酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

河谷史夫さんらの存在価値

2008-09-03 21:10:36 | Weblog
 朝日新聞のいいところは、名前が通るようになれば気ままに振舞えることだ。

 本田勝一がそうだった。もっとも彼は若いころから事件ものの取材などにはとんと興味を示さず、道警クラブ員の顰蹙を買っていたとどこかで書いている。


 論説委員から編集委員に転じた河谷史夫氏もそうした人種の一人だろう。朝日新聞とは一線を画し、河谷個人で勝負する。それはそれで素晴らしいことだ。

 だが、次のような一節を目にすると「うーむ、お主の本心はどこに」と問いたくなる。一ひねりも二ひねりもある曲者文章だ。

 《新聞を広げれば、半ば近くがオリンピックと高校野球、加えて一面から社会面、コラムまでが飛んだり跳ねたりの記事であふれるという有り様に暗然とし、テレビをつければ、アナウンサーの絶叫と勝者の雄叫びに唖然とし、さらにまた、しょせんは他人の勝ち負けに泣いて喜んだり悲しむ姿に呆然として、ことしは「とにかく夏よ、去れ」と念じる日々であった》=選択9月号=


 素粒子などという原稿を書いた反動か、だらだらと流れる文章だが、それは置いておこう。


 当ブログでも以前書いておいたが、朝日の五輪記事、とりわけ「看看北京」はひどかった。河谷さんが「コラムまでが」と嘆く気持ちも分からないではない。


 しかし、書いているのは同僚ではないか。同じ編集委員の肩書きも散見された。「おかしいんじゃないの」と言ってあげるのが普通だろう。ところが、河谷氏はコラムニストや編集委員の原稿も「飛んだり跳ねたりの記事」と馬鹿にするだけだ。紙面構成についても「半ば近くがオリンピックと高校野球」とあきれて見せるが、自分もそれに加担していることについては口をつぐむ。


 もう63歳ぐらいになっているだろうから、正規労働者ではないのかもしれない。「現役の連中にあれこれ言ってもうるさがられるだけ」との思いもあるだろう。でも、スタイルにこだわる編集委員の本心は別にあると観た。


 こうして斜に構えて「朝日の良心」をさりげなくアピールする。朝日をけなしているようで、実は朝日の懐の深さをさりげなく伝える。河谷さんの役割はそんなところだろう。

 自民党総裁選に出るであろう「咬ませ犬・小池百合子」らと同じ役回りだ。河谷さんも小池も、自分の役回りを承知の上で、反(半)体制づらをしてみせる。目指すところはそれぞれ違うのだが、やっていることはほとんど同じだ。こういう人種を自意識過剰というのではなかったか。


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テニス王子の危うい前途

2008-09-03 05:39:58 | Weblog
 テニス界の貴公子?錦織圭が全米オープンで快進撃、86年ぶりの8強いりは逃したものの、4大大会ベスト16は見事な成績とほめてあげたい。


 《テニスの4大大会今季最終戦、全米オープン第8日は1日、当地のビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターで行われ、男子シングルス4回戦に登場した18歳の錦織圭(ソニー)は、第17シードで19歳のフアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)に3-6、4-6、3-6のストレートで敗れた。1922年の清水善造以来86年ぶりの日本男子全米8強入りを逃した。

 錦織は第1セットで3-0と先行したが、その後はショットでミスが多く、デルポトロのサーブやストロークに押されて主導権を譲り渡した》=毎日電子版=



 テニス協会の育成システムに乗りここまで順調に育った。まだ18歳これからに期待する向きが多いのは当然だが、気になる点がある。


 その第一は脚の痙攣癖である。全英では試合途中に痙攣を起こし棄権している。全米でもピリピリきていたようだ。体質のせいなのか、極度の緊張感からくるものなのか。この癖を封じ込まない限り8強以上は望めない。かつての松岡もそうだったが、センスはよくても体力は不足しているのではないか。


 脚に負担が掛かるプレースタイルも改めた方がいい。「エア・ケイ」とか呼ばれるジャンプショットは際物だ。若い今しか出来ないという考え方もあるが、滑らかな動きに移行したほうがいいだろう。


 これは錦織の問題ではなくバックの話だ。盛田テニスファンドのことである。ソニー創業者の弟が私財を投じて財団をつくり、選手育成に乗り出している。実業家としては兄の七光りだったが、こういう金の使い方はいい。


 盛田一族はスポーツに理解があるようで、創業者の子どもは盛田スポーツ財団を立ち上げ、アライリゾートでは冬季スポーツ振興を図ったりした。こちらはずさんな経営がたたり、破綻状態だが…。



 錦織はCMなどに消費されず、きちんとしたトレーナーについて体をつくれば、まだ上昇の目はある。だが、18で天才、22過ぎればただの人、になる可能性も否定できない。つぶすのはメディアとスポンサーである。

 
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