坂野民枝・インテリアコーディネーターの目線:    心地よい空間作りのヒント探し:四方山話

  

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【横山美術館:セト・ノベルティ展・・・どう飾る?】

2018-12-08 | アート
横山美術館は
プロトコーポレーションの現会長が
20年かけて収集された『海外流出の
日本の陶磁器をコレクション』を
公開されたものです。




自転車屋さんに行く途中で・・・寄る、
の予定が、常設展示だけで500点ぐらい。
まず、圧倒されます。



個人的にはアールヌーボーの影響を
受けた作品がきれいに思います。




先週、企画展の終了間際、間に合いました。

『セト・ノベルティ』
海外の会社の依頼で、
瀬戸で造られた作品、250点ぐらい。
明治から最近では『アナ雪』まで!

で、少し視点を変えてみると、
たとえば、この壺なら・・・



暖炉の上の石に飾ったら?
石の種類は黒系で、御影か大理石

 
どちらが合うかしら・・


などと考えながら見ています。

インテリアの仕事ではお持ちの
コレクションを活かす工夫も
重要な仕事です。

これまでの自分の経験のない物も
飾り方の相性を考えるのに
ここは作品の数が多く参考に
なります。

コレクションではなくても、
時には『持っているけれど、
好みではないもの(多くは戴き物)』
を飾る必要があって、悩まれる方も
あります。

あなたの身近にも飾り方に
悩むものはありますか?

『これ、どうしよう』が、ありましたら
ご相談に載れます!




[掛け軸]講習会・・・日本の美意識

2017-11-26 | アート
表千家主催の講習会です。

普段は近くで見られない家元の掛け軸、写真OKです。



右下をUPです。やはり綺麗です。



茶室や茶会では、『掛け軸の拝見』という作法があります。

和室のあるお住まいの方からは、リフォーム後の掛け軸の扱いを相談されることもあります。
多少の知識はありますが、ルールがあるのかないのか 曖昧な部分もありますので、
勉強のつもりで参加しました。

真・行・草の中に、さらに 真行草(草に真は無い)があるので、8分類に分かれます。

真は 仏画です。
右から[真の真][真の行][真の草]
仏画の周りの裂地の幅が変わります。



室礼・インテリアとしての床の間との関係
質問させていただきました。

床の間の大きさと、掛け軸の大きさに比例関係は無いという事です。

表装の配色は 床の間ではなく、書の文字や画の色彩や画題などに合わせる。
幾つか組んだところに合わせます。


こちらは左から[行の真][行の行][行の草]



表装する物、用途で、裂地合わせは、
表具屋さんに相談するのがやはり一番ですね。

本来 和紙は、剥がすごとができるので、表装し直すことができるものです。
和紙の製作は何層にもなっているので、1枚の紙に書かれたものを剥がして、複数作ることができます。
裏表に墨で書かれたものも、剥がす・・・気が遠くなりそうです。

実演を見せていただきました。
刷毛の種類だけでも・・・『プロの道具』を感じます。














墨で書かれた物は波を打っていますが、この作業で真っ直ぐになります。
摺りたての墨で書かれたものは 滲まないそうです。

シミになったものもきれいにすることも!



最近 よくある安価なものは印刷なので、作り直すことはできません。
お安いものは、それなりに・・・ですね。


『季節や題材で、掛けかえて楽しむ』

本来の  日本人が 楽しんでいた 日本のインテリアです。




神戸アートマルシェ 2017

2017-10-03 | アート
神戸メリケンパークオリエンタルホテルで 開催されました。


ホテルのアートフェアは客室を使います。

額装は 壁面のリアル感があります。
ナイトテーブル、デスクには 置物のサイズ感がわかります。

ほとんどが 撮影OKです。

作家さんの作品の想いを直接 伺うことで 親近感がわきます。

Rayka さんの ピンクと、シルバー&・・・の色遣いに魅せられました!






カッコいい から かわいい まで 複数の画廊、作品が見られるのは 
インテリア コーディネーター としては 嬉しいです。








ワンフロア全体が ギャラリーです!

ささった 作品のうちの一例です!




大エルミタージュ美術館展

2017-08-11 | アート
現在名古屋で開催中-9/18まで。10/4からは神戸です。
解説が又吉直樹さん、優しい語り口です。
森美術館の様子をTVで見ていたけれど、
県美は天井高が高いので、迫力が出ます。



入ってすぐに エカテリーナ2世に謁見です。
床30㎝から始まる額、見上げます。


フランス王家のユリの紋章は有名ですが、
ロマノフ王朝の紋章が双頭の鷲!
ドレスに刺繍!
肖像画も凄いけれど
本物はさぞや すごい迫力でしょう。
ドイツの一貴族の出身。
結婚を期にロシア語を覚え
ロシアの領土拡大するまでに!

