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毎週金曜日の夜、とても楽しみにしていた「雲霧仁左衛門3」が完となり、気が抜けたような状態に陥っている。
主人公の雲霧仁左衛門は、これまで様々なベテランの役者さんたちが演じているが、NHKと松竹がタイアップした中井貴一さんの主演作が最高だった。
それ故にシーズン3にはいたく感銘していた。
藤堂家との確執とは・・・。
元藤堂家家臣の仁左衛門の過去は、「雲霧仁左衛門」のシーズン1と2ですべてが描かれている。
今回のシーズン3は、原作にはない新たに脚本化された物語。
あくまでも池波正太郎先生が描かれたものを、壊さないよう制作されている。
雲霧一党の小頭・木鼠の吉五郎(伊武雅刀)や配下の因果小僧六之助(柄本佑)が、シーズン2で火付盗賊改方との攻防で亡くなっている。
そこで、新たに小頭として、三坪の伝次郎(近藤芳正)と大工小僧七松(大東駿介)が加入して、物語に深みを与えていた。
また、藤堂家の江戸家老・磯部主膳(春風亭小朝)を敵役にして、火付盗賊改方長官・安倍式部(國村準)と盗賊の雲霧仁左衛門(中井貴一)の三つ巴。
取り分け、双方が敵対勢力ながら、その安倍式部(國村準)と雲霧仁左衛門(中井貴一)の心に相通ずるものがあるよう描かれていた。
このあたりが・・・池波ワールドを彷彿させていた。
いずれにしても、本格的時代劇づくりの一遍として、見ごたえタップリのドラマで映画の世界でもあった。
そのためか、24日(金)の最終回、26日(日)の再放送を見終えると一抹の寂しさを覚えた。
NHKが松竹とタイアップしながら、時代劇の灯火を消さないよう制作している本格派の時代劇。
次回作以降のどこかで、池波小説「さむらい劇場」を是非にも制作してほしい。
この小説には、日本左衛門という盗賊も登場する。
時は八代将軍吉宗の頃。
主人公は、妾腹の旗本の三男・榎平八郎という士(さむらい)である。
大きな苦悩を抱えながら、様々な人々と関わって成長する士(さむらい)。
闇の世界とも関わっていく・・・。
とても、読み応えのある長編小説だった。
「男というものは、それぞれの身分と暮しに応じ、物を食べ、眠り、かぐわしくもやわらかな女体を抱き・・・・こうしたことが、とどこおりなく享受できうれば、それでよい。いかにあがいてみても人は・・・・つまるところ男の一生は、それ以上のものではない。人にとって、まこと大切なるは天下の大事ではのうて、わが家の小事なのじゃ」
と、平八郎に死の間際で諭す良栄和尚のこの言葉が印象に残っている。
とても面白い一遍。
若手俳優の福士誠治さんを主演に制作されると・・・嬉しい。(夫)

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