動くモデル

水曜夜間大人クラスで、授業中にアトリエ入会２年半の生徒さんから「思い通りに絵が描けない。自分らしさって何でしょう？」という相談を頂き、それに対して入会５年の先輩が「もっと悩みなさい！」と上から目線の回答をしたことでクラス中が大盛り上がり、今週も少々飲んでしまいました。あぁ、楽しい…

さて、色紙の絵も今日でラストです。（この１回でご紹介が最後でしたので、磯辺先生と金曜日のブログ当番を代わってもらいました。）
ここまで上手に描けると、動いている（生きている）ものが描かせてみたくなります。昔うちのシベリアンハスキー犬（体重４０ｋｇ）が生きていた頃に一度モデルで連れて来ましたが、さすがに１時間半はじっとしていられなくて、イタズラしまくる小僧に耐えかね頭突き、転んで大泣きさせました。（大型犬ですので、人間を噛むような躾はしていませんよ！）当時１年生だった彼も今年で２８歳。「あの時のショックで、犬嫌いにならなかった？」と大人になってから聞きましたら、「あれは、俺が悪かったもん。平気。」とのこと。よし！どなたか子どもたちのモデルに、ヤギなど貸して頂けませんか？動物園の檻越しではなく、手を伸ばせば触れる温かい生き物を描かせてみたくなった、今回のカリキュラムでした。
以上２週間に渡り、オバラのブログにお付き合い頂きまして、ありがとうございました！明日からは通常ブログ当番で記事をアップ致します。

塗り方で成長を感じる

鳥の卵のようなクリーム色＝鳥の子という名前のついた、上品な色味の色紙。懐かしく優しい色合いは、真っ白な画用紙のような発色の良さはありませんが、ビビットな色彩にも、地味で渋い色彩にもマッチします。表面の和紙がしっかりしていますので、多目の水でも画面が荒れたりしません。そんな強さを活かし、普段の絵画の調子でマヨネーズ塗りをしてしまった子にはすかさず駆け寄り、雑巾で絵具を拭き取ってしまいました。ドレッシング塗りでもまだ濃いです。ちょっとの絵の具を水でしゃぶしゃぶに溶き塗ります。
今回はそんな淡彩画でしたが、通常絵画の時に絵具をケチって薄く塗ろうとするのは、高学年になった女子。「エコとケチは違う。お前のはケチだ！」と言って聞かせますが、そんな子も低学年の時はドバっとチューブから絵具を出してベタベタ描いていたんです。それがいつの間にか後輩に向かって「そんなに使ってもったいない」などとつぶやくようになるのは、お母さんっぽくなってくるからでしょうか？男子はそういう特徴からは成長が判断できません。思うにきっと、男子は技術の成長はあっても、精神的には小学生からあまり成長しないのでしょうね。しかしそこがまた面白い男女の掛け合いになり、会話を聞いていると楽しいです。

雅印

雅印とは、自筆の書画や書状などに押す印章です。うちではいつも、消しゴム判子で作らせています。作り方はいたって簡単。
１、新品の消しゴムを好みの形に切断
２、コピー用紙などツルツルの紙に消しゴムの形（輪郭）を写す
３、消しゴムの輪郭線の中に、２B以上の濃い目の鉛筆で、鏡文字ではなく、普通に読めるように書く
４、消しゴムを輪郭に合わせて置き、ギューッと押し付ける
５、外すと意外にもはっきり逆さまの鏡文字が写っている
６、線の通りに三角刀で彫る
消しゴムは柔らかいので低学年でも彫りやすいという利点があります。難点は柔らか過ぎる為、文字を白抜き（普通の判子は文字に色が付きますね）にすることしかできませんが、お手軽に作れてしかも個性的に仕上がります。封緘（ふうかん）などにも押せますので、お薦めです。私の年賀状に押してあった小原の【小】という字も、消しゴム判子です。

不思議な造形

「どうしてこんな不思議な形なんだろう？」「こんなに大きなハサミなのに、重なってると、向こう側のハサミはあんまり見えないんだ。」低学年は素朴な疑問から知識を吸収してくれます。高学年は、いかに美しい触覚のねじれを描くか、突起するとげを立体的に見せるか、紙に入れる構図と大きさのバランスは完璧か、自分自身での課題を見付けます。先生は、、、暇です。

腐っても鯛

鯛もエビも結構いいお値段なので（あ、また銭の話をしてしまった！）、月曜日～木曜日までは新しい魚を買いません。ですので、冬とはいえさすがに１週間経つと臭いがしてきます。「アトリエ臭い！帰りたい！」と言いつつ、描き出すとまた集中して臭いも忘れてくれるようです。それでもいつまで経っても「臭い臭い」と言う子には、あえてファブリーズではなくオジサマ用のオーデコロン（瓶がオシャレなのでモチーフ棚に置いてあります）を頭から降り注ぎ「おっさん臭と魚臭、どっちがいいか選べ！」と言うと、一瞬で「魚で我慢します…」と静かになります。でも意地悪なので、もっと振りかけます。みんなはしゃいで（大パニックで）大喜びし（悲鳴をあげ）ます♪みんな仲良し、毎日とっても楽しい小学生クラスの授業です！早く冬休みが終わって、みんなと会いたいなぁ☆