・・・少しはパワーを吸収するつもりで 1枚!
写している人は、たぶん同じ思いかと・・・

実際に見てみないと 絵の大きさと 強さはわからない。
これが、美術館に来たくなる所以です。

パンフレットになっている、『盗まれた接吻』
このパネルは拡大されているけれど、
実際の絵は、それほど大きくはない。
ちょっとしたリビングの壁面に飾れるぐらいの大きさです。


少女から女性になる ちょっと焦った表情が 何とも言えない


*金曜日は撮影OKです。動画は×
見ている人は写せないので、撮影している人は少なかったです。
入口のエカテリーナ二世は、皆さん譲り合って写しています。
私もです(*^^*)



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挟土秀平さん講演会

2017-05-05 | アート
左官職人のはさどさん、一度はお話が聞きたいと思い、4月に叶いました。


何をしている人?と、思われる方も


テレビで見るとサイズ感がありませんが、土壁を造りコテで字を製作。
お話されていても これらして、物を作るエネルギーが、半端ない。


本来壁を作る仕事。アートとも、芸術ともいえる領域です。


5年前、高山の家具メーカー、飛騨産業を訪ねたとき、左官の壁とはお聞きしましたが、挟土さんの製作と知らず、今回知りました。
記憶がはっきりあります。その時写したものです。


5

それだけ印象的な壁ですね。

円空から造ることの力強さを学ばれたとのお話、真田丸の題字を頭に浮かべながらなるほどと思っています。

銀座和光のディスプレイの壁面、ペニンシュラ東京、他、見たいものがふえていきます。

左官仕上げの壁からエネルギーを吸い込みたい。



サンタさん一式:レゴブロック

2016-12-25 | アート
名古屋の金山で、乗り換えた時 かわるがわる写真を撮っている人達。
サンタさんね。と思いながら近づいたら レゴ。

トナカイもサンタさんも綱もソリもプレゼントも全部レゴ しかも 屋外!

トナカイの表情が可愛すぎて、撫でたくなります。
近くで見ると ブロックのゴツゴツ感があります。


2017年4月に名古屋にレゴランドがオープン。

サンタさんは12/25以降どこに行くのでしょうか?

設計図は 3Dで作れると想像しますが、組み立て作業は?
全部、手で組み合わせたのでしょうか。その説明は見当たりません。

こちらはアスナルの室内 

色が目立たないと 人の目に触れにくい実証のようです。
ドアを入ってすぐの左側、台の高さも低いので 死角になっています。

2016 あいちトリエンナーレ 復習

2016-10-25 | アート

作品を見ることとは別に 視点を変えて・・・最終日もう一度。

今回、私が刺さった作品
①雑多なインテリアとも仕掛けとも言えない中で見つけた物

近づいたら!
セミナーを開催した時、このフレーズ、時々聞いています。普遍的なテーマ?


②床材の考察
・グリーンの樹脂・木質系・タイルカーペット・・・壁までの距離感は吊るされたオブジェが教えてくれます。


・人が歩くことで、床の変化がわかります。
柱にあるような状態で床に製作、10月に解禁になり床を鑑賞者が自由に歩けるように。

一辺が15m以上ある450㎡の部屋、大巻伸継さんの作品です。
白いフェルトにステンシルの方法で日本画の顔料で製作されたデリケートなもの。以前は端を歩くだけでしたので絵のリアルさに圧倒されました。10月に歩くことが解禁され、その結果、彩色部分が潰れて顔料がフェルトに込み滲んでいます。
今回は歩くことで滲んだ絵の柔らかさが、足元から伝わります。
 床材メーカーの耐摩耗試験を思い出します。リアル版?


③構造用合板 厚さ12mm
・休憩用ベンチ

人が多かった時には気になりませんでしたが、空席が多く ちょっと座って見て・・・
背のトップは・・・断面を見たらクッション材付きの配管カバーです。後ろの黒い袋は移動しないようにでしょう、持った感覚は砂のようです。
SH(シートハイ:床から座面まで)は300ぐらいなので、長時間座らせないように?

