29日(日)、不評をかっているNHK大河ドラマ「平清盛」の第二部最終章が放送された・・・当方、リアリズムを画面一杯に追及している今回の大河、好きなんだけど。黒沢映画風なところもあるから、画面が汚いとかさほど思っていない。
その第30回「平家納経」では、清盛が平氏の繁栄と保元・平治の乱で幾多の尊い命を失ったことへの鎮魂を込めた写経を一門で作り上げ、かの有名な厳島神社に納めることとした。この平家納経は900年の時を経た今でも大切に納められているとのこと・・・国宝。
京の都から遠く離れた厳島神社に向かう平氏一門。その船上では突然の暴風雨によって今にも転覆しそうな中、海の男たちの飛び切りの操舵技術により、その困難を乗り越えて無事に厳島神社に船を寄せることができた。
この間の突然の嵐こそは、保元の乱で敗れ讃岐の国に配流となっている崇徳上皇の怨念によるものだったのか・・・同行の西行法師も船上で懸命に経を唱えて、暴風雨が静まるよう祈願している。
ところで、京の都から遠い讃岐の地において、失意の日々を送っている崇徳上皇。保元の乱における失政を悔いながら、写経に精出していた。出来上がった写経を弟・後白河上皇に送るも、汚れた状態で突き返されてしまう。さらに悪いことが重なり、息子・重仁親王死去の知らせが届いた。
これまでの不運な人生を顧みながら、失意の中にあった崇徳上皇は、最後の望みであった息子の死などにより、怒りと恨みが脳裏を駆け巡り呪いの言葉を延々と唱える。すると、見る見るうちに怨念の塊と化し、形相は一変し世にも恐ろしい風体になっていった。
TV画面を通しても、その悍ましい姿と顔が正に平安時代の妖怪の如く変り果てるから、物凄い迫力であった。この役を演じているARATA(あらた)改め「井浦新さん」ならではの迫真の演技である。
常に一風変わった役どころを演じている“新”さんであるが、ふっと一抹の寂しさをその表情に観ることができる今回の役どころ・・・いいね。
「鳥羽天皇と中宮・藤原璋子(待賢門院)の第一皇子として生まれるが、父には疎んぜられた。『古事談』には、崇徳天皇は白河法皇と璋子が密通して生まれた子であり、鳥羽は崇徳を『叔父子』と呼んで忌み嫌っていたという逸話が記されている」とのこと。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
このため、幼少期からの不遇もあってか、暗い生き様であったのかも・・・。であるから、この崇徳上皇役に抜擢された“新”さんは最高のキャストであった。
怨霊と化した崇徳上皇、その命運も尽きようとしていたが、最後の命のともし火が消えゆく頃には穏やかな人間の顔になっていた。何とも生霊ともいえる凄いカット、カットの連続であり、大河ドラマとしてはこれまでにない映像。
夏の寝苦しい夜、ちょっと気分も涼しくなってくる映像美であったと思う。
遠く時代も移り変わった現代、遥か昔の物語であるが、崇徳上皇の怨霊説は生き続けているとか・・・。そのことは別として、大河ドラマ「平清盛」も伊豆に流されていた源頼朝、その成長した姿なども見られる第三部が次週からスタートらしい。
驕れるもの久しからずや・・・平氏一門の栄華盛衰が垣間見られるようになる。(夫)

(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』・・・讃岐に配流の崇徳上皇)
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その第30回「平家納経」では、清盛が平氏の繁栄と保元・平治の乱で幾多の尊い命を失ったことへの鎮魂を込めた写経を一門で作り上げ、かの有名な厳島神社に納めることとした。この平家納経は900年の時を経た今でも大切に納められているとのこと・・・国宝。

京の都から遠く離れた厳島神社に向かう平氏一門。その船上では突然の暴風雨によって今にも転覆しそうな中、海の男たちの飛び切りの操舵技術により、その困難を乗り越えて無事に厳島神社に船を寄せることができた。
この間の突然の嵐こそは、保元の乱で敗れ讃岐の国に配流となっている崇徳上皇の怨念によるものだったのか・・・同行の西行法師も船上で懸命に経を唱えて、暴風雨が静まるよう祈願している。

ところで、京の都から遠い讃岐の地において、失意の日々を送っている崇徳上皇。保元の乱における失政を悔いながら、写経に精出していた。出来上がった写経を弟・後白河上皇に送るも、汚れた状態で突き返されてしまう。さらに悪いことが重なり、息子・重仁親王死去の知らせが届いた。
これまでの不運な人生を顧みながら、失意の中にあった崇徳上皇は、最後の望みであった息子の死などにより、怒りと恨みが脳裏を駆け巡り呪いの言葉を延々と唱える。すると、見る見るうちに怨念の塊と化し、形相は一変し世にも恐ろしい風体になっていった。

TV画面を通しても、その悍ましい姿と顔が正に平安時代の妖怪の如く変り果てるから、物凄い迫力であった。この役を演じているARATA(あらた)改め「井浦新さん」ならではの迫真の演技である。
常に一風変わった役どころを演じている“新”さんであるが、ふっと一抹の寂しさをその表情に観ることができる今回の役どころ・・・いいね。
「鳥羽天皇と中宮・藤原璋子(待賢門院)の第一皇子として生まれるが、父には疎んぜられた。『古事談』には、崇徳天皇は白河法皇と璋子が密通して生まれた子であり、鳥羽は崇徳を『叔父子』と呼んで忌み嫌っていたという逸話が記されている」とのこと。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
このため、幼少期からの不遇もあってか、暗い生き様であったのかも・・・。であるから、この崇徳上皇役に抜擢された“新”さんは最高のキャストであった。

怨霊と化した崇徳上皇、その命運も尽きようとしていたが、最後の命のともし火が消えゆく頃には穏やかな人間の顔になっていた。何とも生霊ともいえる凄いカット、カットの連続であり、大河ドラマとしてはこれまでにない映像。
夏の寝苦しい夜、ちょっと気分も涼しくなってくる映像美であったと思う。
遠く時代も移り変わった現代、遥か昔の物語であるが、崇徳上皇の怨霊説は生き続けているとか・・・。そのことは別として、大河ドラマ「平清盛」も伊豆に流されていた源頼朝、その成長した姿なども見られる第三部が次週からスタートらしい。

驕れるもの久しからずや・・・平氏一門の栄華盛衰が垣間見られるようになる。(夫)

(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』・・・讃岐に配流の崇徳上皇)

