東シナからガスも石油も出ないという!!
長谷川慶太朗氏の報告
おゆみ野四季の道 新さん転載、させていただいた記事です
(26.2.10)
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-1cf9.html
昨日(8日)の大雪には本当に驚いた。45年ぶりの大雪で千葉の積雪は
33cmと発表されていたが、私の住んでいるおゆみ野はもう少し深く、
特に吹き溜まりなどは50cmを越えていた。
朝はどこの家庭も雪かき一触になって、私も前の道路の雪かきをしたが、
午前中いっぱいかかってしまった。腰の痛さは尋常でなく
私は雪国の住民だったら生きていけないだろう。
昨日は一日中雪が降っていたので、テレビを見たり本を読んでいたのだが、
長谷川慶太朗氏の「破綻する中国、繁栄する日本」(14年2月発行)という
本の一節に非常に興味深い記載があった。
東シナ海の油田開発問題に関する記載で、ここで中国は一方的に油田開発の試掘を
行っており試掘用パイプからフレアガスの炎を見ることができるが、
この試掘は大失敗だという。
当初この地域には商業化可能な量の石油と天然ガスが埋蔵されていると
思われていたが、実際はそうした量はなく試掘に参加を表明していた
ロイアル・ダッチ・シェルもエクソン・モービルも手を引いてしまい、
日本の帝国石油開発もこの地域での試掘はしないという。
「駄目だ、とても採算にあわない。
こんな場所の試掘をするのは金をどぶに捨てるようなのだ」ということらしい。
長谷川慶太朗氏によればもしこの天然ガスなり石油なりを中国本土に
運ぶためには400㎞の海底パイプラインの敷設が必要になるが、中国には
そうした技術はなく、もし敷設したとしても産出される天然ガスも石油も
ほとんど存在しないのだという。
「だから仕方なしにフレアガスを燃やして採掘するふりをしているのです」
何とも不思議な気がする。
東シナ海の海底油田とは日本と中国の排他的経済水域をめぐる開発権の争い
だが、日本が従来の日中中間線を互いの排他的経済水域としているのに対し、
中国は大陸棚が及ぶ範囲として対立している。
中国の主張を認めると東シナ海全域がほぼ中国の排他的経済水域
(沖縄の近海の南海トラフまで大陸棚がせり出している)になるため
日本側としては到底認められないが、中国は実力でこの地域を中国の海にしよう
としているようだ。
注)地図での確認は以下参照
現在試掘が行われている油田は日中中間線の中国側の海域で行われているが、
日本は油田の層が日本側の海底にも広がっている可能性があるため、日中で
共同で開発すべきだと主張してきた。
だが、実際は天然ガスも石油もほとんど採掘ができないとなると
この試掘用パイプの役割は全く違ったものになりそうだ。
長谷川慶太朗氏によると共産党中央と人民解放軍との間には緊張関係があり、
党中央の意向を無視して解放軍が権益の確保に走っているという。
この海域は南京軍区の東海艦隊が仕切っている場所で、党中央が日本との
共同開発の意向だったのを軍が無理やりに単独開発に突き進んだのだという
(当時は胡錦濤の時代)。
そしてこの試掘用パイプを東海艦隊の駆逐艦が守っているのだが、軍の意図は
石油や天然ガスが産出されようがされまいが試掘用パイプを建設することで、
そこが中国の海であることを日本に認めさせるのが目的だという。
注)油田は6つありうち2つは日中中間線の日本側に存在する。
ここに試掘用パイプの建設ができれば中国は実質的に南海トラフまでを
中国の海にすることができる。
なお東海艦隊の実力については以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/22429.html
軍が勝手に動いて領土拡大に走るところはかつての関東軍にそっくりだが、
中国は党中央が軍を抑えられずに軍の言うがままに動かされているのが
現実だという。
軍にとっては東シナ海を中国の海にすることが戦略的に重要で、経済的利益は
二の次になり、石油が出ようが出まいがそんなことはどうでもいい。
最近になり東シナ海の石油試掘問題があまり話題にならないことが
私には不思議だったが、試掘そのものは失敗していたからだと知った。
それでも軍がこの地域でフレアガスを燃やし続けているのは尖閣諸島の
領有権問題と同じで「ここが我が国の領土だ」と主張するためだ。
人民解放軍と共産党との確執はちょうど日本の戦前のパターンと同じで、
先軍政治では軍の単独行動を結果的に北京政府がすべて承認していくことになる。
現在の中国は戦前の日本とそっくりであり、その行動パターンは
帝国主義的侵略そのものだから、日本軍国主義を研究すれば現在の中国の動きは
いたって簡単に分析できる。