光回線の工事のあった金曜の午前中に、ちょっとした出来事がありました。
インターフォンが鳴って郵便局の配達の人が車から重そうな段ボール箱を抱えてきたのですが、そういった荷物の届く予定は特になく。
「重いですか?」と声をかけると「いや、そうでも」と応えつつ玄関の上がり框にその箱を置きながら「キャベツと玉ねぎみたいですよ」という返事があったので
もしかしたら婿さんのご実家からかな、と思いつつ差出人を見ると、あら。
同級生のS子の名前がそこにありました。
卒業してからはほとんど会っていなくて年賀状のやり取りだけになっていたのですが、そのS子からの去年の年賀状に「筆を折ることをお許しください」云々と
あって、電話番号が書いてあったのでした。要するに今後はよかったら電話して、みたいな感じ。
と、言われましても。
いくら学生時代は友達付き合いをしていても、ずっと会ってもいなければ電話もしていない状態でいきなり電話して、会話が成立するだろうか?と私は思って
電話をすることもなく一年が過ぎまた年賀状を出す季節が巡ってきて、私は彼女から来なくてもこっちからは出すからね、と書き添えて年賀状を出しました。
もちろんS子からの年賀状は来なかったのだけれど、かといって何の前触れもなくいきなり荷物、それも野菜なの!?と少々唖然。
箱を開けると中には春キャベツが3つに新玉ねぎが・・・数え忘れましたがたくさん、それにスナップエンドウ一袋。こういう荷物に手紙を入れるのはNG
だからか、メモのようなものも入っていなくて野菜のみ。
見ると結構な金額の切手が貼られていました。そりゃあこの重さだもんね。
40年近く会話を交わしていないS子と、スムーズに話が出来るのだろうか・・・とやや気になりつつも電話してみました。
すると、こっちの心配?などどこ吹く風、まあしゃべることしゃべること!五分五分での会話ではなく、相手8、私2くらいの割でしたが、すっかり田舎の
おばちゃんになった感じがしましたね。
相手がそんなだったので、話す前までは少々構えていましたが特に問題なく20分ほどおしゃべりをしました。
コロナ禍で会うこともままならないわけですが、機会があったら会おう、という気持ちにまではならなかった私。S子はどうだったのかな。
私は当時の同級生との付き合いは全くと言っていいほどありません。学生時代が楽しかった、と感じていないからかもしれません。
なんて寂しい青春と思われる人もいるかもしれませんけど、それを寂しいとも思わない。要するに、今が一番主義なので。
まあでも、電話でのおしゃべりくらいならまたしてもいいかな、と今はそう思います。どうやら彼女も私同様、老義父母と同居していろいろ苦労したみたいだし。
荷物に貼った高額な切手も、舅さんがため込んでいた古いはがきを切手と交換したものだそうで、彼女の懐は痛んでいないんだとか。うちにもあったなぁ。
義母が使わないままのはがきなどがごっそり。官製はがきは切手を足して懸賞に使ったし、切手を貼るタイプのはがき箋は仕事のお礼状に使って、ようやく
なくなったところです。
私同様、S子のところも老人ホームに入居して、いろいろ片づけているところらしい。年賀状には書ききれないそういうことがお互いにわかったのはよかったと
思えます。
そうそう、届いた野菜ですが、全部我が家で消費するのはさすがにしんどいので、すぐに相方の友人などにおすそ分けしました。よく義母は、「仕事は大勢で、
うまいものはひとりで」とか言っていましたけど、ふたり暮らしでは消費しきれないのが歴然な量のいただきものは、おいしいうちにみんなで食べるのが最善と
いうもの。おすそ分け出来る間柄のひとが近くにいる土地柄ってやっぱりいいなと思う私も、田舎のおばちゃんみたいなものですね。