・ベンチとテーブルの区別
天板にラインが描かれています。これにより、人は座るものではないと判断します。
デザインするということの原点かも。


④会場を出て、ベロタクシ―のデザイン画をもう一度見ると、顔料で製作された床の絵が記憶から蘇ります。

閉会後、絵は消されてしまうなら もったいないような・・・

ポールスミス展

2016-10-16 | アート
サブタイトルが『わずか3メートル四方の店舗から世界70ヵ国の人気ブランドに』
【夢を叶えたい全ての人に見てほしいポールスミスの世界】
松坂屋美術館です。買い物のついでに駆け足で見ます。

入口すぐ、アートのコレクションがすごい。
ジャンルを問わずコレクションされたもの全体がアートになっています。
世界各地にある ポールスミスの店舗は、その街のイメージを持って作られています。
画一には、造らない発想が、これらのアートから理解できます。








それにしても、集めたポールスミスも凄いけど、展示作業をした人も凄い。
展示の解説に、
[アイデアはどこからでも湧いてきます。
どんなのものからでもインスピレーションは得られるのです]
 
私の部屋の 脈絡のない、でも、全部好きなアートに安心する言葉です。

6枚のシャツと2枚のセーターと2着のジャケットが最初のコレクションの発表。



再現方法が、シャンデリアまで白黒の立体模型で、デザイナーのスタート感の演出を感じます。

ボタンの壁


これを見て、持っているブラウスのボタンを確認、赤でした。

2,3年前に買った・・・三越で・・・

2,3時間はゆっくり見ていたい松坂屋美術館です。



『日本の絵画に見えるインテリアの変遷』

2016-10-14 | アート


8世紀の絵巻から18世紀の美人画や屏風絵の中。
建築、室礼の変化の過程を歴史の変遷に沿って解説していただきました。

日本インテリアデザイナー協会主催のセミナーです。
講師は名古屋造形大学教授の 池田洋子先生。

頭の中で古典と日本史、美術の教科書を繋ぎ合わせました。
インテリアを学んだ時に几帳、襖、障子などの過程は大体は覚えていますが、絵で見るとリアルです。

帰宅してちょっと復習。
以前、徳川のお茶会で戴いた源氏物語絵巻の図録を出してきました。



中央男性は夕霧(光源氏の嫡男)その右は妻の雲井の雁 
夜更けにこっそり帰ってきた夫、驚いて泣いている子をあやす妻に『格子を開けたから物の怪が入ってきた』と責められている様子を描いています。
左の襖が少し開いているのが、他の女性のところからこっそり帰って、妻の様子が気になったことを示唆。

先生からの伝授:左の襖の絵は通常『山』を描きます。『崖』は無い・実際の住まいで崖を描いていたら失礼なこと と。この夫婦が『崖っぷち』の状態を絵巻の絵師が入れたのではないか。

・・・絵巻の見方が変わります。
図録を見始めると時間が無くなってしまいます。

建築様式、室礼、インテリア 私が仕事を始めてからも変わっています。
快適に、安全に、変わる方向に進んでいます。
何より、 住む方の気持ち大切にしたいです。

モザイクタイル:中日ビルの天井

2016-10-09 | アート
この天井はエレベーターを昇ると、モザイクタイル貼りが間近に見られます。

子供のころには 小さい一つづつ、触ったら落ちるのでは?と見上げていました。デザインは 泳いでいるのか 浮遊しているのか いまだに不明。


月に数回は訪れる場所です。1階の郵便局、3階の銀行、地下の八百屋さん、4階の文化センター。
日常、よく行く場所や通るところで、写真をあらためて写すことはあまりないけど・・・

『中日新聞社は中部日本ビルディングを老朽化などを理由に2019年3月末で閉館、解体後に新ビルを20年代半ばをめどに建設する計画。』と、発表されました。ビルの寿命が50年前後というのは、名古屋の街の立替ラッシュ。順番がここに来た、感です。
で、今更のノスタルジー、写しました。まだ2年半ありますが・・・

大名古屋ビルの建て替えには 壁画タイルが再度、貼られているけど、中日ビルの天井タイルはどうなるのでしょう。

ここが、私が身近に出会った 最初のモザイクタイルです。
現在の仕事の一端、既製品のタイルでも お客様にそれぞれ、すべて組み合わせを替えています。
私のタイルへのこだわりの原点が、 ここにあることを 再確認です。

4方向からと上下方向にも人が往来し、天地左右の無い絵は子供心に見上げて見回して不思議でした。不特定多数の人の目に不自然のない デザインと色使い、いつの間にか刷り込まれているような気がします。

『カワイイ』の原点 内藤ルネ展

2016-09-21 | アート
不覚にも先週、風邪を引いていまいました。
某社の新製品発表会で、会議室が冷蔵庫の様・・・
念のためストールを持っていったのですが やはり寒かった。
バタバタしているうちに 風邪のフルコース。
家にあるそれらしき薬はすべて消費期限切れ・・・
滅多に風邪を引かないことを喜ぶべきですが・・・
耳鼻科にも行き、何とか、今はほぼ正常になりました。

その期間中 うつむくと 『むせる』ので、パソコンも疎遠です。
思考回路は1メートルぐらい遠くにあっても
それでも何もせずにいられない性格・・・
スマホの写真の整理。

8月の三越で 10分ほどの寄り道『内藤ルネ展』です。
子供のころ、ぼろぼろになった雑誌『それいゆ』が、家にありました。
母が買ってきたものです。
私がぼろぼろにしたようですが、本の内容も理解していません。
物心ついたとき、字が読めるようになったときに覚えた表紙のタイトルです。

リボンをつけたり、スカーフを結んでもらったりの記憶があります。
母はもしかして、この絵の女の子のように『カワイイ』を私に臨んだのかも・・・
今となっては聞けませんが、片鱗も無く通り越し、なんとなく申し訳ない。

内藤ルネさんの作品を見ていると、懐かしさも感じます。
今回、じっくり見ると『髪形を変えて、洋服の着せ替えではなく、全部モデルさんが違う!』
当時は大人の人達から見ると ファッション誌でもあった・・・
会場を見渡すと70~80歳ぐらいの少女の方も・・・
黒柳徹子さんも影響を受けたとの解説がありますので、納得です。

色彩も再現されて 展示されていると 新たな気持ちで 対面しています。
私自身の記憶に無いぐらい前に出会った 『カワイイ』の原点が、 ここにあるのかもしれません。
自分の事は横に置き、いつの時も、『カワイイ』は捜していたいです。
















原画は撮影禁止ですが、 スマホ撮影用の展示は ついつい写してしまいます。

水墨画 「時の流れ」展 流水紋作家 重富豪さん

2016-06-23 | アート
『時の流れ:こころよ ここに来ないか?ここは真実の時が流れている』


水墨画・・・確かに水と墨です。
描かれているものは見る人に依って形あるものに見えます。
展示の掛け軸、滝であろうものであったり、焚火の炎のようであったり、連想する作品もあります。留まることのない移ろうものの表現です。

手元の縮小された はがきの大きさでも迫力あります。

この絵を見て・・・
人の目は知っているものに何とか当てはめようとする理解力があります。
私はこの絵を見たとき、漫画ポパイに出てくる、ブルートを連想しました。
(ブルートって、いったいどのくらい前に見た?と思うぐらい自分の奥から急に出てくる記憶です)
すれ違った後にこの絵を見た人が『何か怖いわね。』聞こえました。
怒っている・威嚇している・脅している と思うと、怖いですね。
私の目にはブルート:怖いという感覚はなく、何かを誇大強調しようとしているユーモラスなものも感じます。
人の怒りに同調しないようにと心がけるのは、もしかして 幼少期にポパイから学んだからかしら?

画廊では前に立つと見降ろされる目線の先に自分がいます。
墨と水で 凄い表現力です。




ある人は近くから、別の人は少し距離を持って、作品を見ている人がそれぞれ何かを感じ取っていいる様子
  ―――― を 見るのも好きです。

アートを楽しんでください。


桂離宮 冬から春

2016-03-05 | アート
教科書にも載っている 400年前の建築。
インテリア、建築、デザインの本で、特集になったり、行って見たいと思っていた一つ【桂離宮】。
宮内庁への申込もネットで簡単になり、直前の空きとタイミングが合い短い一人旅です。

江戸時代初期、月を見るための別荘 二代に渡り増築、増設。で完成。
月を見るため、茶を楽しみ、又、直接月を見るだけでなく池に映る月を愛でる庭。
『こだわり』と『掛ける費用』。
ベルサイユ宮殿も狩りや社交の場、噴水を作り、水を楽しむ・・・美に対する意識が高い施主でこそなせるものは 洋の東西同じです。後世に残り、主が公になって、公開されるのも同じです。

梅・椿の終わり頃、そろそろ桜、冬と春の間『素の美しさ』を感じることができる時期と言えます。早朝は雪がうっすら積もっていたそうですが、陽も差してきたところです。一日の中に冬と春。寒くはありませんが、冷えていた空気が澄んで、絵葉書のような美しさです。


飛び石を歩き、石橋を渡りお庭を巡ります。



市松柄で有名な『松琴亭・一の間』は、本で見ると、濃い藍色ですが、いつも外光が入る状態ですので、淡い水色になっています。色が抜けたても上品な色です。座敷に上がることはできませんが、市松の貼り方が正面からはっきりとわかります。藍色の上に白地の重なり1センチほど透けて見えます。

