坂野民枝・インテリアコーディネーターの目線:    心地よい空間作りのヒント探し:四方山話

  

    インテリアのご相談は HP『 インテリアの教室 坂野民枝 』へ

有田・伊万里・唐津・・・2.伊万里

2016-06-28 | 美術館
伊万里駅:駅ビル2階に『伊万里・鍋島ギャラリー』があります。
360年前のものから展示があります。
ワンルームの展示室です。歴史順に展示され、わかりやすくなっています。
30分ぐらいですが見ごたえあります。
白い壁の展示室で蛍光灯の灯の元で見ますので、藍色も青磁も金襴も しっかり見えます。
淡い光の中の方が美しく見えるものですが、繊細な柄を見るには白い光は欲しいものです。

今は資料館になっている商館です。
ボランティアの方が説明してくださいました。

江戸時代 各地方各藩の方が陶器の買い付けに来ます。
来るといっても、注文を依頼し、作って焼いてなので、数か月逗留します。
主はこの方達が飽きないように、様々な芸事でもてなしたそうです。
様々な教養が必要だったとか・・・。


欄間も凝っています。

ビルトイン家具です。

ビルトインに興味を示した私に、ボランティアの方が、『開けてもいいですよ』
引出には使いこまれた段は取っ手の下の塗装の色が薄らいでいます。
開けやすい高さは、やはり日用品の場所ですね。
100年以上は経ているのに、狂わない引出。
たんすを作った人も、壁を作った人も技術力がすごい。
その一部、藩士なので刀を持ってきています。しまう引出、鍵付きです。


伊万里駅までの帰り道はゆっくり歩きながら 目で楽しみます。
ブロック塀:外部に磁器タイルは珍しいです。
微笑ましい水栓の花たち・・・濃紺部分は遠目に一瞬、柵のように見えます。


上部にはキャンドルを立てるタイプです。迫力あります。

壺に蓋と取っ手が付くと別物になりますね。

メインストリートの床には特産品などのさりげないお知らせ。
タイルの使い方・・・何かの折に参考にします。

唐津風の柄も使いようによっては洋風にも・・これいいかも・・
アイアンのデザインを思い出します。


伊万里からの直通バスで、博多のホテルへ。

このブログ[3:翌日の唐津行き]へ続きます。

―――――――――――――――――――――――――――*――――――――――――――――――――――――

一般の方を対象に『インテリアのレッスン』セミナーを
7~12月第3土曜日2-4時 全6回名古屋 栄で開催いたします。
インテリアに興味のある方がいらっしゃいましたら、是非ご参加ください。
詳細は   http://iclesson.com へ

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

有田・伊万里・唐津・・・1.有田

2016-06-26 | 美術館
1泊2日の一人旅,UPしようと思っていた頃・・・4月の地震災害で、控えることにしました。
観光地にも人が戻ることを望まれていることがありますので、UPします。

以前から一度行きたいと思っていた九州のやきものの街です。

中部圏もやきものの街で、瀬戸・美濃・常滑・四日市などの日々使う食器を手にしています。
食器メーカーもノリタケや鳴海があり、現在名古屋市内のそれぞれ、西区、緑区の工場跡地が偶然というか ハウジングセンタ―になっていて、セミナーなどでも行ったことがあり身近に感じます。

やはり 遠い地のものにはあこがれがあります。
かなりのスケジュールですが、一人なので急ぐも休むも勝手次第、たくさん見ます。

名古屋を7時-博多10時半、有田に12時半です。
佐賀県立 『九州陶磁文化館』

入口の取っ手部分が表と裏、扉の場所ごとに全部違うデザインです。


愛知県は陶器ですが、ここはやはり磁器です。
通路に見かけるスイッチプレートも磁器です。デザイン違いで並んでいます。

このデザインは、女性用トイレの中の手洗いボール,紙巻き器、便器、ゴミ入れまで柄が揃っています。
身障者用入口のスイッチプレートのデザインが違ったのでトイレの中を見てみました。一式おそろいです。
たぶん男性用もスイッチプレートが違うデザインなので揃っているのでしょう。

