酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

小泉純一郎のへっぴり腰

2008-09-13 04:49:48 | Weblog
 麻生太郎の勝利が確定している自民党総裁選を何とか盛り上げようと、いろんな方々があれこれ手を尽くしているらしい。その第一弾は、動向が注目を集めている元首相・小泉純一郎の神格化である。

 大衆の面前では誰を支持するかについて「何も言えねえ」と北島語でとぼけていたが、小池百合子陣営の幹部がお伺いを立てると「小池なら小沢に勝てる」とのたもうたそうだ。



 《自民党総裁選に立候補している小池百合子元防衛相の選対本部の12日午前の会合で、選対本部長の衛藤征士郎元防衛庁長官は「10時から30分間、小泉純一郎元首相と会った。小泉さんは『オレは小池さんを支持する。小池総裁になれば、民主党の小沢一郎代表といい勝負になる』と言っていた」と報告した。


  衛藤氏の報告の後、小池氏は「小泉さんは『何も言えねえ』と言っていたが、(自分への支持を)言ってくれた。私は『超うれしい』だ」と喜んだ》=毎日電子版=


 言う小泉も阿呆だが、こんなご託宣に舞い上がる小池はさらに阿呆×3ぐらいの勢いだ。この総裁選の数少ないテーマは、「小泉改革」なるものがもたらした荒廃からどう脱却するかにある。その小泉からお墨付きをもらって「超うれしい」などとはしゃいでいるようでは話にならない。


 小泉のカリスマ性などという当てにならないものにすがること自体、この総裁選のつまらなさ、というよりも自民党のピンボケ具合を示して余りある。


 小泉を奉れば奉るほど、いま戦っている?五人の卑小さが際立つということに気がついていない。国民が小泉にキャーキャー言っているのは、その政治路線を評価してのことではない。タレント人気と同じだ。いわば人寄せパンダ。


 かつて田中角栄も「俺は人寄せパンダでいい」と言ったことがある。このパンダは「国土の均衡ある発展」という一応の背骨を持ったパンダだった。小泉大神には何もない。


 本気で小池支持で動くのかどうかも疑わしい。大衆の面前でライオンのたてがみを振り乱し「小池百合子しか日本を救う人物はいない」とでも絶叫しないと、何のご利益もない。小泉カードの強さは大衆にアピールできる点にある。密室で衛藤征四郎あたりに「小池」などとささやいたところで、何の価値もない。事実かどうかさえ、疑おうと思えば疑える。


 小泉も街頭などで「小池」を絶叫することはないだろう。しょせん負け戦、自分が吼えても効果がなかったとなればカリスマが低下するのは目に見えている。スタイリストの小泉がそんな選択をするとは思えない。


 「五人とも小泉内閣の閣僚経験者です」。この小泉発言にすべてが凝縮されている。口では色々言っているが、基本的に小泉内閣の後継だ、という意味である。これでは総裁選が盛り上がらないわけだ。


 毎日や日経の電子版によれば、小泉の「小池支持」発言に自民党有力者が敏感に反応しているという。これも額面どおりには受け取れない。党内対立や派閥の軋轢を煽りたて、燃えない総裁選に火をつけようという意図が見え隠れするからだ。まあ、ニュースになればいいということだ。

《毎日電子版》
 中川秀直元幹事長=「小泉元首相から強力なメッセージをいただいた」
 小池選対の会議 =中川「さすが小泉さんだと改めて尊敬の念を深くした
 小池氏(記者団に)=「とても心強い」
 森喜朗元首相   =「知らん。(支持)するならすればいいじゃないか」
 
《日経電子版》
 町村信孝官房長官 =「公の前で話したわけじゃない。真偽のほどは分から
            ない」
 (石破茂陣営)  =「うちは小泉チルドレンの支持者が少ない」
 (石原伸晃陣営) =「大勢に影響ない」
 (与謝野馨陣営) =「支持層がかぶらない」
 
 小泉発言の裏側に、総選挙後の政界再編を嗅ぎ取る向きもあるが、どうだろう。それほどまじめな男には見えない。面白半分に再編劇場の舞台監督としてしゃしゃり出ることはあるかもしれないが…。メディアが小泉人気にすがっている罪も大きい。
コメント (1)
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