一枚の紙の上と右に重なりがわかりますので、これらは左下から順に貼られたようです。床の間の見付けで均等になるように割り付けられ、一枚の縦方向は側面と襖までほぼ合わせてあるように見えます。
割り付けやデザインは側面方向にも気を付けたいです。

『二の間』は無地ですが、紙の貼り合わせです。濃い藍色のころはかなり斬新だったと想像します。二の間から一の間に部屋を移った時、又気持ちが新たになったことでしょう。

賞花亭は屋根の葺き替え工事中でしたが、やはり、気になり、一瞬だけ。材料を見ると、工事現場ですね。

スナップ写真程度はOKです。デジカメの恩恵でかなり写しました。
デザインで気になったところ、一部だけ・・・
・丸と四角
  

  

・編む、結ぶ
  
  
  
   献上品の蘇鉄、京都の冬の間は厚着してます。結び目も美しく見せています。
・石の表情
  
  (右に下るステップは、宮様が池から舟を降り 上がられる所です。各建物にそれぞれの意匠で作られています)
  
  (外腰掛の待合、足を乗せる石もそれぞれに場に合わせ、大きさ・形があります)
  
   (玉砂利と思ったら、漆喰で固めてあるそうです。歩きやすい)
   石の配置にも 真・行・草があり、使い分けられています。

・優雅の極み 
  
  私が写すと、民家の古いウッドデッキのようですが、『月見台』です。
  参観者は上がれません・・・
  本や雑誌の特集で屋内からの写真を思い出しながら・・・
  ここから空を見、池に映る月を見る
  デッキ奥の床下の換気は割竹です。夏の暑さを柔らげたのでしょう。

・書院遠景と近景
  10時スタートで、1時間巡っていると空も借景になってくれました。
  
   初めに造られたのが東の古書院、川の氾濫もあったとかで、基礎から高くなっています。
  
  ここは残念ながら、中を見ることはできません。桂棚もここです。

・自然の目隠し
  
  外へ出て、右が桂川、左が桂離宮の敷地。生垣に見えるのは、敷地内の竹を葉が付いている状態で、外に曲げています。
  上部が山のようになり、葉が下向きです。竹は『真っ直ぐ』とは限らない、発想に見とれながら満喫しました。
  

ピカソ 【青い肩かけの女】

2016-02-27 | アート


愛知県美術館所蔵の この絵、いつもは他の方の作品と同室の展示です。
常設展はクリムト[黄金の騎士]の印象が強く、
これは、一般的に思う ザ・ピカソ的ではなく、 寡黙な印象で、どちらかというと立ち止まる人の時間は短い。

今回の特別展にあたり、この絵が愛知県美術館にあるので、
バルセロナ・ピカソ美術館から、他の作品が借りられたという経緯を知りました。

『青の時代』は期間も短く、作品数は少ないため、バルセロナで企画展をするときには、
この作品を貸し出す約束。とても重要な位置づけの作品です。

一枚の絵が、世界を繋ぎ、企画され 既にここへ5万人の人が動く・・・

バルセロナでも、きっと何万人もの人が・・・想像します。
何がきっかけになるのか・・・・・    アートって楽しい(^^♪

『ピカソ 天才の秘密』:愛知県美術館

2016-02-24 | アート




今回は、幼少期から20代半ばまでの作品です。
ピカソは、作品が多いので、美術館に依り、その時々で、企画が違います。
ゲルニカ中心、キュビズム、陶器類 思い出すといくつかピカソ展は見てきました。
それぞれの企画でも若い時代の展示がありましたので、やはり『天才は違う』は、承知済み。


今回、印象に残ったのは ピカソの自画像 15-6歳のころの作品です。

顔の右半分は影になり、しかも定まりがなく うつろ。左はまっすぐ正面を見通しているような目。この時すでに、顔の右と左を描き分けているのは、のちのキュビズムで顔を描いていく表現につながると想像します。まだ少年の面影がありますが、美青年。


『青の時代』の人物像は無表情のようですが、この絵は 湯気の立ち方と量から、早く食べたくて手を伸ばしてくる娘に お母さんが、「熱いから気を付けて」という思いで渡そうとしているように思います。心に優しさを感じます。

20代でパリに住んだことでロートレック風のタッチ、セザンヌに影響されたもの、イタリアではルネサンス風、あらゆるものから吸収しつつあったことがわかります。このことが、後年 陶芸の作品を作るきっかけに。
何でも挑戦の気持ちは私も忘れずに。
居酒屋のメニューの挿絵も描いていたこと・・・これを頼んだ店主もピカソがこれほどになるとは当時、思わなかったでしょう。残っていることも貴重です。

しばらくは 食べに行った先々でメニューも意識しそうです。