坂野民枝・インテリアコーディネーターの目線:    心地よい空間作りのヒント探し:四方山話

  

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H27.7 映画『だれも知らない建築の話』

2015-07-11 | 映画
名古屋では初めて行く映画館・・・ビルのワンフロアーを改造し、上映できるようにした所。
まだまだ知らないところがあります。

建築に対する、ヨーロッパや、アメリカとの認識の違いを 知らされます。



理屈や理論は別として、 ちょっと違う見方。
インタビューを受けている時、東西関わりなく・・・物事を表現することを業としている人は、
しゃべりながら、実に手が良く動く。

映像を見ている途中でこのことに気づき、それぞれの建築家の椅子の座り方が気になりました。

磯崎新氏・・・チャールズ・イームズのラウンジチェアに背筋を上げて座って、とても、ダンディ。
       この椅子にこれほどさりげなく座って 似合う方は 初めてです。
       後ろに小上がりの畳敷きがあり、茶の湯の釜があり、隅には倉俣史郎さんの照明があります。

伊東豊雄氏・・・テーブルはグレー系?メタル? 几帳面さを感じる座り方です。
        後ろの棚には、受賞された時の置物でしょうか、色々ならんでいます。

安藤忠雄氏・・・会議室?装飾的な物が全く見えません。
        身を乗り出してお話されているので、椅子も全く見えません。
        何事にも積極的な姿勢を感じます。 
        最近の新国立のニュース、積極性が裏目になることも・・・むつかしいですね。

チャールズ・ジェンクス・・・木製の艶有のアールデコ調の丸テーブルと椅子です。背のデザインがきれい。
        全体が見たい・・・

6名だけでなく、[A+U]や [GA]の出版の方達まで この映像の場に上げた 監督さんのお話も聞きたかった。



コルビジェも、FLライトも自分の建築に合わせて 家具もデザインした・・・
       
カッシーナから届いた コルビジェの復刻の案内です。

建築家と家具がちょっと 気になりました。



H27.6 姫路城

2015-07-05 | Weblog
ノイシュバンシュタイン城に行ったとき、同じツアーの方たちが姫路城を話題にされていました。
今春、平成の大修理が終わって、かなりの人、待ち時間まで話題になっていました。


白鷺城、美しいものは一度は見ておきたい・・・行ってきました。


〈何故白く見える?〉 私なりに理解しました。

瓦の周りは漆喰ですが、グレーは、グレー。


けれど、城内から向かいの瓦を見ると、太陽光の当たっているところは、
瓦が丸いので谷まで、乱反射で白く見えます。


これほど美しい、軒天は初めて見ました。


住宅でも軒天の白は良くありますが、真下から見るので影になり、白っぽくは見えません。
お城は 何重にも庇があり、遠目に見るので、綺麗にホワイトです。
白すぎると、批判の意見もあるのは、この軒天が原因かもしれません。

城内に展示されている、、木造の骨組みの模型がありました。
梁や柱を見れば、木造はわかりますが、同じ列にいたヨーロッパ圏の方は、
説明を聞いて驚かれていました。
日本で暮らす身は、スケールに感心することはあっても驚きとは違う・・・
ノイシュバンシュタインやベルサイユの石造に、私たちが驚くのと同じ・・・


模型を見ていると、たとえ資金はあったとしても、木材の長さ、大きさ あらためて新築はとても・・・
名古屋城の天守閣を木造で再建することが議論されていますが どうなるのでしょう・・・

地盤の補強、耐震補強、そしてここにも、現代の技術、、
お城の屋根に鯱(火災の時に水をもたらす)は不可欠ですが、
鯱の尻尾に よく見ると、避雷針が付いています。



城内の消火設備のボックスも木製です。
インテリア コーディネーターとしては、色が?・・・構造材と合わせてほしかった。


塀にある敵に備える開口部


並びを見ると、○・□・△ の繰り返し。遊び心が嬉しくなります。


また一つ、楽しいものを見つけました。


H27.6 竹田城跡・出石城跡

2015-07-05 | Weblog
姫路城へのツアーで、前後によりました。
[竹田城跡]


天空の城として有名で、よく目にするのは向かいの山からの写真。
これは、現地です。


麓には石がそのまま置かれています。戦国の時代、現調達できる土木建築資材。


それにしても、頂上まで上げて、端の石はどうやって組んだのか?足場は?
考えても・・・これ以上前に行けません。

カメラを下して、一歩だけ前に出たら、真下に住宅が広がっています。

雲海の時期ではありませんが、目を遠くに写すと 霞の手前に木々のグリンがきれいです。


地元のボランティアの方の解説では、生野銀山があるために重要なお城だったとのこと。
この山の上から、はるばる 関ヶ原まで出かけたとは 『ご苦労様でした』と、本丸で一言。
この日は、新名神を通ったので、関ヶ原は経由せず。日本がどんどん早くなります。

[出石城跡]

この景色、ローテンブルク (堀になった川の橋を渡ると城壁の中に教会)に似ている!

川を利用した堀、石垣が続き、橋を渡って 鳥居がある。その鳥居の途中台地が広がるところに本丸跡。


国は違っても、戦国の時代、それぞれの築城は、地形を利用するので発想が近いことを感じます。
宗教は違っても、人は何かに祈らずにはいられないのも、不安定な世が築かせた象徴です。

出石の街を歩いていたら見つけました。組子です。
欄間などで室内で見たことはありますが、屋外に目線の位置に立ててあります。

残念ながら 8分、往復16分が集合時間に足りず行けませんでした。

経年変化でも歪まない木を選ぶ目。
㎜より細かい細工をする技術。
狂いなく、はめ込む技術。
3Ⅾになろうと、工作機械が発展しようと、人の感性に勝るものはない・・・
日本のモノづくりの 極みの一つを見せていただきました。

触らないで、とも書いていない、この街の大らかさ いいです。