたものを感じますね。

普段見慣れない画材におっかなびっくりしながらも、楽しんで描いてくれたのかな?と思います。
今回のこの日本画、実は下地の茶色い絵の具はみんなで土から作り出したものなのです!
何度も上澄み液をすくっては水を足し、すくっては水を足し、、、コーヒーフィルターで濾した後、膠(にかわ)と混ぜて画面に塗る!のですが!
そこは普通じゃないアトリエミオス。この膠もなんと、市販のものではなく、小原先生が鳥の手羽先をことこと煮込んで作ったものなのです。
普段身近にあるものが画材に変わっていくことで、ぐんと親しみやすくなりますよね。
 卒業生(6年生)の日本画(卒業までに間に合わせる為、土の下地の上に直接、顔彩・岩絵具を塗りました。それでも最後に金箔を使っているので、完成度が低くは見えません。)

この授業の最中にわかったのが、みんな金箔とか金色の絵の具が大好き!
「これって本物?すごく高い?」
なんて聞いてきていたのも最初のうちだけ。これでもかというくらいむしりとって散りばめていました。
しかしさすが本格日本画、金色が画面に映えますね!
普段意識していなかったのですが、紫系の色が金色と合わさるとすごくゴージャスな感じになるという発見!
アトリエでは日々新しく気付かされることがあって毎日が大忙しです。
そんなこんなで、本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
また来週お会いしましょう!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本画、大津絵あるいは片岡球子

2015-05-12 00:26:01 | 小学生 絵画

小学生火曜クラス日本画制作のおはなしです。(南澤)



美術の末席を汚す者として、日々考えていることがある。
ー素晴らしい作品とは何か。
ー美術にかぎらず、芸術作品というものがこの世に必要とされているならば、一体なぜなのか。
この問いに対して、勿論、正しい答えなどありはしないのだけど、自分なりの漠然とした直感はある。それは、「日常の常識を否定しつつ、完全に日常を肯定する」何かを人は必要としている、ということ。人の常識はそれこそ人の数だけある訳だから、社会的な常識というものは必ず個人の常識とはどこかズレているモノだ。でも、日常というものは常識や社会に関係なく確実に全員の上にある。太陽の光のように。
この問題を宗教が扱うことは容易い。神という形而上的視点を想定すれば解ったような気がするからだ。でも、それでは気がするだけだ。

日本の美術はこうした問題と長い時間をかけて対峙してきたと思われる。それは、仏教的宗教否定(?)に根ざした、ある種のドライな精神的実験の歴史だ。
利休や茶の世界が目指したモノ、それは「ありのままの日常を取り戻す」為の所作であり、方法であったと思う。それは誰かの所有する日常ではない。また、民藝運動における、「プロでない人々が作る日常の道具の美」も同様な精神を感じる。彼らが感動したいわゆる大津絵といわれるヘタクソな路上の土産絵の上や、現在展覧会が開催中の日本画家片岡球子のゲテモノ絵の上にも輝く何かは、「日常の常識を否定しつつ、完全に日常を肯定する」なのではなかろうか。

大変前置きが長くなりましたが(笑)、今回は、小学生の日本画制作でありました。
燦然と輝く日本美術の最先端がココにある訳であります。もうスバラシイのであります。
最後に個人的、否、全ての人に捧げる太陽の光をご紹介しておしまいとさせていただきまーす。

南澤コレクション

左 未楓子 5年 / 右 波那 1年
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水彩の鮮度

2015-05-11 22:10:59 | 大人 水彩

西村 透明水彩 : 左「母の日のカサブランカ」 右「多肉と貝殻」

どうも幸介です!本日は大人クラスより西村さんの作品をご紹介いたします。入会されてからまだ半年も経っておりませんが、速筆でバシバシ作品を仕上げている西村さん。鮮度の高い作品が印象的です。現在も目下水彩を制作中ですが、今回はGW前に完成いたしました2作品をご紹介させていただきます!まずはご本人のコメントからどうぞ↓


左の作品:「本当は赤い花粉部分を描きたかったのですが、母親に『赤いのはキモチワルイから描かないで』と言われ、白い花を四苦八苦しながら塗りました。白を水彩で表現するのは難しかったです。この写真の後、少し手直しして渡しました。文句は言われませんでした。」

右の作品:「初めての水彩でオロオロしながら描きました。水彩は一度塗ってしまうとやり直しがきかないので、塗る時は勢いが必要なのだと思いました。先生方の一言のアドバイスでガラッと印象が変わったりするので、やはりすごいなと実感しました。多肉のモチーフは実は100均の偽物です。」


…上記コメントにあります、”水彩はやり直しがきかないので勢いが必要”という言葉、すごくご本人の性格を表していると思います。おそらく、やり直しのきかない画材の場合は勢いよりも「慎重にやらなきゃ」と思う方が大半なのではないでしょうか。勢いよくパシッと決めれる西村さんだからこそ、ユリの白い花の明るさや、背景・布の青さの新鮮度などを気持ちよく描けているのでしょう。そして勢いはあるけれども決して単調ではなく、モチーフの手前と奥との筆圧の違いや、モチーフごとに変わる仕事量(筆の量)なども、デッサンで培った力が生かされていまね。

今現在西村さんは、難易度の高い陶器のスヌーピーをモチーフにしておりますが、こちらもどんな表情に仕上がるのか今から楽しみです!キャラクター物はあんまり描きすぎると絵の中で悪目立ちしてしまいますが、西村さんの筆の速度なら、描きすぎず良いところでパッと終われることでしょう。次の作品にも期待です!

田中幸介
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

入賞しました!

