堕ちた天使 さんより転載です。
元・韓国軍対北情報研究員 週プレNEWS 2月13日(月)
三男・正恩体制となった北朝鮮。韓国との国境線では緊張状態が依然続いているが、日本ではそうした緊張感は全くといっていいほどない。だが、2009年まで韓国軍で対北朝鮮の情報研究員を約30年務めた後、作家に転じたイ・ヨン氏は、今後、北朝鮮が“日本に対して” 軍事行動に出る可能性が高いと語る。ヨン氏に聞いた。
――日本では、危機感のかけらもありません。
「それはマズいですね。今、北朝鮮は“要注意”の状態にあります。具体的にいうと、4月15日は本気で気をつけたほうがいい」
――もうすぐじゃないですか?
「この日は、金日成の生誕百周年記念日にあたるんですが、北朝鮮がなんらかのアクションを起こす可能性が非常に高いんです。ここ10年の話ですが、北朝鮮は2012年を『強盛大国』の年と位置づけてきました。“国民を腹いっぱい食わせられる、強国になる”などと国民に説き、盛大に盛り上げる準備を進めてきた。もちろん金正日が死去したからといって、方針を変えるようなことはしない。金正恩の威厳を見せつけるチャンスとばかり、軍事挑発に打って出る可能性は十分にある」
――それが3代目の“初仕事”であり、用意されたシナリオだと。
「キーパーソンは、金正日の義理の弟で、金正恩の後見人でもある張成澤(チャン・ソンテク)でしょう。国防委員会副委員長の張は、軍部を掌握していますから。それで、軍事挑発の標的なんですが、同民族の韓国ではなく……日本になるのです」
韓国軍も“参考書”として3万部を買い上げたイ・ヨン氏の小説『金正恩統一戦争』では、金正恩が日本に戦争を仕掛け、韓国やアメリカなどの国際社会に揺さぶりをかけていくという物語が展開する。これが実現してしまうというのか?
「すべて起こり得る話です。内容が限りなくリアルに近いため、社会的なインパクトの大きさに鑑(かんが)み、小説の形をとったまでです」
――いくらリアリティがあるにしても、北朝鮮が攻めるのは韓国では? 日本じゃないでしょう?
「いや、間違いなく日本です。小説では、日本への侵攻を理由に同盟国アメリカが参戦するストーリーを展開した。北朝鮮の真の目的は、アメリカを直接交渉の場に引きずり出すことです。6ヵ国交渉ではない。そして、自国の体制保障を勝ち取ることにある。次のステップが南北統一です。小説では核のカードをチラつかせながら、直接交渉にたどり着くまでの北朝鮮のしたたかさを描きました」
――開戦のキッカケのひとつに、張成澤の暗殺が描かれていますが……。
「正恩の後見人でもある張の身に何かが起きた場合、パワーバランスが崩れる。軍部が新体制を敷くと、もともと影響力もなく、後ろ盾も失った正恩は威厳を見せつけねばならず、日本への攻撃に打って出る。小説ではそう描いた。4月15日までに張の身に何かが起きることは考えにくいが、正恩が早い段階で威厳を示す必要があるのに変わりはない。開戦はなくとも、挑発行動は十分あり得ます」
(取材/吉崎エイジーニョ)
元・韓国軍対北情報研究員 週プレNEWS 2月13日(月)
三男・正恩体制となった北朝鮮。韓国との国境線では緊張状態が依然続いているが、日本ではそうした緊張感は全くといっていいほどない。だが、2009年まで韓国軍で対北朝鮮の情報研究員を約30年務めた後、作家に転じたイ・ヨン氏は、今後、北朝鮮が“日本に対して” 軍事行動に出る可能性が高いと語る。ヨン氏に聞いた。
――日本では、危機感のかけらもありません。
「それはマズいですね。今、北朝鮮は“要注意”の状態にあります。具体的にいうと、4月15日は本気で気をつけたほうがいい」
――もうすぐじゃないですか?
「この日は、金日成の生誕百周年記念日にあたるんですが、北朝鮮がなんらかのアクションを起こす可能性が非常に高いんです。ここ10年の話ですが、北朝鮮は2012年を『強盛大国』の年と位置づけてきました。“国民を腹いっぱい食わせられる、強国になる”などと国民に説き、盛大に盛り上げる準備を進めてきた。もちろん金正日が死去したからといって、方針を変えるようなことはしない。金正恩の威厳を見せつけるチャンスとばかり、軍事挑発に打って出る可能性は十分にある」
――それが3代目の“初仕事”であり、用意されたシナリオだと。
「キーパーソンは、金正日の義理の弟で、金正恩の後見人でもある張成澤(チャン・ソンテク)でしょう。国防委員会副委員長の張は、軍部を掌握していますから。それで、軍事挑発の標的なんですが、同民族の韓国ではなく……日本になるのです」
韓国軍も“参考書”として3万部を買い上げたイ・ヨン氏の小説『金正恩統一戦争』では、金正恩が日本に戦争を仕掛け、韓国やアメリカなどの国際社会に揺さぶりをかけていくという物語が展開する。これが実現してしまうというのか?
「すべて起こり得る話です。内容が限りなくリアルに近いため、社会的なインパクトの大きさに鑑(かんが)み、小説の形をとったまでです」
――いくらリアリティがあるにしても、北朝鮮が攻めるのは韓国では? 日本じゃないでしょう?
「いや、間違いなく日本です。小説では、日本への侵攻を理由に同盟国アメリカが参戦するストーリーを展開した。北朝鮮の真の目的は、アメリカを直接交渉の場に引きずり出すことです。6ヵ国交渉ではない。そして、自国の体制保障を勝ち取ることにある。次のステップが南北統一です。小説では核のカードをチラつかせながら、直接交渉にたどり着くまでの北朝鮮のしたたかさを描きました」
――開戦のキッカケのひとつに、張成澤の暗殺が描かれていますが……。
「正恩の後見人でもある張の身に何かが起きた場合、パワーバランスが崩れる。軍部が新体制を敷くと、もともと影響力もなく、後ろ盾も失った正恩は威厳を見せつけねばならず、日本への攻撃に打って出る。小説ではそう描いた。4月15日までに張の身に何かが起きることは考えにくいが、正恩が早い段階で威厳を示す必要があるのに変わりはない。開戦はなくとも、挑発行動は十分あり得ます」
(取材/吉崎エイジーニョ)