輸出されたものです。

フォルムに対する絵の配置、精巧さは『美しい』という意外に表現できないです。
ヨーロッパの人が、これを手にした時、日本をどんなふうに想像してもらえたのでしょうか。
聞いてみたいですね。
そして、この文化の元はお隣の国の方達から来たもの。
それぞれが尊敬できる文化を持っていることを理解し合えば 世の中もっとうまくいくと思いますが・・・
兎に角 圧巻です。
この文化館と駅の間、道路沿いに
古伊万里の複製です。
菊の花が上品なゴールドです。壺の裾の柄がヨーロッパの紋章風の描き方?
近代に造られたものとはいえ、しばらく見入っていました。

源右衛門窯・古伊万里資料館へ寄り、次に向かったのが酒井田柿右衛門窯です。

葉の色も色相の違うグリーンを使うと普通は 野暮ったくなるのですが、パープル系ブルーも葉に入れて、花が咲いている様子を立体的に見せています。黒い木板に賓の良い華やかさです。

母屋の改修工事 
工事現場で、法的な要件を満たす表示はいろいろ見ていますが、『木に墨で縦書き』を見る機会は経験していません。
歴史の重みを感じます。


タクシーで有田の観光案内所へ。
お雛様も作る人に依り表情が違います。

お二人の大きさから考えると1升瓶ぐらいの大きさかも?
なぜ両端に猫がいるのか?雪洞もアッパーライトの間接照明?

深川製磁外観

ステンドグラスで“漢字”は初めてです。

富士山のステンドの下に山型の3連、目隠しと採光を考えたデザインに感心。

2階の皇室納品も見せていただきました。撮影不可なので目に焼き付けて。

香蘭社
和風の門をくぐるとすぐに洋館です。
アンティークのインテリアショップのようです。

こちらは現在展示室になっています。天井は格天井の板張り、重厚感があります。

2階の 商談用の応接間。
天井の中央のモールディングが、花のようですがよく見るとアカンサスの葉の木彫りです。
大工さん作品でしょうか、工芸品のようです。

階段側面の手すりの下側は香蘭社のロゴマークの透かし彫りです。
以前、来客用のお湯のみが香蘭社のものでしたので、このロゴマークはなじみがあります。
この手摺子が出来た頃は、”ロゴマーク”とはまだ言わなかったかも?


もう少しゆっくりしていたかったけれど、JRの時間で、伊万里へ。

このブログ [2]伊万里 [3]唐津 と続きます。

水墨画 「時の流れ」展 流水紋作家 重富豪さん

2016-06-23 | アート
『時の流れ:こころよ ここに来ないか?ここは真実の時が流れている』


水墨画・・・確かに水と墨です。
描かれているものは見る人に依って形あるものに見えます。
展示の掛け軸、滝であろうものであったり、焚火の炎のようであったり、連想する作品もあります。留まることのない移ろうものの表現です。

手元の縮小された はがきの大きさでも迫力あります。

この絵を見て・・・
人の目は知っているものに何とか当てはめようとする理解力があります。
私はこの絵を見たとき、漫画ポパイに出てくる、ブルートを連想しました。
(ブルートって、いったいどのくらい前に見た?と思うぐらい自分の奥から急に出てくる記憶です)
すれ違った後にこの絵を見た人が『何か怖いわね。』聞こえました。
怒っている・威嚇している・脅している と思うと、怖いですね。
私の目にはブルート:怖いという感覚はなく、何かを誇大強調しようとしているユーモラスなものも感じます。
人の怒りに同調しないようにと心がけるのは、もしかして 幼少期にポパイから学んだからかしら?

画廊では前に立つと見降ろされる目線の先に自分がいます。
墨と水で 凄い表現力です。




ある人は近くから、別の人は少し距離を持って、作品を見ている人がそれぞれ何かを感じ取っていいる様子
  ―――― を 見るのも好きです。

アートを楽しんでください。