2015-05-10 14:36:06 | 大人 油絵・アクリル
 竹辺 『街角』 油彩

日曜日ですが、オバラです。毎回クロッキー会に参加して下さる竹辺さんが、うちの学生(中学生女子)をモデルにクロッキーした下描きを元に、100号の油絵で描き起こした作品が公募展で受賞したとお知らせを受けました!
モデルの子は現在高校生になり、生意気過ぎて殴りたくなる時もある程ですが、この頃はまだ素直で可愛かったなぁーと目を細めて眺めてしまいます。あどけなさが残る表情と、ショーウィンドウに映る自分の姿をちょっとポーズを付けて振り返る様子が、背伸びしたい年頃の瑞々しさを見事に表現していると思います。彼女が小学校1年生の頃から知っている私にとっても、見ていると沢山の思い出が甦る感慨深い作品です。
ぜひ皆さん、足をお運び下さい!

以下、竹辺さんから↓

今回、こちらの作品(100号 油彩画)を太平洋展に出品しました。
幸い、「努力賞」を受賞出来ることになりました。合せて「会友推挙」も受けました。

この作品は昨年6月のミオスクロッキー会でのスケッチを元に油彩画に構成したものです。
良いモデルさんでポーズも良く、スケッチをしている時から、作品のイメージが涌いてきていました。一年近くかかりましたが、素材が良いので無駄使いをせず、太平洋展に的を絞って進めてきたものです。
良い機会をいただき感謝いたします。ありがとうございました。

こちらこそ素敵な作品に仕上げて頂き幸せです!竹辺さん、おめでとうございます!

『太平洋展』
日時 5月13日(水)~5月25日(月) 休館日5月19日(火) 10:00~18:00 ※最終日は10:00~15:30
場所 六本木より徒歩約5分[国立新美術館]
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

層を作っていく感覚で。

2015-05-09 20:02:58 | 大人 水彩
 服部 透明水彩

土曜日です。私の出番です。岩田です。今回ご紹介しますのは土曜クラス午前の部に所属されている服部さんの透明水彩で描かれた作品です。
暗い室内に蝋燭が灯る大変雰囲気のある作品です。こちらは服部さんが実際に家でこういったシチュエーションを演出し写真を撮られたものを元に描かれた作品なのですが布の凹凸も含めてとても拘って撮影をしています。服部さんの写真を見るといつも思うんですが構図感がとても良いんですよね。

絵を見ても光源から離れて画面の奥へと波打っていく布の表情がとても良い感じです。
蝋燭の周りに飾られたつる状の植物も複雑な形体である為、波打った布に触れているところと浮いているところを描き分けるのも大変だったと思いますが投影された影などを良く観察し、活かすことによって上手く表現していますね。

今回はモチーフが白い布だったこともあり、いつも以上に色をのせるのに勇気が必要と見受けられましたが透明水彩の作品を生み出して行くにつれ、かなり透明水彩の特性を理解されてきたと感じております。そしてここから更に服部さんには「大胆に」透明水彩を使って頂きたいとも思っています!

その辺りは、多分透明水彩をやられている皆さんにも結構言えることかなあと思うんですが透明水彩は画面の中で色同士を馴染ませるというより「層」を作ることをを意識されると良いと思うんですね。言い換えるとセロファンを重ねて行くような感覚でしょうか。

特に今回の服部さんの作品のキーマンである「蝋燭」。使っている色自体はとても良いので、前述した「層」を作るという意識で描くことが出来れば更に美しいものへと昇華していきそうだと感じました!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

入選しました!

2015-05-08 20:12:30 | 小学生 絵画
玲々菜 小6(現在 中1) 水彩

オバラです。皆様GWはいかがお過ごしでしたでしょうか?授業とブログのお休みをありがとうございました。

さてこちらの絵、昨年1月の小学生クラスの課題です。くじ引き絵画で玲々菜が引いたくじは《「未来」に「桃太郎」が「恐竜がいる場所」で》でした。繋げた言葉(最後の動詞だけは自分で考えてよい)は奇をてらわずに「戦った」です。キジはコウモリに、サルはナマケモノに変えているところにオリジナリティを感じるユニークな作品。実はこの絵、当時のブログには載せておりません。なぜなら完成までに2ヵ月以上掛かってしまったから。(通常カリキュラムは1ヶ月で完成しますので、次の月のカリキュラムを放棄しました。)立体工作よりも平面絵画が大好きで優れた能力を発揮する彼女ですので、私達も「別にサボっている訳でもないんだから、自分で納得するまで描けばいい。」と放任で行きました。そのかいあって、隙の無い緻密な絵に仕上がっております。随所にこだわりを感じます。10月の生徒作品展にも出品したので、見覚えがある方も多いのではないでしょうか?
さて時を経て1年後の先月、「せっかく頑張って描いた絵だから小学生時代の思い出に、もう1枚賞状増やそう!」と、全日本こども美術大賞展に出品しました。(サイズが規定外だったので、周りの黒い部分は後からまた1ヶ月掛けて描き足し、コラージュ合成しました。つまり、再び一つのカリキュラムを放棄しました。)しかし結果は特選の次の入選、悔しい!プラス、横暴な私の独断でやらせたような部分もあるので、申し訳ない!(親御さんに出品料まで出してもらったのに…)
でもまぁ4月から中学生になったので、デザインセンスに磨きを掛けて、今度はポスター大賞展かなんかでコンクール荒らしをさせようと、鼻息荒くしております。当の本人は「ふーん、アレ賞状もらえるんだ。」と冷静ですが、熱い私にちゃんと付いて来て欲しいものです☆
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする