モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

新たな気持ちで

2021-04-08 22:59:45 | 学生

上着選びが難しい時期ですね、ホノカです。この春から、デザイン科に通う3人の鉛筆デッサンをご紹介します。
A4サイズの画用紙に、ほぼ実物大で描いています。約3時間強で仕上げましたが、受験の勉強では1時間半で完成させていたので、倍の時間があり、かなり描き込みがしっかりできたように感じます。


高1の鉛筆デッサン  左から  風音 / 彩音 / 莉奈

描かれているモチーフを見てみると、リンゴやグラス、マグカップなど...アトリエに通われている方なら一度はデッサンしたことがあるものではないでしょうか。また先週のブログでもご紹介しましたが、3月には小学生クラスでもデッサンを行っていたので、今一度ポイントを振り返ってみましょう。

~カップや筒などでよく見る円柱の描き方~
円柱の中央に基準となる縦線を引き、その線に対して左右対称になるように側面を描き、上下の丸い面は十字に線を引き上下左右で対称となるように気をつけます。この時に楕円の端が尖ってしまったり、正円に近い形になっていると、綺麗な円柱に見えないため注意です。また、上面の楕円より下面の楕円を少し深いものにすることで安定感が生まれます。
そして形が取れたら陰影をつけていきます。その際円柱には壁から反射した鈍い光が当たり、影の際が少し明るくなるため、練りゴムでぼんやりさせたり、指でこすると立体感が生まれていきます。
また円柱は縦の線を多用して塗っていきますが、普段の字を書く感覚で手首を使いながら線を描くと、線にカーブがついてしまい歪んだカップに見えてしまいます。まっすぐの線を描く時には、背筋を伸ばし、肩から腕を動かすつもりで描きましょう。

以上、円柱のデッサンの基本的なポイントでした!改めて意識してみるとデッサンだけではなく、水彩や油絵などでも意識できるポイントもあります。普段油彩や水彩をされている方も、一度振り返ってみると普段の作品に活かせる点が見つかるかもしれません!次回から何をしようか悩んだ際には、基礎に立ち返った鉛筆デッサンもいかがでしょうか?

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季節の変わり目です

2021-04-06 23:47:35 | 大人 日本画


古谷  左 アクリル  /  右 日本画(岩絵具・パネル貼り和紙)

三つ編みが快適な事に気付きました、一平です!本日は日曜クラスの古谷さんの作品をご紹介します!

左がアクリル、右が岩絵具で描かれています。画材は違いますが季節の変化を作品の流れから感じますね。寒い冬を耐え忍び、ようやく暖かい春が来て蝶が飛び立っていくようなストーリーを連想してしまいます(古谷さんはその気は無いかもしれませんが

左の風景画はご自身で撮ってきた写真を参考に描かれています。日本らしい少し重たい雰囲気の雪景色の描写が非常に素晴らしいです。自然の中の雪景色ではなく、住宅街という人工物の中の雪景色を描いているという点が意外と新鮮で見ていて面白いですね。そんな一見すると冬眠中のような静かな絵ですが、よーく見てみると雪の中に足跡があり、ここで生活、もっと言えば生命を感じられます。このように一枚の中に時間の経過を感じさせる物、現象を配置するのは見ている人の想像をかき立てさせますね!

次はこれからの季節にぴったりの爽やかな作品。一枚目とは打って変わって暖かい雰囲気が素敵です。岩絵具は初めて使ったとの事でしたが、疑ってしまいたくなるほど要領を掴むのが早く、日本画初回とは思えなかったですね。飛んでいるアゲハ蝶の羽根の色分けや重なり合っている部分の、微妙な明暗の差が丁寧に描かれています。アゲハ蝶という小さい生き物をここまで大きく入れた事もダイナミックで気持ちのいい構図を作るのに一役買っていて、一枚目でここまで伸び伸びとした物が出来上がった事が凄い。古谷さんはキチンと物事を理解してから進めるタイプだと絵を見て思っていたので、こういった思い切りが見えて新しい一面が見えた気がして嬉しいです!

筆が早く、ご自身で考えられた事をどんどん実践していく古谷さん、現在はまた新しい日本画を制作しています。次の作品が既に楽しみです!

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花見

2021-04-05 22:22:49 | 学生


小学校受験プライベートレッスン 年長 クレヨン 「家族でお花見に行ったよ」

オバラです。昨日・今日の雨で、最後の桜も散ってしまいましたが、去年よりはウキウキ気分の花見だったのではないでしょうか?
こちらでは、浪人が決まった学生の為に、アトリエ内で慰労会を開きました。合格した学生より、浪人する学生の方が大事に決まってます。もちろん努力が足りなくて落ちたという見方をすれば、合格した者の方を称賛するのが筋なのでしょうが、合格者はすでに褒美をもらっているので、私がわざわざあげなくてもね。なので、26年間一度も誰にもお祝いしてあげた事はありません。
本人に「なんでも望みは叶えてやるけど、どう労って欲しい?」と聞くと「幸介先生と一平先輩と旭先輩と花見がしたい。」との事で、大ぴらに外で宴会はできませんので、室内でやりました。(5人だけで、かなり離れて座りましたのでお許しを。)本当は花びら散る中、「俺も散った…」と馬鹿騒ぎして、一時だけでも息抜きさせてあげられれば一番良かったのですが、残念です。

学生クラスでも毎年、小学生クラスから上がって来た新中学生達を囲み、お菓子とジュースで歓迎会をしていたのですが、2年連続できません。歓迎会をすると、高校生の先輩達と一緒のクラスで緊張しても、一気に場・空気に溶け込めていいんですけどね。残念です。

あー早く学生達に酌させて宴会したい!(結局自分がしたいだけなの、暴露しちゃった!笑)

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動物が好き!

2021-04-03 17:26:09 | 大人 油絵・アクリル


松野 油彩

すっかり温かくなってきましたね。岩田です。
今回は土曜午前クラスの松野さんの作品をご紹介します。

動物を描いた作品が印象的な松野さん曰く「私は風景や背景が苦手なようです。いまだにどうやって描くのが正解か、全く分かりません。」とのこと。つい動物にばかり愛情注いで、周りはおざなりになってしまうとご自身も感じているようです。

とはいえ、いつも手探りをしながらも一枚一枚コンスタントに枚数を重ねられ、描き始めた当初に比べると格段の進歩を遂げています。
例えば小鹿やウサギ、馬の鬣(たてがみ)などの動物の毛並み、今では筆や描き方に工夫を重ね、日差しを受け光輝く「ふさふさ」や「さらさら」を描けるようになっているのです。

前述のように、松野さんにとって主役である動物に対して背景の木々や草原はまだ納得のいくところではないでしょう。
確かに雑木林のような木々を描く対象に選んでも、それがご自身のアンテナにビビッときていないモチーフであれば致し方ありません。
私がいつもお伝えしているのは、描くことを心から楽しんで欲しいということ。
描きたい!という欲求が発露するまで思う存分動物を描き続けるというのも一つの道ではありませんか。

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鮮やかな模写

2021-04-02 19:40:11 | 大人 油絵・アクリル


佐竹 油彩

大竹です。今回ご紹介させていただくのは、佐竹さんの油彩の作品です。
左の作品セザンヌの「果物カゴとスープ鉢のある静物」を模写されています。
元の絵のくすんだ色合いと比べると、全体的に明るいお洒落な色合いになっていますね!所々下地に使った青が覗いているので、明るく爽やかな印象を見る人に与えてくれます。窓の外の風景も、ササっと軽く塗って仕上げていながらもきちんと街並みがの形が見えてきますね。この軽く仕上げる、というのは実はガッツリ書き込んで仕上げる、というよりも難しかったりします。少ない手数で未完成に見えないように仕上げなければならないので、どこにどの色を置けば効果的か見極める必要があるのです。その分、手前のテーブルや静物たちはたっぷりと絵の具を使い、重みや質感を出していますね。スープ鉢なんかも、元の絵の古っぽさがなくなりスタイリッシュな印象を受けます。

そして右の作品はシスレーの「モレの橋」の模写となっています。
可愛らしいこちらの作品ですが、制作中は橋や川の色味に苦戦されており「私が挑戦するには早過ぎました…」としょんぼりしている姿を度々お見かけしておりました。しかし、この完成した作品からは全くそのような事は感じさせません。画面の中央へと向かう橋が、見る人の視線を可愛らしいピンクの屋根の家まで導いてくれています。模写元の作品と比べると分かりますが、この家の屋根は元絵よりも鮮やかなピンクが使われております。他の建物の屋根の色も更に鮮やかになっており、まるで子供の為に描いてあげたような優しい風景となっています。佐竹さんの人柄がそのまま色合いに表れているようです。橋の下の色が濁っているようにも見えますが、むしろこの濁った色が鮮やかな屋根や空の色を引き立ててくれているのでしょう。甘いお菓子にしょっぱい塩を入れるとより甘さが引き立つように、見せたい部分を引き立てる為にあえてそれとは逆の要素を取り入れる事も必要ですね。

佐竹さんは今年で入会5年目ですが、最近「ようやく絵が楽しいと感じるようになってきました。」と仰っていました。楽しくない事は3日も続かない私にとってはよくぞ5年間も…!と小原先生と共に尊敬してしまいました。1度楽しいと感じたら、これから先もどんどん楽しくなってきますよ!

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魔法のえんぴつ

2021-04-01 22:19:45 | 小学生 絵画

この時期の19時過ぎの空気感が一年中続いてほしいです。ホノカです。今回は3月の小学生クラスカリキュラム「デッサン」の様子をご紹介したいと思います!
デッサンではモチーフ(今回はレンガ、カップ、卵の基本的な3種類、上級生の希望者は紙とクリップ)を描き表すのに使えるのは鉛筆と消しゴムのみ。前回のキメラの色鮮やかさとは対照に白と黒、グレーだけを使いモチーフごとに異なる表面の質感や明暗の差を描き分けていきます。

しかしデッサンはさまざまな絵を描く上での基本!とは言っても小学生の時にデッサンに向き合う機会なんてそうそうありません。なので授業の始まりはノリ先生によるデモンストレーションが行われました。また思い出したくなった時用に要点をお伝えしたいと思います!

まずはレンガから。アルファベットのYのように線を引き、そしてその線に基づき平行になるように下の辺や奥の辺などを繋げていき立体的な直方体を描きあげます。その上にカップを乗せて行きますが、底がレンガの線につられてナナメにならないように注意して左右均等にしていきます。そしてレンガの少し手前に卵を描いたら形は完成です!
そしてレンガなら茶色、卵は白。などのモチーフそのものの色である"固有色"、や床にある"をさらに描き込んでいきましょう。レンガはカップや卵より暗く、しかしその中でも光が当たっている部分とそうでない部分で暗さの度合いが異なる。などなど沢山のポイントに気をつけながら全体を塗り完成させていきます。

絵の具であれば白を入れて簡単に明るい色が作れます。ですが鉛筆のみで自分の力を加減しながら色の差を作ることは非常に難しく、レンガが全面同じ色になりのっぺりしてしまったり、白いはずのカップがレンガと同じくらい濃い色のカップになってしまったり。それでも何度も塗ったり消したりを繰り返して徐々に色の差を作り上げていました。

はじめこそ「デッサン」という言葉からハードルが高そうで嫌!絶対出来ない!と言っていた子も、描いている内にここは一番暗いからもっと塗ろう!ここは明るいところだから消しゴムで消しちゃおう!という風に自分から進んで描き込んでとても魅力のある作品になりましたね!
毎日のように使う鉛筆という身近な道具ですが、少し使い方を変えるだけで平面の紙に立体的なものが生み出せる。まるで魔法みたいに感じませんか?

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