練習だって本気

果たして練習させる必要があったのでしょうか？消しゴムで消せないプレッシャーから、無言で一気に描き上げました。かと言って、本番はもう集中力が残って無いかな？との心配も杞憂に終わりました。スタミナ切れの子にはすかさず次のプレッシャーを。「この色紙、高いよ！高級だよ！失敗しても次の色紙あげないよ！」お金の力は偉大です！？
話しは変りますが、年始に実家に帰ったところ久し振りに会った妹と昔話になりました。「小さい時、夜中に一人でトイレに行けなくておかんの事を起こすと、トイレのドアの前で待ちながら『オバケなんてなーんも怖くねっ！じぇに（銭）がねぇーのが、一番おっかね！』ってブツブツ文句を言ってたよね？」すると母は「こんな上品なマダムがそんなこと言うはずないでしょっ！！」と…。私が子どもたちに「このデカい鯛、いくらすると思ってんだ！真面目に描け！」なんて言うセリフは、このようなエゲツナイ原点があるからだなーと、しみじみ思いました。（ちなみに今年から妹と、母の事を陰で「Jennifer（ジェニファー）」と呼ぼうと決めました。）
みんなまだ自分で稼げない子どもなのに、お金の話してごめん！恨むならノリ先生のお母さんを恨んでね★

複雑な色味

本物を目の前にすると、こんなにたくさんの色を発見できるのですね。鯛が予想以上に七色の光沢があり、「なんかアイシャドー付けてるみたいでオカマっぽい！」「すごく深く土を掘った時に出てきた玉虫色のミミズに似ているよ！」など、発言が楽しいです。釣るだけ、調理するだけ、食べるだけ、では発見できない色と形。飲み込んで、消化し、栄養となるようには、考える事が何より大事ですね。

さて今日は水曜夜間大人クラス、全員参加で新年会でした！お酒もトークも濃厚で楽しい時間を過ごさせて頂きました♪ご馳走様でした！ありがとうございました！

金の色紙

金の色紙は、吸水性の全くない金のボードに薄い和紙が貼ってあります。（普通の色紙の３倍の値段です。）割り箸ペンを優しく丁寧に扱わないと、貼ってある和紙が破けて描く事も塗る事もできなくなってしまいます。また着彩も、水加減を気を付けないといけません。そんなデリケートな色紙でしたが、それが逆に緊張感を生み研ぎ澄まされた作品になったように思います。金が透ける透明感が活かされていますね。

さて、明日から大人クラスのみ授業が始まります。新鮮な気持ちで制作できるよう、ピッカピカの教室でお待ちしております！
（余計な追伸　プロバイダーの設定を変えて、１年前のブログがメールで届くようにしました。ら！去年の目標が早起きだったことが判明！忘れている位なので、当然守れていません。が、心を入れ替え元旦から毎日９時に起きています！朝に寝ても９時に起きれている自分にウットリです。明日の午前大人クラスの皆様も安心して下さい！オバラは１０時から在室しておりますよ！）

シクラメンなど

画用紙に練習した下描き（せっかく雅印を作ったので押してみましたら、下描きとは思えない完成度！）

「魚介は臭くてどうしても描く気が起きない…」という子がいた時の為に、シクラメンも買っておきましたが、「エビ混んでるから、花でいいや。」「今日は花が描きたい気分かな？」位な軽い気持ちで女子４人のみ描いていました。「エビなんて気持ち悪いから、どうしても描きたくない！」と言う子は一人もいなくて（私が「克服しろ！」と、無理強いする必要がなくて）良かったです。

オマールエビ

お正月気分も、とうとうおしまいですね。休み中は事務仕事がはかどり、満足気分のオバラです。
明日より、小学校受験と美術系進学希望の学生の為のプライベートレッスンを再開させて頂きます。10:00から23:00までのご都合のいい時間帯で、いつでもご予約承ります。お気軽にお電話下さい。（1月8日まで）

色紙の絵をお正月に飾って欲しくて伊勢海老を11月にデパートで探しましたが、売っていませんでした。
時期が違うのでしょうか？（でももし売っていても、高すぎて躊躇してしまったかもしれませんね！）
まぁオマールエビ（ロブスター）も、相当カッコいいです！形も色使いもシビレます！

目出鯛

お正月休みの間は毎日、小学生クラス12月の課題『色紙に墨絵・淡彩』の作品をご紹介させて頂きます。
金の色紙に大きな真鯛をじっくり観察しながら、割箸ペンで一発描きしました。

お詫び
水曜クラスの作品完成・返却日にカメラの故障で、１枚も撮影できませんでした。水曜クラスの子の作品は、下書きのみのご紹介になってしまいます。全員分アップできずに申し訳ございません。

謹賀新年

左　　上橋　透明水彩　　 /　　 右　　出町　透明水彩・パステル

自ら課題を見付け、自ら思考・判断し、実現する。
『思いは作品となる』　『作品は自分自身である』
今年も皆様の内面から生成される芸術を、全身全霊を傾け感じ取っていきたいと思っております。
絵画教室アトリエ・ミオス代表　小原 京美